放牧・新規就農をめざす学生による、夢実現のためのシンポジウム

2014 年 7 月 13 日

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酪農学園大学(北海道江別市)の学生有志による「放牧ネットワーク」(代表=福神早太さん、同大学3年生)は7月12・13日、同大学で「放牧酪農と学生の夢 IN 酪農学園大学」と題したシンポジウムを開催した。
学生、酪農家、研究者、関係機関など約80名が集まった。

放牧酪農を目指す十数名の学生による「放牧ネットワーク」は昨年発足し、放牧酪農の理解を深めるため、勉強会のほか他大学の学生との交流や、酪農家視察などの活動を行なっている。
その活動の一環として、夢をかなえるための一歩とするために、本シンポジウムを企画した。

初日は、「北海道における放牧酪農の魅力と可能性」と題しての講演会。
(株)宇野牧場(天塩町)の宇野剛司さん、(有)十勝しんむら牧場(上士幌町)の新村浩隆さん、小泉牧場(猿払村)の小泉浩さん、特別ゲストとして、なかほら牧場(岩手県)の中洞正さんが、放牧酪農を始めた経緯、放牧酪農のメリット、牛乳乳製品の製造・販売(六次産業)の魅力などを講演した。

翌日は、「酪農や放牧を学ぶ学生の夢」と題して、新規酪農を目指す4人の学生が、夢とそれに向けた取り組みを発表。
そして、発表者が抱えている疑問に、上記4名の放牧酪農家と、酪農学園大学、帯広畜産大学、北海道大学の専門研究者らがアドバイザーとして答え、また夢をかなえるためのアドバイスを語った。

石崎慎也さん(酪農学園大学4年生)は、放牧酪農と六次産業が夢。新規就農に向けた具体的な目標を持ちながら勉強をしている。
高橋朋子さん(帯広畜産大学2年生)は、酪農家になることが夢。人の役に立っている動物の役に立ちたいという。
名徳知記さん(北海道大学修士2年生)は、日本一の酪農家になることが夢。高所得を上げて、酪農が魅力的な職業であることを伝えたいという。
久我真雪さん(酪農学園大学1年生)は、放牧酪農で、牛が牛らしく健康で幸せに暮らせる牧場を作ることが夢。

アドバイザーからは、「具体的な夢を持つことは大事。新規就農に関する制度がいまだ未整理なので運に頼る面も多いが、夢として一番守りたいものは何かを考えておくことも必要」「配合飼料をゼロにすることは目的ではなく、目指す酪農に取り組んだ結果として配合飼料が少量になればよいと考えるほうが良い」などのアドバイスが送られた。

学生みずからが企画し、しかも同じ夢を持つ他大学の学生が連携した、このようなシンポジウム開催はめずらしい。
また、バックミュージックで発表者が登場し、スライドをバックに、突き出しステージでスポットライトに照らされて発表するという斬新なシンポジウム・スタイルも注目された。

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