TPP参加に日本乳業協会は「賛同できない」との見解

2011 年 10 月 25 日

Filed under: — admin @ 1:15 午後 ニュース,提言

日本乳業協会はこのほど、
「TPPに関する乳業界の基本的考え方」を公表した。

関税撤廃が国内の乳業市場に与える影響を試算したが、
それによると、国が何も対策を講じないとしたら、
1:国産バター、脱脂粉乳が輸入品に置き換わり、国内工場は操業停止
2:安価な輸入乳製品を使った乳飲料などの製造で、生乳100%の牛乳、成分調整牛乳市場の一部がこれに置き換わる
3:国産ナチュラルチーズの殆どが輸入に置き換わり、北海道のチーズ工場は殆どが操業停止
4:そのため、北海道の生乳が飲用市場を席巻し、都府県の酪農・乳業は壊滅的な影響を受ける
と予測し、トータルとして市場規模は1兆4889億円まで減少する(2009年:2兆1785億円:経済産業省による)。

このため貿易の自由化、国際化の進展は日本経済にとって重要な課題と認識したうえで、「食糧安全保障の観点や地域雇用の確保の観点では、(中略)乳業界としてはTPPへの参加には賛同できない。慎重な対応を国に求める」としている。
詳細は同協会HPへ:http://www.nyukyou.jp/

どう思うか? 見過ごせない発言

2011 年 7 月 24 日

Filed under: — admin @ 6:52 午前 提言,未分類

福島原発事故に関して、大手メディアに登場し、著作も出している
中部大学の武田邦彦氏。同氏のブログに、次のような文章があります。

>大手の販売会社は多くの親が心配しているのに、汚染状態を公開していませんし、
「汚染された牛乳」と「綺麗な牛乳」をまぜて、ベクセルを規制値以内に納めている
という情報もあります<7月11日 (改行:記者)

しかし、この原文は、
>(関東の)汚染された牛乳が大量に関西に移動されているというはなしもあります<
でした。

汚染された牛乳=放射線物質が許容値以上の生乳、という意味と解釈し
記者は、同氏に、先生のご研究の中で「大量」とはどのくらいの量ですか?
と質問したら、見当外れな返答が来て、
いつの間にか、上記のように書き換えられえていたのです(書き換え日も付記せず)。
これでは、全国各地で行なわれているようで、改悪ではないだろうか。

某週刊誌に、同氏の論や専門外への発言の疑問が報じられていますが、
業界としても、見過ごせない発言と思われますが、いかが?(文責:DJ関東)

「安全安心な国産牛乳を生産する会」が防疫体制で緊急提言

2010 年 5 月 8 日

Filed under: — admin @ 9:50 午前 提言

輸入飼料高騰時に適正な生産者乳価の要求を機に結成された「安全安心な国産牛乳を生産する会(湯浅清春会長:酪農)は「今回の口蹄疫も畜産の存続にかかわる大事なこと。地元や近隣の皆様の心境は私たちの想像を絶する。私たちも移動や消毒等に配慮して対応しているが、このクラスの伝染病に至っては通常のバイオセキュリティでは防ぎ切れない。空気伝染の可能性も出てきたと思われる」として、下記内容(概略)を国や県など関係機関に提言した。

1 感染伝播の遮断のために確実に有効である範囲における感受性動物を一斉に全頭淘汰(風向き等も考慮し、確実に封じ込める広範囲)。
2 発生農場20km範囲の一般車両を含めた全面的移動禁止(特別車両のみ完全消毒を確認したうえで許可)。
3 関係者を含め人々を、農場や牛に絶対に近寄づけない対策をとる。一般市民や観光客にも、明確に伝達する。
4 係る全ての補償。非常に高額が予想されるが、予算調整している時間はない状況です。
5 ワクチン使用の準備だけは、怠りなく始めていただき、準備の状況は現場に公開していただきたい(在庫・経費・方法・効果など)。使いたくはないが、判断が遅れてから実行しても無駄打ちになる。
6 一般市民に口蹄疫が蔓延することの危険性、日本の畜産が崩壊する可能性を理解していただく報道を出し、協力の依頼をする。
7 関係者および近在住民の皆様の安全を、完全に保全していただきたい。

このまま封鎖の期間が延々と続き、範囲が増えていくこと自体が、発生県および隣県の農家に、はかり知れない経済的打撃を産む。早急に先の見える対策、さらに今後発生させない対策が最も望まれる方法と思われる。知事・大臣による早い政治的決断以外に蔓延阻止は不可能です(2010年5月8日:安全安心な国産牛乳を生産する会)

*********************************

*口蹄疫は「ヒトには感染しない」とされています。畜産物は安全です。
*農水省:http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/index.html
*DJニュース 5月6日、DJ北海道支局たより 5月7日:http://dairyjapan.com

口蹄疫発生で防疫体制の強化を!

2010 年 5 月 6 日

Filed under: — maetomo @ 3:05 午後 提言

洗浄が一番重要な作業
 4月20日に宮崎県で口蹄疫1)の疑似患畜が確認された。同23日には口蹄疫と確認され、さらに農水省は5月2日、今回確認されたウイルスはアジア地域で確認されているものと酷似していることを発表した。
 5月5日には疑似患畜が確認された農場は20軒を越え、それまでに殺処分の対象となった牛(乳牛含む)は2900頭以上、豚は3万1000頭以上にのぼり、その後も感染は広がり続けている。
 同県では、疑似患畜農場付近の移動制限区域(半径10km)および搬出制限区域(半径20km)措置を講じるほか、消毒ポイントの設置や口蹄疫疫学調査チームによる現地調査などを行なっている。また隣接県でも口蹄疫発生を受け、県内の牛や豚農家などへの全戸調査を行い、石灰の配布、消毒ポイントでの畜産関係車の消毒などを実施し、各市町村でも自主的な消毒ポイント設置が行われている。
 地元では、想像を絶する苦しみのなかにありながら、感染をこれ以上広げないために懸命の努力がなされている。
 日本中の家畜飼養農家は、防疫体制レベルを最大に引き上げなければならない。

●洗浄が一番重要な作業
 畜産環境における防疫対策については、本誌でもたびたび掲載してきた。その基本は「洗浄が一番重要な作業」ということ。ここで3月16日に行われたセミナー内容2)を抜粋したい。講師はバイエル薬品株式会社の岩田隆氏。岩田氏は「見た目にきれいに見えても、病原菌は存在する」と強調。そして消毒効果を阻害するものは有機物(糞尿、分泌物、血液など)であり、畜舎の壁や床には目に見えない汚れがたくさんあり、それらをしっかりと除去(病原体を除去)するための基本は水洗である。
 有機物の効率的な除去は、1.洗剤の使用、2.温水の使用、3.高圧洗浄であり、それらの結果、使用する水量を減らすことができる。そして、「消毒の大切さを再認識しよう。消毒は、1.病気の予防(家畜衛生)、2.安全で清浄な食品の生産(食品衛生)、3.周辺環境への汚染伝播防止(環境衛生・公衆衛生)、4.安全で清浄な労働環境の確保(労働衛生)といった意味を持っている」と述べている。
 さらに、病原体の種類によって、効果の期待できる消毒薬は違うことに注意したい。

●消毒は継続が大切
 岩田氏は、3種類の踏み込み槽の設置を推奨している。外部から、洗浄槽ゾール剤の槽消毒槽の順番に設置する方法だ。
 牛舎専用長靴・作業衣服の設置、これは外部から農場に出入りする人専用に農場が用意すること(本誌5月号・P.19参照)。手指の消毒は、作業には必ず手袋を使用、さらに外部の人と接するときは作業服で会うことを避けること、などが基本となる。
 基本的な消毒手順は以下であり、「消毒は継続が大切」と締めくくっている。
1 除糞、機具の片付け・取り外し
2 洗浄
3 乾燥
4 消毒剤撒布
5 乾燥
6 器具類取り付け
7 踏み込み消毒槽の設置
8 車両消毒
9 媒介者(害虫、ネズミ、カラスなど)駆除

《参考》
1)口蹄疫:豚や牛、羊など偶蹄類の哺乳動物に感染するウイルス性の家畜病。発症すると口と蹄に水疱ができて発熱、やせ細って死ぬこともある。アジア、アフリカなどでも発生が報告され、急性で感染力が強い家畜病として、各国は厳しい防疫体制をとっている。1997年と1999年に台湾で発生。国内では92年ぶりに2000年3月、宮崎市の肉牛農家で感染しているのが確認された。家畜伝染病に指定され、「海外悪性伝染病防止要領」に基づき防疫される。
2)「酪農現場における防疫対策と具体的実践例」岩田隆、バイエル薬品(株) 2010年3月16日
3)セミナーレポート「忍び寄り、伝播する病原体の侵入を防げ」呉克昌、Dairy Japan、2010年3月号

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