ロールでも自動給餌

2012 年 2 月 17 日

Filed under: — maetomo @ 6:54 AM 未分類

今週お邪魔した十勝管内A牧場(75頭繋ぎ)では
自動給餌機を使っての飼養管理を行なっています。
しかし、その自動給餌方法は一般的なものと少し違います。

A牧場では、ロールベールサイレージを自動で
1日8回給餌できるシステムになっています。
1日に使うロールベールサイレージ2個をセットしておけば、
後は自動で決められた時間にカットされ、
ベルトコンベアーで自動給餌機に投入されるようになっています。

このシステムにより省力化を図ることができ、
「経営寿命が延びた」とAさん(60歳)は言います。

「尻の角度と繁殖成績の関係」(森氏:千葉共済連)が西川賞:家畜人工授精発表大会

2012 年 2 月 15 日

Filed under: — admin @ 6:07 PM セミナー報告,ニュース

2月15日、社団法人日本家畜人工授精師協会は、東京都内で第40回家畜人工授精優良技術発表全国大会を開いた。参加者は約300名。

テーマは「栄養管理改善により、受胎率を向上させよう」で、乳牛に関するものが5例、和牛が6例。発表者は、家畜人工授精師8名、獣医師3名の合計11名。内容は、精液の融解温度に関するものが1例、受胎率向上が5例、生産効率向上が5例であった。

特別講演では「牛の受胎率向上のための栄養管理の要点」と題し、木田克弥教授(帯広畜産大学畜産フィールド科学センター)が、繁殖を成功させるための第一のポイントは乾物摂取量の最大化、第二が粗飼料の採食量を高めてルーメン発酵を健全に維持すること、など乳牛栄養と繁殖の関係を解説した。

審査の結果、特に優秀な発表者に贈られる「西川賞」に、「表計算ソフトを活用した和牛の授精業務と農家へのデータ還元」(長崎県・永田宗広授精師)と、「乳牛における初回授精時の尻の角度と繁殖成績の関係」(千葉県・森清之授精師)が選ばれた。

森授精師ら(千葉県農業共済連)は、ホルスタイン牛288頭を対象に、尻の角度と受胎率を調べ、「尻の角度の高い牛は尿膣を継発している割合が高く、繁殖成績が悪い傾向がある。尻の角度は遺伝率が高いので、長命連産を達成させるには、それらを意識した種雄牛を選定すべき。また授精時には、シース管カバーを用いて、子宮内に細菌を持ち込まない衛生的な操作が必須」などと発表した。

詳しくは弊誌4月号で。(文責:関東支局)

平成24年度供給目標数量の試算は前年比102.7%(2月3日時点)

2012 年 2 月 13 日

Filed under: — admin @ 2:08 PM ニュース

社団法人中央酪農会議は2月10日理事会を開き、平成24年度の生乳計画生産対策などを議論し、13日、門谷専務が記者レクを行なった。
それによると、理事会の内容は、1)平成24年度の目標生産数量、2)TPP交渉や加工向け補給金単価アップ、3)福島原発事故への対応、などで、2)と3)については酪政連ら関係団体と協力し、政府・東京電力へ要望していく、とした。

喫緊の課題である生乳生産に関しては、既に今後3年間は前年度実績以上の目標数量の配分を行なう中期計画生産に転換することが決まっており、初年度の24年度は、先に公表された日本酪農乳業協会(J-milk)の需要予測(バターベース)を基に、以下の内容となる。

1:販売基準数量(683万3000トン)
平成23年度供給目標数量実績に新規就農枠を加算し、さらに東日本大震災および原発事故による影響を受けた数量を加算。

2:特別調整乳数量(11万1000トン)
国内の乳製品需給の安定を図る観点と、生産者組織による消費喚起や液状乳製品向け生乳の販売努力を通じて期待される需要を加味し、インサンダー率(97%)を乗じた数量。
内訳は、A:J-milk予測数量に国内の乳製品需給の安定を図る要素を加味して設定した数量と、販売基準数量および新規就農枠の差(6万8000トン)、B:特別調整乳数量からAを差し引いた数量で、生乳需給が緩和し、生乳流通に混乱が生じることが見込まれたり、翌年度の生乳計画生産に悪影響を及ぼすことが見込まれる場合は、過剰回避対策を実施することを前提とし、希望する指定団体に配分(4万2000トン)。

3:選択的拡大生産数量
生産枠の拡大を希望する指定団体について、チーズ・全乳哺育向けおよび通常の生乳市場と区分した新たな生乳需要を計画的に創出する数量で、実績の確認できる数量を、選択的拡大生産数量として配分する。

これら1、2、3を合わせた数量が「計画生産目標数量」となり、1および2は5月21日までに各指定団体に配分し、3については5月末までに申請すること、となっている。

2月3日時点の試算では、「供給目標数量(上記1+2)」は北海道339万7885トン(前年比102.5%)、東北60万589トン(同107.1%)、関東116万4700トン(同102.7%)、北陸10万5106トン(同103.7%)、東海40万3956トン(同101.4%)、近畿18万9017トン(同102.1%)、中国29万2310トン(同101.0%)、四国13万7958トン(同101.9%)、九州65万1675トン(同101.9%)となり、全国では694万3196トン(同102.7%)。(ただし、今後の受託実績の変動などで、数値が変わる可能性もある)

中央酪農会議では「酪農現場の生産意欲を落とさないことに配慮した、若干の余裕をもった数字だ」(門谷専務)としている。

また、「国産生乳需要拡大定着化促進事業」についても原発事故問題を重点事業に位置づけるほか、「MILK JAPAN」運動の最終年度として重点化し、地域活動との一体的な展開で継続実施する、としている。(文責:関東支局)

生産者のグチやボヤキも大いに結構

2012 年 2 月 10 日

Filed under: — maetomo @ 6:16 AM 未分類

2月3日付DJニュース「サツラク青年同志会 創立50周年記念式典 開催」にあるように、そこでは記念講演が行なわれました。
その記念講演は「サツラクどうでしょう-ローカルから全国へ-」と題されたものです。
講師は人気TV番組(水曜どうでしょう)を産み出したディレクターらで、同志会員らも壇上に上がりユニークなディスカッション方式がとられ、いかにして消費者の心をつかんでいくか、などが話し合われました。

そのときの取材メモの一部です。

「自分達は良いものを作っている」という誇りがあり、それを仕事の目的の一つとしている。
そのことを消費者に、なかなか知ってもらえない。
でも、知ってもらうことは、ちょっとしたきっかけを作っていくことで可能となる。
それにはまず、生産者、作り手の想い、その商品の特徴を、こだわっている感を出しながら、どんどん発信していくこと。
草の根(口コミ)、ブログ、商品パッケージなどを使って発信していく。
その際、作っている人の空気感を出すこと。
そして、グチやボヤキも大いに結構。
生産者、作り手がグチやボヤキを発信すると、(今の時代は)多くの消費者から共感を得ることもたくさんある。

第3回光岡賞は齋藤忠夫教授(東北大学)に:JIDF報告会で授与

2012 年 2 月 6 日

Filed under: — admin @ 4:35 PM ニュース

2月6日、国際酪農連盟日本委員会(JIDF)は、都内で催された平成23年度国際会議出席報告会で、今年度の光岡賞受賞者の齋藤忠夫氏(東北大学大学院農学研究科教授・日本酪農科学会会長)の表彰式を開いた。

受賞研究題目は「プロバイオティク乳酸菌の機能性に関する研究」。その功績として、学術研究を通じて我が国における牛乳・乳製品の普及に努め、酪農乳業界における功績は大きい、などと評した。
研究業績は、1)乳酸資化系酵素の研究と乳糖不耐症用ヨーグルトに関する研究、2)ヒト腸管付着性乳酸菌の研究と炎症性腸疾患用ヨーグルトに関する研究、3)その他、乳酸菌に関する研究。齋藤教授には、原著論文、解説、著書が多数あり、また一般市民向けの講演などでも活動(DJニュース2月4日参照)。

記念講演で齋藤教授は「乳糖不耐症や炎症性腸疾患用のプロバイオティクスの評価システム構築と製品化への新展開」と題し、乳酸菌を基にした新しい研究・知見などを報告した。

写真は、右が齋藤教授、左が海野JIDF会長。なお、2013年には横浜で、IDFワールドデイリーサミットが開かれる。

牛乳・乳製品の機能性・おいしさを科学する 酪総研シンポジウム

2012 年 2 月 4 日

Filed under: — djito @ 6:16 AM ニュース

雪印メグミルク・酪農総合研究所は3日、札幌で「牛乳・乳製品の機能性・おいしさを科学する」と題して平成23年度「酪総研シンポジウム」を開催。
酪農家や関係機関、関連企業など200人以上が参加した。

本シンポジウムは、基調講演、話題提供、意見交換の3部構成となっており、
基調講演では、堂迫俊一氏(雪印メグミルク・ミルクサイエンス研究所主事)が「ミルクの神秘」と題し、ミルクの奥深さを語った。

話題提供では、
齋藤忠夫氏(東北大学大学院農学研究科教授)が「乳製品中の有用成分とその機能性」で、乳が食品として分子設計された唯一の天然物であることを伝えた。
阿久澤良造氏(日本獣医生命科学大学応用生命科学部教授)は「牛乳のおいしさと、その決め手」で、牛乳のおいしさは原料乳とその処理方法で決まることを解説。
松井英美子氏(札幌消費者協会理事)は「牛乳・乳製品に求めるもの」で、食事への牛乳・乳製品プラスワンでバランスが良くなると語った。

その後の意見交換では、研究者をはじめ行政などとも協力して、今後の牛乳・乳製品について考えていくことが必要であるとし、食育による牛乳・乳製品での病気予防などでも、さらに研究が必要になってくるなど、今後の課題についても話し合われた。

牛用飼料の放射性セシウム暫定許容値は100ベクレル以下に

2012 年 2 月 3 日

Filed under: — admin @ 10:41 PM ニュース

農水省は2月3日、牛用飼料に対する放射性セシウムの改訂後の暫定許容値を、1キロ当たり100ベクレルに決めたと発表した(粗飼料は水分含有量:8割ベース、その他飼料は製品重量)。

同省では、食品の基準値を超えない牛乳や牛肉が生産されるよう改訂後の暫定許容値以下の粗飼料への切り替えを速やかに進めるとし、改訂後の暫定許容値以下の粗飼料の確保が困難な場合、乳用牛については3月15日までに改訂後の暫定許容値以下の粗飼料への切り替えを行なうとしている。

また、 今後収穫される牧草が改訂後の暫定許容値を上回ると予想される牧草地について、表土の削り取り、反転耕、耕起等による除染、デントコーン等への作付転換を進め、平成24年に圃場から収集する稲わら(春わら)については、検査したうえで、流通・利用を行なうとしている。

平成23年産牧草のモニタリング調査において、改訂後の暫定許容値を上回る放射性セシウムが牧草から検出された地域を有する県(注)では、県内で生産される平成24年産永年生牧草の飼料としての流通・利用の自粛を要請し、改めて調査を行なったうえで、流通・利用の自粛の解除を判断するよう指導するとしている。
(注) 岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉

原発事故発生県や周辺県などで、永々と自給粗飼料に励まれてきた方々にとって、まことに悔しい数字だと思う。(文責:関東支局)

子牛、飼料作物、家畜堆肥などの研究成果を発表:畜産技術協会主催で

Filed under: — admin @ 7:16 PM ニュース

2月3日、東京都内で、「新しい畜産技術の研究成果 民間活力を活用した畜産技術開発事業成果発表会」が開かれ、関係者ら約200名が参加した(主催:社団法人畜産技術協会)。

畜産の市場が小さく、商品化がしにくい分野について、民間にある技術力と研究機関が共同で開発した結果を広く周知し、実用化を目指すもの。今まで5年間で7課題に取り組み、うち以下の5題が発表された。

眞鍋昇氏(東京大学大学院農生命科学研究科教授)は、子牛へのアミノ酸混合物(アミノ酸カクテル)を補給することで、飼料効率が改善され、増体効果が上がったことを報告した。

近藤聡氏(雪印種苗株式会社)は、bmr遺伝子を利用した高消化性ソルガム・スーダングラスの開発を発表。トウモロコシと比べても遜色ない乾物摂取量と泌乳量を得ることができるほか、放牧への利用も可能と示唆した。また品種改良されたスーダングラス(リッチスーダン:商品名)の飼料特性などにも言及した。

阿部佳之氏(農研機構:畜産草地研究所)は、畜産堆肥をセメント業界と連携させ、セメント製造時の燃料として活用することができるとした。ポイントとして、1)一ロット当たり10トンの堆肥が必要、2)塩素濃度を下げること、3)環境省から公示されたオフセットクレジット制度の利用、などをあげた。

林国興氏(株式会社源麹研究所)は、麹(アスペルギルアワモリ)にある成長作用、消化促進作用などを利用した、養豚用リキッド飼料の効果を発表した。

向山洋氏(三洋電機株式会社冷熱技術開発センター)は、自然冷媒冷凍機を利用したバルクの冷却と温水の取り出しを同時に行なうシステム開発を発表。3農場で試験を行なった結果、生乳の排熱が給湯水に利用となり、温水用の灯油代、バルク稼動による二酸化炭素の排出量ともに削減できた。今後、一般市場における冷凍機価格の様子を見ながら製品化していきたい、とした。(文責:関東支局)

*関連した弊社書籍
「吸引通気式堆肥化処理によるアンモニアなど肥料成分の回収と利用」(阿部佳之)2010年増刊号「もっと知りたい環境対策」
「酪農現場の?に答える 牧草・飼料作物編」(近藤聡ら)2011年増刊号

サツラク青年同志会 創立50周年記念式典 開催

Filed under: — djito @ 3:35 PM ニュース

サツラク農協(札幌市、藤本曙三代表理事組合長)を担うサツラク青年同志会の創立50周年式典が3日、札幌市で開催され、会員はじめ関係者ら約120名が集まった。

会長の福屋智氏は「サツラク青年同志会は昭和36年に先輩の努力により設立されて半世紀が経った。50年の長い歴史を刻んでこられたのは歴代会長および役員はじめ会員各位の情熱と努力のたまものであり、深い尊敬の念を抱くとともに、本会を支え続けていただいたサツラク農協と組合員の理解、協力にお礼を申し上げる」と挨拶。
さらに「本会は事業活動を通じて強いつながりを築き、そこで得られた知識や情報を糧に、今後どのような厳しい環境になっても個々が自立した強い経営を確立してサツラク農協とともに酪農発展の道を邁進し、高品質で安全、安心な牛乳乳製品を提供していく」と述べた。

その後、以下の名誉会員(40周年以降の歴代の会長)および功労者(30周年以降の永年役員を務めた会員)に感謝状が授与された。
さらに「サツラクどうでしょう-ローカルから全国へ-」と題し、人気TV番組を産み出したディレクターらによる記念講演が行なわれた。
そこでは同志会員らも壇上に上がりユニークなディスカッション方式がとられ、いかにして消費者の心をつかんでいくかなどが話し合われた。

名誉会員表彰
第12代会長:長濱秀人氏、第13代会長:向浩実氏、第14第会長:山本裕康氏、第15第会長:小林紀彦氏

功労者表彰
牧野義幸氏、弘中敏裕氏、工藤伸一氏、川上登氏、亀田壮将氏、小川豊氏、池端規明氏、米澤健一氏

子牛専用車

Filed under: — maetomo @ 6:20 AM 未分類

1月13日付の北海道支局だよりの続編です。
北海道十勝管内のS哺育育成牧場では、子牛の集荷のために、宅配業者が使用していた箱車(1.5tカーゴトラック)を改造し、利用しています。
ちなみに定員は最大で12頭です。
内装は牛床マット貼りで、床は麦稈でフカフカです。

さらにこの車の工夫しているところは、本来バックモニターとして使われていたカメラを箱の内部に取り付け、運転席から子牛の状態をモニターできるところです。
これにより、荷台を開けずとも子牛をチェックすることができます。
輸送は子牛にとってストレスがかかるため、細心の注意を払っています。

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