放射性物質の畜産への影響と対策を議論

2012 年 11 月 10 日

Filed under: — maetomo @ 9:12 PM ニュース

家畜衛生学会は11月9日、都内で家畜衛生フォーラム2012を開いた。フォーラムは「家畜と食品の放射能汚染を考える」で、放射性物質の農業や畜産、食品への影響を原発事故以降続けられている調査・研究データを元に5名の研究者が最新の技術と知見を紹介した。 (more…)

あなたが「使ってみたいサイレージ」はどれ?

2012 年 11 月 9 日

Filed under: — djito @ 6:27 PM ニュース

十勝農業協同組合連合会は9日、帯広市で「飼料アップ十勝展示会 2012」を開催し、酪農家をはじめJA、研究者など400名が参加した。
4回目となる今回のテーマは「良質自給飼料の確保/サイレージを考える」。

第一部では自給飼料優良事例の紹介として、
渡部正昭氏(豊浦町・酪農家)が「コーンサイレージ40kg給与で購入飼料を削減」、
湯沢利明氏(大樹町・酪農家)が「良質アルファルファ混播サイレージを確保するための取り組み」、
土井敬太氏(ホクレン)が「リードカナリーグラスとチモシーで異なる産乳性」、
高山光男氏(雪印種苗)が「ペレニアルライグラス、オーチャードグラス利用の新たな試み」
と題して発表した。

第二部では「サイレージ・ミーティング」として、十勝管内各地のグラスサイレージ30点、コーンサイレージ31点が展示され、参加者が分析データと実物を確かめて、「使ってみたいサイレージ」に投票し、人気投票結果が発表された。
さらに、一番人気となったサイレージを選んだ人達が、その理由などを発表し合った。

第三部では、根腐病に罹病したコーンサイレージ、雑草主体のサイレージ、サイレージ調製と貯蔵に必要な資材や機器などの展示コーナーが紹介された。

さぁ、牛舎へ行こう!

Filed under: — maetomo @ 5:35 AM 未分類

紅葉も落ち着いた今日この頃、
11月7、8日に帯広で北海道酪農技術セミナーが開催されました。
今回は、栄養・周産期・繁殖・乳質・蹄病・経営など
多方面からの講演が行なわれました。
そのなかで、唯一の酪農家としての講演が
富良野市の藤井牧場でした。

今回、夫婦で講演台に立ち、妊娠率の向上への取り組みを紹介しました。
講演のなかで、「再発場を見つけることが最強の繁殖管理であり、
最大の仕事である」と語り、
酪農家にとって繁殖とは「損失を抑える場所ではなく、
成果を積極的に取りに行く場所である」と
自らの取り組みから学んだ事柄を力説しました。

最後に、「発情発見率を高められるのは酪農家だけである」
という言葉とともに、
「牛舎に酪農の成果への道がある」と締めくくりました。

「北海道酪農技術セミナー」(帯広市)に470人が参加

2012 年 11 月 7 日

Filed under: — djito @ 9:57 PM セミナー報告

酪農現場で活躍するコンサルタント、大学、研究機関、メーカーで研究している技術者などから、現場で役立つ最新酪農技術を幅広く学ぶとともに、いろいろな人達と自由に意見交換できる北米タイプのセミナーとすることを趣旨とする「北海道酪農技術セミナー」が7日から2日間の日程で、帯広市で開催された。

同セミナーは昨年、第1回目として富良野市で開催され全国から360人が参加した。
第2回目の今年は、全国26の都道県から、昨年を大幅に上回る470人の参加となった。
その内訳は、動薬・添加物・その他の企業37%、酪農家28%、飼料会社13%、獣医師10%、農協6%、普及員4%、その他2%。
また出展ブースは18企業。

開催に先立ち、事務局の武中慎治氏(メイプルズクレスト コンサルティングサービス)は「できるだけ多くの人達に、できるだけいろいろな話を聞いていただきたいという想いで企画した。ティータイム、懇親会などで、より多くの人達と知り合いになれる場にしていただきたい」と挨拶した。

初日の7日は、プレ・コンファレンス・ワークショップで2題、栄養セッションで2題、周産期セッションで2題の技術情報が発表された。
翌8日は、繁殖・乳質セッションで3題、蹄病セッションで2題、酪農経営セッションで1題が発表される。

「メタン発酵処理を取り巻く現状と課題」 情報交換会(下)

2012 年 11 月 6 日

Filed under: — admin @ 7:14 PM セミナー報告,ニュース

6日、既報「平成24年度家畜ふん尿処理利用研究会」の2日目の情報交換会が開かれた。テーマは「今、バイオガスプラントに必要なイノベーション」。

報告は実証事例として、栃木県畜産酪農研究センター:木下強氏の「栃木県におけるバイオガスプラント実証事業」、岡山県畜産研究所:白石誠氏の「岡山県畜産バイオマス利活用実証施設の稼働状況についての2例。いずれも試験場の畜舎からの家畜排せつ物を利用したもの。

さらに「地域振興のためのバイオマス事業」と題し、農研機構農村工学研究所の柚山義人氏が千葉県の事例を紹介しながら、バイオマス利用による地域活性化の効果などを報告した。
また、栗田工業株式会社の三崎岳郎氏が「企業から見たバイオガス事業の展開」と題して報告。バイオガスを、家畜ふん尿の処理・環境負荷の低減・環境保全を主体にするのか、エネルギー(メタン)創出事業を主体とするのかを明確にすることがバイオガスへの取り組みの前提となるとしたうえで、地域に合致した地産地消のバイオガス事業創出が大事などと語った。

講演後、総合討論が行われ、コメンテーターの畜産草地研究所の田中康男氏は「メタン細菌の集塊の安定性の高さを最大限に生かすことがポイント」などと話した。

取材メモ:
メタン発酵技術の研究と実証試験は昭和30年代から行われており、紆余曲折があったが、FIT制度がこの技術施設への追い風になろうとしている。しかし、多額の初期投資や消化液の活用方法などで、畜産現場とくに都府県では定着し難いのが現状だ。この施設の参入企業も30社余あったが、現在は数社だけ。メタン発酵を家畜ふん尿処理とするだけでは、現状の畜産環境では収支がきびしいと演者らは言う。発酵を高めるための地域の生ゴミ処理との連携および関連する法制度の見直し、再生エネルギーの位置づけなど、この技術の普及には多様な切り口と、かかわる人材の熱意が求められるだろう。(文責:関東支局)

明治が北海道生乳の調査研究成果を「IDFサミット2012」で発表

Filed under: — admin @ 5:40 PM ニュース

株式会社明治は5日、北海道生乳の調査研究成果について、南アフリカ国ケープタウンで開かれているIDF(国際酪農連盟)主催の「ワールドデイリーサミット2012会議」で発表する、とリリースした。

内容は、2006年から2011年の5年間、北海道大学内に開設した「明治乳業寄付研究部門:乳の価値創造研究」で行われた成果で、北海道内の乳牛の飼養形態と生乳の理化学特性の分析・調査を通して科学的に解明したもの。

北海道内の地域ごとの酪農を、都市近郊型、草地型、畑作型と3つに分類し、飼養形態ごとに生乳の脂肪酸組成や成分含量が異なり、特徴的であることなどを明らかにした。

北海道内の多くの牧場を対象としたもので、同社では、このような大規模なフィールドでの調査は世界的にも少なく価値あるものとしている。

「メタン発酵処理を取り巻く現状と課題」 情報交換会(上)

2012 年 11 月 5 日

Filed under: — admin @ 7:59 PM セミナー報告,ニュース

農研機構畜産草地研究所と中央農業研究センターは5日、同研究所で「平成24年度家畜ふん尿処理利用研究会」を開き、関係者ら約150名が集まった。これは、家畜ふん尿処理方法の一つとしてすでに実用化されているメタン発酵において、今後の発展方向、現実的な課題などを検討し合うもの。

基調講演1では「バイマスをめぐる現状と課題」と題し、農水省バイオマス推進室長の山田耕士氏が、バイオマス関連の政策目標・事業化戦略などを報告。東日本大震災の経験から、農山漁村資源を活用した分散型エネルギー供給体制の整備が課題としたうえで、事業化に向けた入口から出口までの一貫体系の戦略などを示し、サンエイ牧場(北海道)のバイオガス施設の事例を紹介した。

基調講演2では「農山漁村における再生可能エネルギー発電をめぐる情勢を畜産業」と題し、農水省畜産環境・経営安定対策室の金澤正尚氏が、再生エネルギーの固定価格買取制度(FIT:2012年7月施行)などを話した。その発電事例として、酪農地帯における太陽光利用、家畜排せつ物利用のメタン発酵などを紹介し、それぞれメリットとデメリットを示した。同時に、排水処理など環境負荷を下げるための努力が引き続き必要などと述べた。

ホクレン農業総合研究所顧問の松田従三氏(元北大教授)は「バイオガス事業の今後の展開」と題して講演。「家畜ふん利用のバイオガス発電は発電時のCO2排出量が大きく削減されるほか、発電量が安定していることが特長。ふん尿の悪臭低下とともに、消化液の土地循環ができる。さらに消化液を固液分離し、固形分を敷料に使えるメリットが大きい」と述べ、北海道内の酪農場のバイオガス施設などを紹介した。そのうえで、償還年数から考えて、補助金がないと売電収入だけでは経済的に成立せず、生産物の総合的な利用によってのみ成立するとの試算を示し、最大の課題は送電線容量であり、将来的には熱利用も考えるべきと締め括った。

「士幌町におけるバイオガス事業の展開」と題し、北海道士幌町の高木康弘氏が町内の3基のバイオガス施設の取り組みを報告した。メリットは、ふん尿処理作業が大幅に軽減されること、悪臭が殆どなくなること、即効性の高い液肥化などをあげた。課題は建設費、修繕費などとし、今後はFITによる普及、バイオメタン、コージェネレーションなどに期待しているとした。新たな展開としてJAが事業者となり、さらに4基が稼働予定とのこと。

最後に「バイオマス発電とエネルギー化の最新研究動向」と題し、農研機構バイオマス研究統括コーデチィーターの薬師堂謙一氏が講演。バイオガス事業化戦略は、基本的に堆肥・液肥による肥料利用を前提としているとし、消化液が利用な可能な地域でのメタン発酵では生ゴミや食品残渣との混合処理が推進されると述べた。都府県では消化液の施用先として水稲の追肥利用などにも可能性があると示唆し、その施用事例などを報告した。また将来的に売電価格が下がることを計画に織り込むべきとした。さらに、畜草研が開発した吸引通気方式でのふん尿資源の現場利用例などを示した。

講演後、総合討論が行われた。(文責:関東支局)

関連増刊号:「もっと知りたい環境対策」Dairy Japan 2010年10月

雪印こどもの国牧場「牧場まつり」開催

2012 年 11 月 3 日

Filed under: — Ryoichi Maeda @ 4:36 PM 未分類

11月3日(祝)神奈川県横浜市青葉区・雪印こどもの国牧場にて、恒例の「牧場まつり」が開催された。少々秋の肌寒さを感じる気候ではあったが、昼前には大勢の家族連れで賑わった。この日はおなじみの「乳搾り体験」「バター作り教室」などの人気体験コーナーはもちろん、牛乳の素晴らしさを紙芝居と講話で伝える「紙しばいと牛さんのおはなし」や、雪印メグミルク商品の試食・試飲会などのPRイベントも加わり盛りだくさんの内容で来場者を楽しませた。試飲会では牛乳の試飲のほかに、きなこ、オレンジジュース、酢などを入れての「牛乳まぜ飲み」などもあり、参加者の興味を引いており好評であった。バター作り教室は三部ともすぐに定員になってしまい、家族が一体となって楽しめるイベントとして相変わらずの大人気ぶりが覗えた。この日は雪印メグミルク(株)・佐藤幸吉代表取締役副社長も自らそれぞれのイベントに参加しで来場者を出迎えていた。なお牧場まつりは、明日4日(日)も9:30より16:30で開催される。

「ジャパン フード フェスタ 2012」(農水省:主催)が始まる

Filed under: — admin @ 3:36 PM ニュース,業界情報

農水省は3日、東京・有楽町および丸の内周辺を会場に、食の総合展「ジャパンフードフェスタ(食と農林漁業の祭典)」を開始した。3日(土)は、オープンニグイベントとして、全国から食と農林漁業の団体や企業が集まり、生産者と消費者の絆を強める催しが開かれた。

開催挨拶には、郡司彰農水大臣が挨拶(写真上)した後、全国77の高校からエントリーがあり、9校が勝ち残った「ご当地!絶品うまいもん甲子園」が開かれた。農水大臣賞は京都府の桂高等学校に授与されたが、東北代表の宮城県立農業高等学校(宮城県)は、牛乳や地元農産物を使った料理「農高(濃厚)ミルクトローネ」を披露した(写真下)。同校は東日本大震災による被害で校舎が使えず、仮設校舎での授業を乗り越えて参加したもの。

各エリアは「東北の恵み」「農林漁業学園(大学生による農業・食の大文化祭)」「各界の料理人たちのコーナー」などに分かれ、4日(日)には「牛からいただく大地の恵み」をテーマに乳搾り体験などが予定されている。

食と農林漁業の祭典は、
1:ファーマーズ&キッズフェスタ(11月10から11日)
2:アグリビジネス創出フェア(11月14から16日)
3:農林水産祭(11月23日)
などの開催が予定されている。(文責:関東支局)

 

平成24年度第2回東京都畜産技術連盟研修会

2012 年 11 月 2 日

Filed under: — maetomo @ 10:03 AM ニュース

中央畜産会は10月31日、都内で東京都畜産技術連盟研修会を開催した。研修会は、飼料穀物供給の課題をテーマに開かれた。株式会社食糧マネージメントサポート・高井通彰氏は「穀物市況の現状と見通し?米国を襲った半世紀ぶりの大干ばつの影響は?」を講演し、米国におけるトウモロコシ、大豆の穀物生産状況、需給状況を報告した。同氏は講演で、「今年(平成24年)は56年ぶりの大干ばつで、トウモロコシは前年比26%減産した。こうした供給不足に需要増加が加わっていて、今後5年間は穀物の供給不足が続くと見られる」と解説した。

また、農林水産省・伊佐雅裕畜産危機管理調整官は「配合飼料価格高騰対策について」講演し、「水田や休耕地の有効活用による飼料生産の増加や未利用資源の利用拡大などで、平成32年度までに飼料自給率を38%に高め、穀物相場に翻弄されない足腰強い畜産への転換を推進していきたい」と述べた。

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