最新の酪農技術を幅広く学ぶ 北海道酪農技術セミナーに770人
2019 年 11 月 7 日
今回で9回目となる「北海道酪農技術セミナー2019」が11月5・6日に帯広市で開催され、北海道はもとより全国各地また海外から約770人が参加した。
開催に先立ち、同セミナー事務局長の武中慎治氏(メイプルズクレスト コンサルタント サービス)は「酪農はいろいろな分野の話がわからなければやっていけない。したがって本セミナーは幅広い分野の講演を盛り込んでいる。興味のない分野についても、まずは聞くことが大事。すると、しだいにわかるようになってくるので、ぜひ毎年セミナーに参加していただきたい」と挨拶した。
セミナー初日は、まず3企業(日曹商事、バイエル薬品、味の素ヘルシーサプライ)によるプレ・コンファレンス・ワークショップが行なわれた。
その後、北海道酪農技術セミナーが始まり、セッション1:人事関係では、「社員と共に創り上げる牧場を目指して」と題して藤井雄一郎氏(富良野市・藤井牧場、総頭数1000頭、年間生産乳量6953t、社員28名)が、「牛のことはわかっていても、人のことは学んでなかった」と過去の苦い経験を明かし、社員の定着、教育、採用、エンゲージメント(社員の会社に対する愛着心や思い入れ)の実情を紹介した。新卒社員の採用については、「若者がいないわけではない。お金も時間も労力もかかるが会社の未来を創るために絶対必要」と述べた。また、社員エンゲージメントを高めるためには、相互コミュニケーション、ビジョンの共有、エンゲージメントの計測がポイントだとして、社員を成長させていくことの重要性と取り組みを語った。
セッション2:搾乳ロボット・哺乳関連では、ロータリー型搾乳ロボットを供給しているオリオン機械から米村真吾氏、デラバルからマーティン・カールソン氏が、その機能や導入効果を紹介。コーンズ・エージーの西村雅夫氏は、既存牛舎への導入事例などを紹介した。
続いて、福森理加氏(酪農学園大学)は「子牛の離乳期管理について」と題し、離乳ストレス対応策、スターター給与のポイントなどについて解説した。
セッション3:蹄病関連では、内城敏春氏(釧路市・仁成ファーム)、大山絵里華氏と小泉朋美氏(湧別町・グランドワンファーム)、横田雅史氏(富良野市・藤井牧場)が、農場で自らフットケアに挑んでいる内容や効果を紹介した。
セッション4:現在の酪農情勢とその対策関連では、本郷秀毅氏(日本乳業協会)が「現在の酪農情勢と将来の展望」と題して、現在の乳価や個体販売価格の背景、乳製品の輸入圧力が日本の酪農乳業に及ぼす影響、酪農をめぐる情勢変化への備えを解説した。
続いて、村上求氏(ハードサポート)が「輸入粗飼料を使いこなす~粗飼料不足への対応」と題して、輸入粗飼料の種類、栄養成分、コスト、組み合わせ方を解説した。
※詳報はDairy Japan 1月号で。
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