北海道は北見市に位置する牧場を取材させていただいた際、なにやら派手な設備を発見。
子牛用の暖房設備でした。
各ハッチに温風ら送られるような仕組みになっていました。
側面のシャッターや壁が大きく開くようになっており、換気が良く、日光が入る方角の壁は半透明で太陽光を取り入れられるようになっていました。冬場でも快適に過ごすことができそうです。
哺育舎は、農場によって本当にさまざまなので、取材したら必ず見に行きたいポイントです。
免疫力が低く、感染症リスクの高い哺乳子牛を管理するうえで大切にしたいのはバイオセキュリティです。
牛舎や牛床を衛生的に保ち、適切な哺乳と適切な換気を行なうことはもちろんですが、一歩先を考えたいのは「オールイン・オールアウト」ですね。
三重県のある大型牧場では、哺乳子牛群の「オールイン・オールアウト」を実施していました。
哺乳牛舎は想定子牛数の倍を想定して設計し、1群が哺乳牛舎から移動するタイミングで施設と設備を徹底的に洗浄・消毒・乾燥させています。この哺乳牛舎はほかにもさまざまな工夫がなされていて、洗浄・消毒しやすい設計になっています。隅々まで見させていただくと、「なるほど!」という工夫が満載です。こうした取り組みや工夫を見ることも取材の醍醐味です。
『Dairy Japan3月号』に掲載する特集で取材をさせていただいたK牧場さん。
経産牛1000頭を飼養する牧場さんでしたが、じつは私は、1000頭規模の牧場さんを取材する機会があまりなかったのです。
そのため、どのようなレイアウトで管理しているのだろうと気になっていました。
こちらでは、150~300頭前後のフリ―ストールが3棟並列で並んでおり、それぞれを渡り廊下がつながっていました。
すべての搾乳牛が、搾乳時に折りてくるゲートの間を通りパーラーへ向かいます。渡り廊下もしかりと屋根がかかっており移動も作業もしやすそうでした。1棟がそこまで大きすぎないため、牛が生活するのには快適そうだと感じました。
また一つ勉強になりました。
ちなみに『Dairy Japan3月号』では、経営継承に関する特集を掲載します。私は「かつて数件が合併し、法人として経営している農場」の経営継承に向けた戦略を取材しました。とくに規模を拡大した農場は継承のハードルが高くなっているようで、一筋縄ではいかないことがわかりました。
お楽しみに!
こんにちは!
寒い日が続いていますね。全国各地で積雪や冷え込みのニュースが話題になるなか、皆様も寒さ対策に余念がないと思います。こうした寒さは「寒冷ストレス」として牛達にも大きな影響を与え、牛の健康や生産性にも響きます。
そんななか、先日訪問した秋田県のT牧場は、冬場には−10℃を下回ることもある地域ですが、こちらの牛舎には 牛舎自動換気システム が導入されており、外気温が氷点下でも牛舎内の温度を3℃から5℃に保っています。
さらに、換気によりアンモニア臭も抑えられ、設備の凍結も心配ありません。牧場主さんは、「夏場の暑熱時にもこのシステムが大活躍してくれる」と大変満足されていました。断熱性能がしっかりしているので、寒い冬だけでなく、暑い夏にも頼れる仕組みなんですね。
寒冷地ならではの知恵と工夫が詰まったT牧場の取り組みについては、Dairy Japan2月号 の特集で詳しくご紹介しています!酪農経営に役立つアイデアが盛りだくさんですので、ぜひチェックしてください!
寒さに負けず、皆様も健康第一でお過ごしください!
明けましておめでとうございます。昨年は酪農家戸数1万戸割れなど、依然として酪農を巡る情勢には暗いニュースが多かったように感じましたが、今年こそ酪農に明るい、希望の光が降り注ぐことを願ってやみません。皆様、本年ももどうぞよろしくお願いいたします。
さて写真は先日お邪魔した三重県のある農場でのワンショットです。この農像では和牛子牛も多数管理しており、和牛子牛はカーフレールで哺乳しています。和牛哺育牛舎は基本的にオールイン・オールアウトで管理し、清潔で衛生的な環境を維持しています。
ふとハッチの床面を見ると、いくつか面白いポイントがあったので撮影させていただきました。その一つは床面が作業通路より一段高くなっていること。これは作業者が腰をかがめずに作業するための工夫です。もう一つは床面に黒いビニールが敷かれていること。これはオールアウト後の洗浄・消毒作業において、コンクリートの土間ではどうしても洗浄に時間がかかるため、あらかじめ子牛導入前に土間をビニールで覆い、汚れを付くにくくするためのものと聞きました。さらにもう一つは寝床のもみ殻の下に細かなスノコを敷いておくこと。プラスチック製で細かな網目のタイルを敷き詰めたような感じでしょうか。寝床の尿など水分を逃がすためのものです。
ちなみにこの寝床ですが、約1%の勾配を設けることで、より水分の排出を促す構造になっています。