【奈良県・J1タケダファーム】新築哺育牛舎で見つけたアイデア

先日、奈良県のJ1タケダファームさんを取材させていただきました。テーマは「ロボット」。
J1タケダファームさんではバッチ式ミルキングロボットを稼働させ、1日3回搾乳を少人数で効率良く行なっています。

そして最近、新たに哺乳牛舎を建設しフィードステーション(哺乳ロボット)を導入しました。新しい牛舎内を見せていただくのは、気持ちの良いものです。
子牛達は衛生的で乾燥したペンで各々、のんびりと過ごしています。

ふと天井を見上げると、見慣れないものが。それが写真のファンです。パネルファン4枚を一つのファンとして組み合わせたもの。
大型のファンを設置するとコストがかかります。そこで「コスト削減で思いついた」と竹田さんは言います。

現場にはさまざまな工夫があります。取材時にはふと目につくこともあります。皆さんの牛舎ではオリジナルの工夫はありますか?
面白い工夫があれば、ぜひ教えてください。

毎日の敷料換えが疾病予防に

哺乳子牛の下痢や肺炎はその後の成長、そして生涯の成績に関係することは広く知られていることと思います。
先日お邪魔した鹿児島県のA農場では、カーフレールを用いた自動哺乳システムを導入し、高い哺育育成成績をあげています。哺育施設を見せていただくと、とても衛生的に管理されている様子がわかりました。
子牛の調子を見るタイミングは、哺育牛舎に入ったときの一回りと、カーフレールの哺乳データ、そして敷料換えのタイミングだと言います。A牧場ではカーフハッチの敷料を毎日交換していると言い、その理由を「哺育牛舎内の空気の質(アンモニア濃度を極力抑える)」と「敷料交換のタイミングでの子牛の観察」だと教えてくれました。
敷料交換の際、立たずに寝ている、または座っている子牛は発熱の疑いが高いため、即検温しているそうです。これによってトラブルを未然に防ぐことができるとAさん。
皆さんはどのような子牛のモニタリングをしていますか?

オールイン・オールアウト

免疫力が低く、感染症リスクの高い哺乳子牛を管理するうえで大切にしたいのはバイオセキュリティです。
牛舎や牛床を衛生的に保ち、適切な哺乳と適切な換気を行なうことはもちろんですが、一歩先を考えたいのは「オールイン・オールアウト」ですね。
三重県のある大型牧場では、哺乳子牛群の「オールイン・オールアウト」を実施していました。

哺乳牛舎は想定子牛数の倍を想定して設計し、1群が哺乳牛舎から移動するタイミングで施設と設備を徹底的に洗浄・消毒・乾燥させています。この哺乳牛舎はほかにもさまざまな工夫がなされていて、洗浄・消毒しやすい設計になっています。隅々まで見させていただくと、「なるほど!」という工夫が満載です。こうした取り組みや工夫を見ることも取材の醍醐味です。