子牛、飼料作物、家畜堆肥などの研究成果を発表:畜産技術協会主催で

2012 年 2 月 3 日

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2月3日、東京都内で、「新しい畜産技術の研究成果 民間活力を活用した畜産技術開発事業成果発表会」が開かれ、関係者ら約200名が参加した(主催:社団法人畜産技術協会)。

畜産の市場が小さく、商品化がしにくい分野について、民間にある技術力と研究機関が共同で開発した結果を広く周知し、実用化を目指すもの。今まで5年間で7課題に取り組み、うち以下の5題が発表された。

眞鍋昇氏(東京大学大学院農生命科学研究科教授)は、子牛へのアミノ酸混合物(アミノ酸カクテル)を補給することで、飼料効率が改善され、増体効果が上がったことを報告した。

近藤聡氏(雪印種苗株式会社)は、bmr遺伝子を利用した高消化性ソルガム・スーダングラスの開発を発表。トウモロコシと比べても遜色ない乾物摂取量と泌乳量を得ることができるほか、放牧への利用も可能と示唆した。また品種改良されたスーダングラス(リッチスーダン:商品名)の飼料特性などにも言及した。

阿部佳之氏(農研機構:畜産草地研究所)は、畜産堆肥をセメント業界と連携させ、セメント製造時の燃料として活用することができるとした。ポイントとして、1)一ロット当たり10トンの堆肥が必要、2)塩素濃度を下げること、3)環境省から公示されたオフセットクレジット制度の利用、などをあげた。

林国興氏(株式会社源麹研究所)は、麹(アスペルギルアワモリ)にある成長作用、消化促進作用などを利用した、養豚用リキッド飼料の効果を発表した。

向山洋氏(三洋電機株式会社冷熱技術開発センター)は、自然冷媒冷凍機を利用したバルクの冷却と温水の取り出しを同時に行なうシステム開発を発表。3農場で試験を行なった結果、生乳の排熱が給湯水に利用となり、温水用の灯油代、バルク稼動による二酸化炭素の排出量ともに削減できた。今後、一般市場における冷凍機価格の様子を見ながら製品化していきたい、とした。(文責:関東支局)

*関連した弊社書籍
「吸引通気式堆肥化処理によるアンモニアなど肥料成分の回収と利用」(阿部佳之)2010年増刊号「もっと知りたい環境対策」
「酪農現場の?に答える 牧草・飼料作物編」(近藤聡ら)2011年増刊号

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