安全な作業のために

農水省が公表した農作業死傷事故の統計によると、過去10年間に北海道で発生した農作業死傷事故の36%が家畜との接触で、とくに大型家畜を扱う作業者は注意が必要と記されています、また、フリーストール牛舎では、牛を移動させる際に柵などに挟まれる事故が多く発生していると注意を呼びかけています。
そんななか先日、香川県のM牧場の取材で聞いた作業安全のための取り組みは、まさに前述した事故による負傷を防ぐもの。
牛舎作業では乗馬用のプロテクターの着用で、挟まれ事故による負傷リスクを軽減しているそう。また、搾乳時にはヘルメット着用を義務付け、身の安全を守っていると言います。
「費用はかかるが、スタッフの安全には代えられない」 というMさんの言葉が響きました。
皆さんは、どのように作業の安全を管理していますか?

エサ寄せをすると……

【エサ寄せをすると……】

先日の取材での一コマ。エサ寄せをすると、一斉に集まってくる牛達。

興味なさそうだった牛もぞろぞろとエサに向かっていきます。

「そんなに楽しみだった!?」と牛に尋ねたくなるほどでした。

食べやすい環境ももちろん大切ですが、「食べたくなるサービス」を欠かしてはならないと勉強になりました。

私が北海道に移って1年間、本州と北海道さまざまな牧場にお邪魔しました。取材や視察で受け入れてくださった皆様ありがとうございました!

感じたことは、地域によって、別業種かと思うくらいやり方に違いがあったり、地域ごとに当たり前に根付いている取り組みや習慣があったりするんだということです。

北海道ならでは、都府県ならではのやり方もあると思いますが、それぞれから学べることは非常にたくさんあるなと思いました。

これからも地域の垣根を越えて、良いものや良い取り組みは積極的に発信していきますので、是非参考になさってください。

 

冬場の哺乳に

先日、鳥取県のNファームにお邪魔しました。
寒い時期における哺育管理についてお聞きしたのですが、あいにく当日は長袖Tシャツ1枚で過ごせる暖かさ。そこで、Nさんに寒い時期の哺乳ボトルの管理を写真で送っていただきました(写真はNさん提供)。
適温で調乳しても哺乳時にはミルクが冷めてしまうーーそんな経験をされている方も多いのではないでしょうか。
Nさんは写真のようにお湯を張ったバケツに哺乳ボトルを入れ、ミルクの温度低下を防いでいます。お金がかからず、かつ簡単な方法。
ぜひご参考に。

盛りの良いエサ場

先日伺った牧場で印象に残ったシーンがありました。

文字どおり、山盛りのTMRを食べている姿です。快適で食べやすそうだと思いました。

ません棒や飼槽の隔壁などが影響するそうですが、給飼はエサの質と同時に環境も同じくらい重要だと感じた場面でした。

口の周りにエサをつけながら満足げに咀嚼する牛の姿に癒されます。

やっぱりリアルがいい!

11月16日、酪青研主催の第73回日本酪農研究会の会場にお邪魔しました。日本酪農研究会は昨年、札幌でハイブリッド開催されましたのに続き、今年は仙台で約190名の盟友が現地に集まりました。会場にお邪魔すると、酪農家さんや事務局、関係企業の皆さんなど久しぶりに対面で会って、お話することができました。
酪農を取り巻く情勢は飼料やエネルギーコストを始め、ほぼすべてのコストが上がり、経営を圧迫していることは周知のとおりです。現地に着くまで、「この状況でどれだけの酪農家さんが会場に集まるのだろう?」「皆さん、どのような面持ち、心境で参加されるのだろう?」と若干の不安を感じていました。しかし、いざ当日になれば、会場に集った酪農家の皆さんは真摯に発表に聞き入ったり、笑顔にあふれて久しぶりの再会を懐かしんだり、近況を報告し合ったりと以前と変わらぬ、いやいつも以上に明るい雰囲気であったように感じました。
幾人かの酪農家さんとも情報交換をしました。もちろん、経営が厳しいという声を多く聞きましたし、普段声に出せない不安な胸の内を話してくれる方もいました。それでも、「外に出て、全国の仲間と語り合う機会が持てたことは、モチベーションを上げることにつながった」といったようなこともまた、多く聞きました。
今年に入り、セミナーや勉強会などは「3年ぶり」と冠をつけてリアル開催やオンラインとのハイブリッド開催で行なわれることが多くなったように感じます。今回お邪魔して感じたことは、厳しいときだからこそ、リアルでつながれる仲間がいることが心の支えになり、明日からの営農のモチベーションアップにつながるということ。かくいう私も、久しぶりに皆様にお会いできて、元気と活力をいただきました。