毎日の敷料換えが疾病予防に

哺乳子牛の下痢や肺炎はその後の成長、そして生涯の成績に関係することは広く知られていることと思います。
先日お邪魔した鹿児島県のA農場では、カーフレールを用いた自動哺乳システムを導入し、高い哺育育成成績をあげています。哺育施設を見せていただくと、とても衛生的に管理されている様子がわかりました。
子牛の調子を見るタイミングは、哺育牛舎に入ったときの一回りと、カーフレールの哺乳データ、そして敷料換えのタイミングだと言います。A牧場ではカーフハッチの敷料を毎日交換していると言い、その理由を「哺育牛舎内の空気の質(アンモニア濃度を極力抑える)」と「敷料交換のタイミングでの子牛の観察」だと教えてくれました。
敷料交換の際、立たずに寝ている、または座っている子牛は発熱の疑いが高いため、即検温しているそうです。これによってトラブルを未然に防ぐことができるとAさん。
皆さんはどのような子牛のモニタリングをしていますか?

子牛を寒さから守る

こんにちは!

ついに今年も花粉の季節がやってきました……。私は大人になってから花粉症を発症したのですが、毎年この時期になると「去年よりひどいのでは?」と思ってしまいます。取材中もくしゃみをこらえるのが大変です。でも、牛達の姿を見るとそんなことも忘れてしまうから不思議です。

さて、先日取材で伺った栃木県のI牧場では、冬の厳しい寒さから、子牛を守る工夫がされていました。

哺育を担当されている奥様にお話を聞いたところ、子牛の寒冷対策として、手作りのカーフジャケットを着せたり、ベールのビニールをハッチ周りに巻いたりして、冷たい風が入り込まないようにしているそうです。

「コストを抑えつつ、子牛の健康を守る工夫をしている」と話してくださいました。特別な道具を使わなくても、ちょっとしたアイデアで環境を改善できるのは素晴らしいですね。

寒さも花粉も、なかなか避けることはできませんが、ちょっとした工夫で負担を減らせるのは共通しているのかも。なんて思いました。I牧場の取り組みのように、身近なもので環境を整えることの大切さを改めて感じました。

I牧場の詳細は、Dairy Japan4月号の特集で紹介しています!
ぜひチェックしてみてください。

初めて見る暖房設備

北海道は北見市に位置する牧場を取材させていただいた際、なにやら派手な設備を発見。

子牛用の暖房設備でした。

各ハッチに温風ら送られるような仕組みになっていました。

側面のシャッターや壁が大きく開くようになっており、換気が良く、日光が入る方角の壁は半透明で太陽光を取り入れられるようになっていました。冬場でも快適に過ごすことができそうです。

哺育舎は、農場によって本当にさまざまなので、取材したら必ず見に行きたいポイントです。

 

オールイン・オールアウト

免疫力が低く、感染症リスクの高い哺乳子牛を管理するうえで大切にしたいのはバイオセキュリティです。
牛舎や牛床を衛生的に保ち、適切な哺乳と適切な換気を行なうことはもちろんですが、一歩先を考えたいのは「オールイン・オールアウト」ですね。
三重県のある大型牧場では、哺乳子牛群の「オールイン・オールアウト」を実施していました。

哺乳牛舎は想定子牛数の倍を想定して設計し、1群が哺乳牛舎から移動するタイミングで施設と設備を徹底的に洗浄・消毒・乾燥させています。この哺乳牛舎はほかにもさまざまな工夫がなされていて、洗浄・消毒しやすい設計になっています。隅々まで見させていただくと、「なるほど!」という工夫が満載です。こうした取り組みや工夫を見ることも取材の醍醐味です。

大規模農場のレイアウトは。

『Dairy Japan3月号』に掲載する特集で取材をさせていただいたK牧場さん。

経産牛1000頭を飼養する牧場さんでしたが、じつは私は、1000頭規模の牧場さんを取材する機会があまりなかったのです。
そのため、どのようなレイアウトで管理しているのだろうと気になっていました。

こちらでは、150~300頭前後のフリ―ストールが3棟並列で並んでおり、それぞれを渡り廊下がつながっていました。


すべての搾乳牛が、搾乳時に折りてくるゲートの間を通りパーラーへ向かいます。渡り廊下もしかりと屋根がかかっており移動も作業もしやすそうでした。1棟がそこまで大きすぎないため、牛が生活するのには快適そうだと感じました。

また一つ勉強になりました。

ちなみに『Dairy Japan3月号』では、経営継承に関する特集を掲載します。私は「かつて数件が合併し、法人として経営している農場」の経営継承に向けた戦略を取材しました。とくに規模を拡大した農場は継承のハードルが高くなっているようで、一筋縄ではいかないことがわかりました。

お楽しみに!