事故防止の一工夫

連日、うだるような暑さが続き体内の温度センサーが麻痺してきたのか、「最高気温32℃」という数日後の予報を見ると「涼しいな」と感じてしまうことが悔しいこの頃です。牛にとっても「耐え難い暑さ」で、いく先々で「暑熱対策にもっと力を入れたいけど、ここまできたらどう対応していいかわからない」と皆さま頭を悩ましています。オフィスのような快適な環境を提供できれば良いのですが……。

さて、先日お邪魔した愛知県のD牧場での1カットを紹介します。

牛舎の柱の赤色灯(パトランプ)がくるくると回っている様子を見かけて、牧場主にその理由を聞いてみました。D牧場はフリーストール牛舎。通路はローダーで除糞します。除糞された糞尿はバーンクリーナーを使って牛舎外に運ばれます。通常、バーンクリーナーの上には転落防止のために蓋が置かれていますが、当然除糞時にはこの蓋が外されます。農場内には、除糞以外にも作業スタッフがいますから、事故のリスクが高くなるわけです。
そこで、バーンクリーナーの稼働と同時にパトランプが回転するようにし、視覚的に危険を知らせるようにしたそうです。
農場にはこのほかにもリスクはたくさんあります。皆さんはどのようなリスクマネジメントをしていますか?

酪農って正解がない気がする

[酪農って、正解がない気がする]

最近よく思うことです。例えば哺育管理。
先日訪問したとある農場では、「うちは母牛の初乳は一切使わず、全て代用初乳。子牛が生まれ落ちた瞬間から、いかに菌に曝さずに初乳を届けるかが勝負。しかし、無理に早く給与しても良くないので、可能な限り衛生的で乾燥した環境を提供し、菌を入れないことに注力する。哺乳ボトルも、使い捨ての内袋の中で代用初乳を作り給与することで、洗浄時の菌残りなどを阻止する。とにかく衛生環境のための手間と費用は惜しまない」というスタイルでした。もちろん、子牛の事故率、増体ともに優秀でした。

一方で「衛生的かつストレスフリーに使用できる環境に十分な投資を行なった。だからこそ、母牛の初乳や、移行乳での哺育管理ができるようになった。代用初乳を辞め、通常哺乳は移行乳を使用するため粉ミルク代は大幅削減。ランニングコストの低減につながった」という農場もありました。もちろんこちらも、事故率、増体ともに優秀でした。

両農場とも方法は違えど、結果は似ている。ただ、根本の考え方は両者とも「子牛にはできる限りの衛生的でストレスフリーな環境を」というものがありました。
改めて、だからこそ酪農は奥が深いし、これだけたくさん取材をしてもいつも新鮮に聞くことができるのだと実感しました。

 

 

牛乳月間は終わりましたが…

数日前までの猛暑から一転、各地は梅雨空に戻り雨が続いています。地域によっては災害級の大雨となっているところもあるようですから、皆さまお気をつけください。

さて、先日訪ねた香川県のM牧場では、牛舎の一画に「3-A-Day」の看板が設置されていました。「3-A-Day」とは2003年にアメリカで始まった食生活改善運動で、1日に牛乳乳製品を1日に3回、または3品摂取しましょうというものです。日本でも2004年からこの取り組みはスタートしました。取材時は6月25日。「牛乳月間」の真っ最中でした。

M牧場は取引先の担当者をはじめ、視察などで多くの人が訪れ、看板が設置された柵の前は多くの人や車が通ります。人の目に付くところに消費喚起を促す看板を設置することで、牛乳乳製品の良さをPRするのは取材でお邪魔する際によく目にする光景です。やはり消費あっての酪農。「牛乳月間」は過ぎましたが、スマホに残った写真を見て「もっと牛乳を飲もう」と気持ちを新たにしました。

取材に来てます!

 

こんにちは。

昨日から本日まで北海道富良野市に取材に来ております。

ニュースで関東は猛暑日という予報をみてラッキーと感じているのが正直な感想ですが、北海道富良野市も決して涼しいとは言えない気候に驚いています。
皆様、引き続き熱中症対策を忘れずにお過ごしください。

昨日は、ナチュラルチーズコンテストで農林水産大臣賞を受賞するなど数々の賞を受賞し、注目を集めている美瑛ファームを訪れ、チーズ作りの製法や放牧管理について聞きました。こんなにたくさんのチーズが並んでいる景色は見たことがなかったので驚きました。

詳細はDairy Japanにてご紹介予定ですので皆様お楽しみに!

巨大な牛舎の連絡手段

[巨大な牛舎の連絡手段]

先日取材したR牧場は、搾乳、乾乳すべて同じ建物で、エリアを区切って管理していました。搾乳ロボット8台の大型牛舎はとても広く、通路の移動に自転車を使用するほど。

 

そして従業員同士やマネージャーとの連絡手段はこれ、

トランシーバーです。確かにこれがなければ、毎回コミュニケーションを取るのに叫び続けなければなりません。
画期的ですね!

余談ですが、同牧場のサイロ詰めはチューブバッグ式でした。写真左の緑枠の機械を使います。ベルト部分にダンプから草を落とし、後ろに送りながら詰めていくそうです。チューブが長くなってきたら、自動的に押されてトラクターは勝手に前に進むとか。
作業風景を見てみたいものです。