快適に過ごせる環境作り

こんにちは!
寒い日が続いていますね。全国各地で積雪や冷え込みのニュースが話題になるなか、皆様も寒さ対策に余念がないと思います。こうした寒さは「寒冷ストレス」として牛達にも大きな影響を与え、牛の健康や生産性にも響きます。

そんななか、先日訪問した秋田県のT牧場は、冬場には−10℃を下回ることもある地域ですが、こちらの牛舎には 牛舎自動換気システム が導入されており、外気温が氷点下でも牛舎内の温度を3℃から5℃に保っています。

さらに、換気によりアンモニア臭も抑えられ、設備の凍結も心配ありません。牧場主さんは、「夏場の暑熱時にもこのシステムが大活躍してくれる」と大変満足されていました。断熱性能がしっかりしているので、寒い冬だけでなく、暑い夏にも頼れる仕組みなんですね。

寒冷地ならではの知恵と工夫が詰まったT牧場の取り組みについては、Dairy Japan2月号 の特集で詳しくご紹介しています!酪農経営に役立つアイデアが盛りだくさんですので、ぜひチェックしてください!

寒さに負けず、皆様も健康第一でお過ごしください!

作業性と快適性の両立

明けましておめでとうございます。昨年は酪農家戸数1万戸割れなど、依然として酪農を巡る情勢には暗いニュースが多かったように感じましたが、今年こそ酪農に明るい、希望の光が降り注ぐことを願ってやみません。皆様、本年ももどうぞよろしくお願いいたします。

さて写真は先日お邪魔した三重県のある農場でのワンショットです。この農像では和牛子牛も多数管理しており、和牛子牛はカーフレールで哺乳しています。和牛哺育牛舎は基本的にオールイン・オールアウトで管理し、清潔で衛生的な環境を維持しています。

ふとハッチの床面を見ると、いくつか面白いポイントがあったので撮影させていただきました。その一つは床面が作業通路より一段高くなっていること。これは作業者が腰をかがめずに作業するための工夫です。もう一つは床面に黒いビニールが敷かれていること。これはオールアウト後の洗浄・消毒作業において、コンクリートの土間ではどうしても洗浄に時間がかかるため、あらかじめ子牛導入前に土間をビニールで覆い、汚れを付くにくくするためのものと聞きました。さらにもう一つは寝床のもみ殻の下に細かなスノコを敷いておくこと。プラスチック製で細かな網目のタイルを敷き詰めたような感じでしょうか。寝床の尿など水分を逃がすためのものです。

ちなみにこの寝床ですが、約1%の勾配を設けることで、より水分の排出を促す構造になっています。

凍ったときの対策は?

Dairy Japan2月号で紹介予定の牧場さんの一コマです。
道東に位置し、冬場は-15~20℃も珍しくない地域。

ここでは牛舎設計時、スクレーパーで溜まった糞尿が凍らないようにピットの位置を深く設計しました。これのおかげで、液状で溜まった糞尿は凍らない。のですが……

そもそもスクレーパーで掻く段階で糞尿が凍ってしまい、シャーベット状のものがピットに落ちてしまうのだそう。
そして落ちた糞尿シャーベットは当然、融けません。糞尿をラグーンに送り出すのが非常に困難だったそうです。

こちらの牧場さんでは、パーラー排水と一緒に一気にフラッシュするという方法を取り、ピットに一加工したそうです。

現実問題、とくに寒冷地域においてはこのような問題は多いのではないかなと思いました。
皆さんはどうしているんだろう。また、同じ悩みを持っている人はどれくらいいるんだろう。
と気になりました。

 

 

ジャージー種専用搾乳ロボット!?

こんにちは!
気がつけば、今年も残り1カ月を切りましたね。
皆さん、今年やり残したことはありませんか?
私は……毎年恒例となってしまった「減量」が目標未達成です。
さすがにこの1カ月でどうにかなるものでもないので、潔く来年に持ち越し決定です!

さて、今回は秋田県のC牧場で見かけた、興味深い光景をご紹介したいと思います。

この牧場では、ジャージー種とホルスタインをそれぞれロボット搾乳牛舎で飼養しているのですが、目を引いたのが、ジャージー専用に設定された搾乳ロボット。

こちらでは、1台は一般的なホルスタインに合わせた搾乳ロボット。もう1台は、体が小柄なジャージー種にぴったりな仕様にカスタマイズされたものが導入されていました。

例えば、
カメラの位置調整:ジャージー種の体に合わせて配置。
専用のケージ:牛が前後に動かないように固定。
その他細部の設定:体格に適した機能を追加。

このように、牛種に合わせたシステムを導入することで、飼養管理の幅が広がり、より効率的で牛に優しい環境が実現されているんですね。
現場の知恵と工夫が詰まったこの取り組みでした!

来年もこうした事例にたくさん出会えるといいなと思いつつ、今年も残りわずかを楽しみながら過ごしたいと思います。

それではまた!

人と牛の交差点

先日取材した牧場にて、不思議な作りの通路を発見。

農場主に話を聞くと、

人が通る通路は少し段がついて高くなっており、靴を汚さずに通ることができます。
牛はゲートのついた道を通りますが、ここが面白かったです。

地面側は通路が細くなっており、牛の肢幅ぶんだけのスペースがあればOKということで、狭く。そのぶん、人間が跨ぎやすくなっていました。
しかしゲートの幅は広くなっており、牛の胴体が通りやすい幅を確保しています。

牛と人間のことを理解しているからこそ実現した作りでした!