イスラエルが世界トップクラス個体乳量である理由とは コーンズ・エージー

2018 年 11 月 28 日

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(株)コーンズ・エージーは11月27・28日、北海道十勝管内芽室町と根室管内中標津町で「afimilk(アフィミルク)飼養管理セミナー」を開催した。
高性能の牛群モニタリングシステム開発・販売などで知られるアフィミルク本社(イスラエル)営業部長ローネン・コール氏が会社紹介を行なったあと、製品部長アミール・ベン・ヨシュア氏がアメリカ酪農とイスラエル酪農の現状、そしてアフィミルクのモニタリングシステムを使った牛群モニターなどを紹介した。

イスラエル酪農は、酪農家戸数850戸、経産牛頭数12万頭、平均乳量1万1771kg、乳価は52~57円/kg。給飼はTMR、メインの粗飼料は小麦サイレージ、フリーバーン飼養が多い。
イスラエルの酪農家の特徴は、「すべては牛のため(常に乳牛の幸福を考える)」という哲学を持ち、「測ることができれば管理ができる」という原則で詳細なデータを活用し、技術に詳しく、自動化を好むことだという。
牛群モニタリングシステムで得られる各種データをフル活用している牧場は96%以上で、そこがアメリカ酪農と異なり、世界トップクラスの個体乳量を誇る理由の一つであることを強調した。

※詳報はDairy Japan 1月号で

最新の酪農技術を幅広く学ぶ 北海道酪農技術セミナー

2018 年 11 月 8 日

Filed under: — djito @ 11:51 AM セミナー報告

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今回で8回目となる「北海道酪農技術セミナー2018」が11月6・7日に帯広市で開催され、北海道はもとより全国各地また海外から約650人が参加した。
開催に先立ち、同セミナー事務局長の武中慎治氏(メイプルズクレスト コンサルタント サービス)は「今回はテーマの一つに、規模拡大に伴う雇用管理を盛り込んだ。ほかにも哺乳ロボット、生乳の異常風味、疾病コントロール、ゲノム活用など、いま皆さんが関心を持たれている内容で構成した」と挨拶した。

セミナー初日は、まずプレ・コンファレンス・ワークショップが行なわれ、北海道銀行の土屋俊亮氏が『北海道酪農に期待する-金融面から見た視点-』、共立製薬の有馬智之氏が『乳房炎用ワクチン「スタートバック」の効果』と題して講演した。

セミナーのセッション1では、『乳牛の幸福-良い実践-より良い経営』と題してビル プロコップ氏(デーリィ・イノベーション 米国)が講演した。3000頭を超える大規模酪農場のコンサルタントおよびコーネル大学(ニューヨーク州)附属農場ディレクターでもあるプロコップ氏は、「成功のすべては品質管理である」と前置きし、どうすれば牧場スタッフが正しいときに正しい方法で作業することができるのか、またそれらは乳牛の幸福に重点を置くことで達成されることを自身のコンサルタント事例を交えながら解説した。

セッション2では、『笑顔が溢れる牧場になるまで」と題して松村孟氏(興部町/パインランド デーリィ・専務取締役、経産牛720頭、未経産牛650頭、スタッフ29人)が講演。スタッフ定着率を4年間で20%から80%に向上させた取り組みを紹介した。

二日目のセッション3では、『カーフフィーダーで哺育を成功させる』と題して金井奈穂子氏(北海道ひがし農業共済組合)が講演。「カーフフィーダーは通称“哺乳ロボット”だが、すべてお任せのロボットではない」と前置きし、メンテナンス(洗浄と計量)、環境整備、病気の早期発見、哺乳量(推奨プランなど)を紹介した。

続いて、『生乳の風味異常について』と題して林陽一氏(明治)、竹内幸成氏(同)、熊野康隆氏(北海道酪農検定検査協会)が講演。林氏と竹内氏は「近年、今までになかった問題が起こっている」として、要注意の風味不良としてランシッド臭と自発性酸化臭が増えていることを紹介。熊野氏は同協会が今年度から生乳検査項目に加えた、風味のバロメータであるFFA(遊離脂肪酸)を解説した。

セッション4では『牛のヨーネ病防疫について』と題して梅澤直孝氏(十勝家畜保健衛生所)が講演。法定伝染病であるヨーネ病の特性、発生状況、対策の概要、飼養衛生管理、早期発見を解説した。

セッション5では、『酪農場におけるゲノム検査の実際-結果の評価と活用への可能性-』と題して奥啓輔氏(トータル ハード マネージメント サービス)が講演。ゲノムとは、これまでの根室管内における乳牛改良、北米でのゲノム選抜の実際、酪農場におけるゲノム検査結果の活用への提案、選抜強度を上げるための性選別精液の利用と経済効果、どのように牛群内の順位づけすべきかを解説した。

続いて、『マイコプラズマ性乳房炎-清浄化に向けた取り組みから学んだこと-』と題して山川和宏氏(ゆうべつ牛群管理サービス)が講演。マイコプラズマ性乳房炎の特性、対策のポイント、2件の発生事例と教訓を解説した。

次回の北海道酪農技術セミナーは2019年11月5・6日に帯広市で開催される。

※詳報は Dairy Japan 1月号で。

北海道命名150年記念「北海道酪農の歴史と未来」 酪農学園大学 酪農公開講座

2018 年 10 月 3 日

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酪農学園大学は10月2日、札幌市内で北海道命名150年記念企画として「北海道酪農の歴史と未来」と題した酪農公開講座を開催した(後援:北海道、札幌市、江別市、ホクレン、道総研)。
約170人が参加した。
同大学の酪農公開講座とは、酪農生産者や関係団体・企業に向けて卒後教育の一環として、日頃の教育や研究成果を酪農現場で役立ててもらうよう各地に出向いて行なっているもの。
55回目の今回は、以下の三氏が講演を行なった。

●北海道150年と酪農の歴史―安宅 一夫 名誉教授
開拓使とお雇い外国人による北海道酪農の夜明けとして、米国農務局長ケプロン、米国畜産農家エドウィン・ダン、札幌農学校の初代学長を務めたクラーク博士の功績や教えを紹介。
そこから芽吹いた、日本酪農の父・宇都宮仙太郎、日本酪農乳業のプロデューサーであり酪農学園の創立者・黒澤酉蔵、牛の神様・町村敬貴、日本酪農の母・佐藤貢の功績を紹介した。

●飼料生産・乳生産の省力化・自動化―小宮 道士 教授
北海道ではGPSガイダンス(経路誘導)システムや自動操舵の普及が急速に進んでいることを解説。
さらに搾乳および牛舎管理作業の自動化を紹介。搾乳ロボットに自動給飼機と自動エサ寄せ機を併用することで、搾乳ロボット訪問回数が増え、かつ日内での搾乳回数が平準化されることを解説した。

●ドローンや衛生画像技術の利活用―小川 健太 准教授
ドローンの農業分野での活用事例として、空撮した画像解析によりデントコーン圃場での生育(背丈)がわかる、牧草地の収量および栄養価を推定できる、台風被害(デントコーンの倒伏状況)を把握できる、シカによる食害を見ることができる、などを紹介。

※詳報はDairy Japan 11月号で

外国人実習生の現状を紹介 Jリードの井下氏が講演

2018 年 5 月 16 日

Filed under: — djito @ 4:45 PM セミナー報告

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アジア酪農交流会(会長・野英二氏=酪農学園大学副学長)は5月16日、酪農学園大学で「アジア酪農交流会の集い」を開催。講演会では、井下英透氏(十勝管内豊頃町/農事組合法人Jリード・代表、Jクラウド事業協同組合・代表理事)が「技能実習制度の現状と課題」と題して自らの取り組みなどを紹介した。

井下氏は十勝管内の同志酪農家10軒で3年前、外国人実習生を受け入れ、滞在期間中の監理を行なう団体「Jクラウド事業協同組合」を設立。ところが全国でも稀な、酪農家グループでの運営ゆえに、受け入れ団体としての許可を得るまでには辛酸をなめ、「挫折しかけたときもあった」と井下氏は言う。しかし「外国人実習生がいなければ、もはや農場運営を継続していけなくなる」という実情と、「実習生を大切にして、“日本で酪農実習して良かった”と感じてもらえる監理団体を作りたい」という想いで井下氏は奔走。その努力が実り、ようやく昨年、ベトナムからの受け入れにこぎつけた。現在の受け入れ実習生は19名で、年内には40名ほどになる予定だという。

そして井下氏は、日本では生産年齢人口(労働できる人口)が減少していることから、どの産業でも人材確保が深刻化し、それゆえに外国人労働者が必要となっている実情を解説。
さらに、技能実習制度の内容と受け入れの現状、ベトナムでの実習希望性の様子などを、データや写真を交えて紹介した。

なおアジア酪農交流会は、酪農学園大学の教授陣を中心として1975年に発足し、アジア諸国の酪農に関する情報交換、酪農青年の交換研修の援助、セミナー、視察などを定期的に開催している。

乳牛はアミノ酸を要求している 乳牛アミノ酸栄養セミナー2018

2018 年 5 月 15 日

Filed under: — djito @ 7:53 PM セミナー報告

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味の素ヘルシーサプライ(株)は5月15日、帯広市で「乳牛アミノ酸栄養セミナー2018」を開催した。
全国から酪農家はじめ乳牛栄養の技術者ら約150人が参加した。
チャールズ・シュワブ博士(米国ニューハンプシャー大学名誉教授)が「乳牛アミノ酸栄養」と題して基礎編・実践編を解説。杉野利久博士(広島大学准教授)が「国内酪農における乳牛アミノ酸栄養の活用」と題して研究結果を紹介した。
以下はその要約。

●《基礎編》今の乳牛はバイパスアミノ酸が不可欠―シュワブ博士
□乳牛はアミノ酸を要求量しており、CP(粗蛋白質)を要求しているのではない。
□乳牛が吸収できるアミノ酸源は、菌体蛋白質(総アミノ酸の40~60%)、RUP(ルーメン非分解蛋白質、同35~55%)、内因性蛋白質(同約5%)である。
□RDP(ルーメン分解性蛋白質)給与の目的は、ルーメン微生物が炭水化物の消化を最大にして菌体蛋白質合成を最大化できるようルーメン微生物のアンモニアとアミノ酸の要求量を満たすことにある。RUP給与の目的は、乳牛が要求しているにもかかわらず菌体蛋白質だけでは供給できない不足分のアミノ酸を供給することにある。
□乳牛の体内で毎日合成される蛋白質の量は、吸収される必須アミノ酸の量、組成、利用効率によって決まる。乳牛において最も制限になりやすい二つのアミノ酸はリジンとメチオニンである。吸収されるアミノ酸の最適な比率を実現するためには、リジンとメチオニンのルーメンバイパス製剤が不可欠である。
□乳牛が利用できるバイパスアミノ酸がどれだけ供給されるかは、製品によって非常に差がある。

●《実践編》アミノ酸バランスを整える手順―シュワブ博士
1 ルーメン機能を最適化しDMIと菌体蛋白質を最大化するために、高品質の粗飼料を給与する。
2 ルーメン機能を正常化しMUN(乳中尿素態窒素)を目標レベルに収めるために、十分な、だが過剰ではないRDPを与える。
3 MP(代謝蛋白質)中リジン比を最適値に近づけるよう、リジンが豊富な蛋白質飼料を給与するとともに、バイパスリジン製剤を組み合わせる。
4 MP中Lys/Met(リジン/メチオニン)比が最適になるよう、ルーメンバイパスメチオニン製剤を組み合わせる。
5 乳牛が必要とする最小限までRUP給与量を減らす。
□移行期牛においてリジンとメチオニンのバランスを整えると、DMI(乾物摂取量)が増え、乳量および乳蛋白質が増え、ケトーシスが減少し、肝機能が改善され、炎症および酸化ストレスが抑制され、妊娠ロスが減る。

●分娩前のバイパスリジン給与は分娩前後のDMIを増加させる―杉野博士
□分娩移行期においてDMIは最も重要である。そこで「分娩前のリジン補給が分娩後のDMIおよび乳量を増加させる」というデータに着目。分娩前3週間、バイパスリジン製剤(AjiPro-L)を添加してバランスを整えた。すると分娩前のDMI落ち込みが軽減され、分娩後のDMIは高めに推移し、肝機能も良好だった。
□さらに、バイパスリジン製剤をTMRに混合した際にリジンが溶出していないかどうかを3種類の製品で調査したところ、大きな違いが見られた。したがって製品ごとで添加量を設定する必要があるとともに、費用対効果を吟味する必要がある。

牧場経営を加速させる ファームノート キャラバン 2018 in 十勝

2018 年 4 月 12 日

Filed under: — djito @ 8:01 PM セミナー報告

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牛の行動をリアルタイムでモニター・分析して飼養管理を向上させるソフトおよびセンサーの開発・提供を手掛けるファームノート(本社/帯広市、小林晋也社長)は4月12日、十勝管内幕別町で酪農セミナーを開催した。
酪農家はじめ関係者ら約130名が参加した。
本セミナーは以下の五つのプログラムが盛り込まれ、幅広い情報が提供された。

●牛群を量と質で進化させる
最初のプログラムは「繁殖管理のもつ“ちから”~牛群を進化させる~」と題して、ゆうべつ牛群管理サービス・代表取締役の安富一郎氏が、繁殖はなぜ重要なのかを前段で解説。
そして、繁殖管理による量的な向上として妊娠率について、質的な向上として個体の優劣に基づいた精液の選択や淘汰、さらにゲノミック評価による遺伝改良で疾病抵抗性などを高める牛群作りなどについて解説した。

●繁殖お悩み相談
二つ目のプログラムは「あなたの悩みを一刀両断」と題し、安富氏が参加者からの質問に回答。超音波(エコー)診断、プログラム授精、妊娠率向上、VWP(自発的待機期間)、A2ミルク、OPU-IVF(経膣採卵-体外受精)、流産率、フレッシュチェックなどについての質問があがった。

●反芻マネジメント
三つ目のプログラムは「ファームノートが提案する新・反芻マネジメント」と題してファームノートの平勇人氏が、人工知能を活用したセンサー「Farmnote Color」の新機能である、反芻の“見える化”を紹介。その活用事例として、分娩予定日前の反芻の落ち込みから要注意牛をピックアップする、疾病などによる健康状態悪化の早期発見、牛群移動や牛群構成の評価、削蹄方法や時期の評価などについて解説した。
さらに、上士幌町のとかち村上牧場・副代表の村上智也氏が、新機能を使った自農場での反芻マネジメントの具体例を紹介した。

●求人の課題を解決
四つ目のプログラムは「人材課題を解決するために」と題して、農業求人サイト「あぐりナビ」を運営するアグリ・コミュニティ・代表取締役CEOの鍵悠平氏が、人材募集を行なう際の手段、採用活用のポイントを解説し、「あぐりナビ」を紹介した。

●乳房炎ワクチン活用術
五つ目のプログラムは「乳房炎用ワクチンの効果」と題して共立製薬の有馬智之氏が、乳房炎用ワクチン「スタートバック」の作用機序、国内臨床試験成績、全国の顧客から集めた評価、導入成績などを紹介した。

※詳報はDairy Japan 6月号で

薬に頼らない乳房炎発症予防のために カルスポリン乳牛セミナー2018

2018 年 3 月 14 日

Filed under: — djito @ 5:23 PM セミナー報告

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アサヒカルピスウェルネス(株)は3月14・15日、帯広市と紋別市で「カルスポリン乳牛セミナー2018」を開催中。
酪農家はじめ、乳牛栄養の研究者や技術者、獣医師、関連企業などから多数が参加している。

同社初開催となる本セミナーでは、麻生久氏(東北大学大学院農学研究科 教授/食と農免疫国際教育研究センター長)が「牛乳房炎におけるプロバイオティック飼料の効果」と題して、薬に頼らない家畜感染性疾病の予防、腸内細菌を整えるプロバイオティクスの免疫機能性などについて講演した。
以下はその概要の一部。

■日本で使用される抗菌薬のうち約55%が家畜に使用されている。そこから耐性菌が生まれ、人に感染し、薬が効かなくなるというケースが発生してきている。ゆえに各国で、抗菌薬の使用を減らし、適正使用を促進する取り組みが行なわれている。
■そうした背景のもと東北大学は、農免疫を基盤とした農畜水産物の健全育成と食品安全システムの創出に向けて3年前に食と農免疫国際教育研究センターを開設した。そこでは現在、乳汁中のシクロフィリンA(炎症起因子)測定により農場で乳房炎を早期診断する方法の開発や、病気の発生を未然に抑えるプロバイオティクスの効果などを研究している。
■プロバイオティック飼料の乳房炎発症予防効果の研究として、枯草菌を主成分とした飼料添加物「カルスポリン」の給与試験をしたところ、乳房炎発症回数・投薬日数・出荷停止日数において有意差が認められ、枯草菌(カルスポリン)は乳房炎の発症を抑制することがわかった。
■さらに枯草菌(カルスポリン)給与は、乳牛の栄養状態を維持し、免疫系を活性化することを解明した。
■今後は、薬に頼らない乳房炎発症予防のために、乳房炎早期診断法の開発、プロバイオティック飼料素材の研究に取り組んでいく。そのことにより、乳牛における乳房炎の発症が軽減し、乳用牛の供用期間が延伸し、乳牛飼養頭数が確保されて増加し、生乳生産量が増加することにつながる。つまり、酪農業における諸問題が解決することとなる。

その後、同社飼料事業本部の西山東希氏が「カルスポリンについてのご紹介」と題して、製品概要および試験データ(腸内菌叢の適正化、増体効果、乳量に対する効果)を紹介した。

※本記事は帯広会場で取材。
※詳報はDairy Japan 5月号で。

分娩後の難題を解決するための戦略 全酪連・酪農セミナー

2018 年 2 月 20 日

Filed under: — djito @ 5:17 PM セミナー報告

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全国酪農業協同組合連合会(全酪連)は2月7~20日、全国6会場で「全酪連・酪農セミナー2018」、および帯広市にて技術者を対象とした「全酪連・ワークショップ2018」を開催した。

今回のテーマは「効率的な繁殖のための移行期管理~栄養管理による繁殖改善~」で、講師は米国イリノイ大学畜産学部助教授のフィル・カルドーソ獣医師・博士。同博士はブラジルでの開業獣医師を経て、米国イリノイ大学にて栄養学で博士号を取得。乳牛栄養学の研究を行なう一方、酪農現場への技術普及に対しても精力的に活動している。

同博士はセミナーで、繁殖成績改善に主眼を置いた移行期牛の栄養管理についての最新情報を、暑熱ストレスの影響なども交えた幅広い視点から紹介した。

第1章「繁殖で覚えておくこと」では、繁殖成績には発情発見率(授精率)と受胎率が大きく影響することから、その二つを掛け合わせた妊娠率〔妊娠可能な乳牛のうち一定の期間(通常21日)に妊娠した乳牛の%〕を常に把握しておくことが重要であり、目標値は20%以上だが、できるだけ25%以上を目指すことなどを解説した。

第2章「受胎成績を最適にするための乳牛の分娩前と分娩後の栄養管理」では、分娩前(乾乳期)にエネルギー摂取を制御し、バルキーな(高繊維でカサのある)飼料を与えることで、分娩後の代謝が良くなり、負のエネルギーバランスが緩和されることを解説した。

第3章「暑熱ストレス……単なる暑さだけではない」では、ほとんどの乳牛は分娩前後に低カルシウム(Ca)血症に陥っていること、起立不能までには至らない非臨床型(潜在性)の低Ca血症は思っているよりもはるかに多いこと、低Ca血症を防ぐ手立ては負のDCAD(飼料陽イオン陰イオン差)しかないことなどを解説した。

※詳報はDairy Japan 4月号で。

繁殖・お産・カウコンフォートを学ぶ

2018 年 2 月 1 日

Filed under: — djito @ 7:03 PM セミナー報告

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雪印メグミルク 酪農総合研究所は2月1日、札幌市で酪総研シンポジウムを開催した。全国から約230人が参加した。
今回のテーマは「酪農現場の“カイゼン”を考える2~牛づくりにおけるロスとその対策~」として3氏の講演が行なわれた。

堂地修氏(酪農学園大学・教授)は「高泌乳牛の繁殖成績の現状とその改善について考える」と題して、今日の繁殖成績低下に影響している要因、最近の乳牛の受胎成績の推移と特徴、分娩前後の栄養状態が繁殖機能回復と受胎性に与える影響、受胎率向上のための対策と適期授精の考え方などを解説した。

石井三都夫氏(石井獣医サポートサービス・代表取締役)は「母牛と子牛のための分娩管理」と題して、人の分娩から学ぶこと、分娩の環境・衛生、助産は必要か、自然分娩は良いのか、分娩房はフリーストールかフリーバーンか、お産が子牛に影響すること、逆子のお産はどうするかなどを解説した。

椋本正寿氏(北海道農政部・上席普及指導員)は「カウコンフォートの経済効果と未来」と題して、カウコンフォートと乳牛の行動、カウコンフォートと生産性、カウコンフォートの経済効果、カウコンフォートの未来についてなどを解説した。

※詳報はDairy Japan 3月号で。

ゲノム評価が酪農産業を変えた 北海道アルバータ酪農科学技術交流会セミナー

2017 年 11 月 21 日

Filed under: — djito @ 6:54 PM セミナー報告

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北海道アルバータ酪農科学技術交流会は11月21日、酪農学園大学で海外農業技術セミナーを開催した。乳牛遺伝改良の研究者や技術者、関係者などが多数参加した。
講師はカナダのパトリック・ブロンディン氏で、演題は「カナダにおける乳牛のゲノム評価とOPU-IVFの現状」。同氏はSEMEX社の生殖研究および経営部門副責任者で、家畜繁殖とくに胚移植の専門家。

ブロンディン氏は「ゲノム評価の導入で酪農産業は大きく変わった」と前置き。ゲノミック評価が導入された2010年前後を比較すると、種雄牛の世代間隔は大幅に短くなり、雌牛の乳量・乳成分・生産寿命は急激に伸び、体細胞数は下がり、娘牛の妊娠率は大きく向上したことを示した。
また、受精卵を作る際、1回の採卵で複数の種雄牛の交配(混合精液)も可能となり、受精卵の段階でどの掛け合わせが良いのかも判断できるようになったことも紹介した。

さらに、IVF(体外受精)が増え続けていること、IVFで成功するために大事なこと、などを解説した。

※詳報はDairy Japan 1月号で。

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