「乳」にこだわった“もの作り”で需要拡大する 雪印メグミルクが株主総会

2015 年 6 月 25 日

Filed under: — djito @ 6:42 PM ニュース

雪印メグミルクは6月25日、札幌市で「第6回定時株主総会」を開催した。
今年4月に就任した西尾啓治代表取締役社長が議長を務めた。

総会の質疑応答で、「酪農家との協調関係は?」との質問に対し、西尾社長は「国内酪農に立脚したメーカーとして、乳(ミルク)にこだわった“もの作り”で消費者に貢献することを根本としながら、需要を拡大していくことが国内酪農への貢献につながると考えている」と前置き。
そして具体的な取り組みとして、
1 酪農諮問委員会を設置して酪農家の意見を経営に活かす
2 日本酪農青年研究連盟を運営し酪農家相互の情報交換を支援する
3 酪農総合研究所でシンポジウムを開催して酪農経営向上に役立つ情報、また実証圃場や経営実証農家で得られた情報を提供する
4 グループ会社である雪印種苗がJAと町と三者で農業生産法人(TACSしべちゃ)を立ち上げ、草地型酪農経営を実践しながら、そこでの情報を提供していく
と担当役員が回答した。

さらにTPP交渉についての質問に対し、西尾社長は「これ以上の農産物の輸入自由化は、日本の食の安産・安心を、質と量の両面から脅かす可能性がある。生産現場が安心して生産拡大できることを期待している」と回答した。

西尾社長

写真=総会後の会見で内容報告する西尾啓治代表取締役社長

アミノ酸バランスを整え乳量・乳成分アップを 味の素アニマル・ニュートリション

2015 年 6 月 18 日

Filed under: — djito @ 10:36 PM セミナー報告

味の素セミナー

味の素アニマル・ニュートリション・グループ(株)は6月16・18日、東京と帯広で「乳牛アミノ酸栄養セミナー」を開催した。
酪農家はじめ、乳牛栄誉・飼料の研究者、コンサルタント、企業など約200名が参加した。
3名の講師により、生産性を最適化するための最新乳牛栄養学に基づいたアミノ酸飼料設計が解説され、また同社が4月に新発売した乳牛用リジン製剤「AjiPro-L」の紹介、同商品の現場での試験結果が報告された。

●飼料効率が最適化
RP フィード・コンポーネント社(米国)のパトリック・フレンチ博士は「乳牛におけるアミノ酸栄養の充足」と題して、アミノ酸バランスを整えることの必要性、リジンとメチオニンの要求量とそれ基づいた飼料設計などを解説した。
アミノ酸バランスを整えることは飼料・栄養の利用効率の最適化につながることを説明。
また、乾乳後期に代謝可能リジンの給与量を増加すると、分娩後の乳量、乳蛋白質、乳脂肪の増加が期待できること、その費用対効果は満足できることのデータを紹介した。

●確かな性能の製品を
味の素ハートランド(株)の新里出獣医師は「AjiPro-L~データが証明する確かな性能~」と題して、同商品の性能と給与効果を紹介した。
確かな性能のバイパスリジン製品を泌乳初期からピーク期に給与すると乳生産改善効果が安定して得られること、乳蛋白質率の改善にはメチオニンも重要であるが乳量の増加効果はリジンによりもたらされることなどを解説。
そして、アミノ酸の不足は成績の低下を招き、過剰はムダなコストになるゆえに、確かな性能の製品を使うことが鍵となること、また製品は単価ではなく、代謝可能リジン1g当たりのコストに注視すべきであると語った。

●現場で有効性を検証
(株)ゆうべつ牛群管理サービスの安富一郎獣医師は「臨床現場でのバイパスリジン製剤AjiPro-Lの有効性の検討」と題し、北海道の牧場で、同商品を泌乳牛群の飼料に加える(60g・120g添加)、置き換える(加熱大豆300gを同商品40gに)、乾乳後期群に給与する、という三つの試験結果を紹介した。
搾乳牛群においては、同商品を添加したら乳量が増加したこと、置き換えによって飼料コストが1日1頭当たり7円低下したこと、アミノ酸バランスを整えたMPでは多少の減量を行なっても泌乳量は変わらないことなどを紹介。
乾乳後期群においては、分娩後3週目頃から泌乳立ち上がりの改善効果が出ていることなどを紹介した。

※より詳しくはDairy Japan 8月号にて

アルファルファの大家・原田勇名誉教授の「遺稿・追悼集」を出版

2015 年 6 月 15 日

Filed under: — djito @ 6:00 AM ニュース

酪農そして世界平和への想い

酪農学園大学土壌植物栄養学研究室同窓会(細田治憲会長)は、アルファルファの研究・普及の第一人者であり、酪農学園学園長、酪農育英会理事長、酪農学園大学名誉教授、アジア酪農交流会名誉会長を務めた故・原田勇博士の遺稿・追悼集「酪農そして世界平和への想い」を出版した。
2年前から編集委員会を設置し、この春にまとめあげたもの。
A5判・ハードカバー、472頁。

内容は、遺稿編、追悼編で構成されている。
遺稿編には、「酪農学園への想い」「アルファルファに育てられて」「先達の思想を現代に問う」「食糧問題と環境問題」「アジア酪農交流会」「自然と人に育てられて」など、同博士の貴重な稿がまとめられている。
追悼編には、関係の深かった研究者や技術者、門下生である酪農家など46名の追悼文が盛り込まれている。

問い合わせは、酪農学園大学・同窓会連合会・事務局
TEL 011-386-1196

【初妊牛相場】57.2万円とやや弱含み――ホクレン家畜市場

2015 年 6 月 2 日

Filed under: — djito @ 11:28 AM 業界情報

相場05月

ホクレン家畜市場の初妊牛相場5月集計分が、ホクレン酪農部・家畜販売課より発表された。

5月については、出まわりの中心が夏産みとなり、都府県では暑熱事故を警戒して導入需要が落ち着いたことから、平均価格は57万2000円(前月比1万5000円安・前年比1万円高)とやや弱含みでの推移となった。

6月については、分娩の中心が猛暑期となることから、都府県を中心に導入需要の減退が予測され、弱含みでの推移が見込まれる。

グランド・チャンピオン牛は大久保牧場(清水町):北海道B&Wショウ

2015 年 5 月 24 日

Filed under: — djito @ 3:26 PM 共進会,未分類

全道BW1

全道BW2

「2015年 北海道ブラック アンド ホワイト ショウ」(北海道ホルスタイン改良協議会主催)が5月23・24日、安平町早来の共進会場で開催された。
全道からホルスタイン種500頭、ジャージー種33頭がエントリーし、乳牛の資質を競い合った。
審査員は岩見沢市・瀬能牧場の瀬能剛氏。

グランド・チャンピオンに輝いたのは、十勝管内清水町の大久保大輔氏出品、5歳クラス1位でシニア・チャンピオンのOK アドベント ライオネル(父:KHW カイト アドベント RED ET)。
審査員の瀬能氏は、「多産を経ても崩れない、すばらしい乳房である」と絶賛した。

リザーブ・グランド・チャンピオンは、十勝管内清水町の(有)田中牧場出品、シニア3歳クラス1位でインターミディエイト・チャンピオンのTMF セプテナー チーズ アトウツド ライズ ET(父:メープルダウンズアイ GW アツトウツド ET)。

※写真:グランド・チャンピオン(右)とリザーブ・グランド・チャンピオン

香取市WCS生産者・コントラクター・利用者交流会

2015 年 5 月 19 日

Filed under: — AsanoHiroko @ 2:03 PM セミナー報告

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 香取市耕畜連携農業推進協議会は5月19日、香取市山田公民館ホールでWCS生産者・コントラクター・利用者交流会を開催した。
 同協議会は千葉県香取市の畜産農家、耕種農家が共同で立ち上げたもので、今回の交流会には地域の酪農家、耕種農家をはじめ関係者ら100名以上が参加した。

 雪印メグミルク(株)社外取締役・日和佐信子氏を招いて講演が行われ、同氏は「消費者が国内農業に期待すること〜飼料用稲WCSの果たす役割〜」と題し、「消費者が抱える食品への数々の不安材料に対して生産者、メーカーがどう対応していくか、健康志向の傾向が強くなっているが、生産者、メーカーは様々な消費者の期待に応える必要性、食糧自給強化の重要性、生産現場と消費者間の正確な情報伝達などから課題である」とした。
 その他に同協議会より香取市内の稲WCSの生産状況や需給状況、作付状況などの報告がなされた。

 午後からは会場を移し、地域の農産物をPR・直売している風土村にて、稲WCSを給与した牛肉の会食なども行わた。

牛が嫌なものをなくすことに投資せよ GEAオリオンが酪農文化セミナー

2015 年 5 月 15 日

Filed under: — djito @ 6:18 PM セミナー報告

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GEAオリオンファームテクノロジーズ(株)は、福岡県、埼玉県、北海道で「酪農文化セミナー」を開催。
本日(5月15日)、帯広会場で行なわたセミナーを取材した。

講師はオーストリアで蹄と繁殖を専門とするコンサルタント獣医師のマイケル・フレック氏で、乳牛の三大疾病である「跛行、繁殖障害、乳房炎の予防」をテーマとした。
同氏は、「乳牛は歩行・採食・横臥がセットであり、それらを“乳牛の生産システム”としてトータル管理しなければならない」と前置きし、「その生産システムをうまく回すためには、乳牛が嫌がる部分を改善するための投資をすべきである」と語った。

●観察ができなければ酪農はうまくいかない
乳牛の生産システムを良好に維持するためには、「乳牛の観察が第一であり、それができないと酪農はうまくいかない」と同氏は断言。
そして、年間の跛行発生率を10%以内とするためには、乳牛の後肢を常に観察し、両肢が平行を崩し始めたら「助けてくれ」というサインであり、その都度、早いうちに削蹄すべきであることを強調した。
さらに、分娩前6~8週間のうちに全頭(未経産も)を削蹄すること、通路の衝撃をなくすことなどを推奨した。
また、体細胞数10万以下を維持するためには、乾乳2週間前および分娩後にPLテスターで乳房炎感染チェックすること、分娩前6~8週間のうちに全頭を毛刈り、尾毛刈り、乳房毛刈りすることを推奨した。

※詳報はDairy Japan 7月号で。

コストアップ影響吸収できず:雪印メグミルク

Filed under: — Yayoi Uruno @ 11:30 AM ニュース,業界情報

 雪印メグミルク(株)は5月14日、都内で平成27年3月期決算説明会を開催した。発表によると同期の連結売上高は5498億1600万円(対前期増減率+0.9%)、営業利益93億8100万円(同△16.5%)と、増収減益だった。セグメント別に見ると、乳製品は、増収減益、飲料デザート類は減収増益、飼料種苗は減収増益、その他は増収減益となった。業績予想と比較すると、売上高はほぼ計画どおりの結果となったが、営業利益は未達となった。
 前期と比較すると、資材単価差などと乳価差を併せたコストアップ影響の合計額に対し、価格改定による販売単価差容量変更の効果を含むコストダウンの合計額が下回り、コストアップのすべてを吸収しきれなかったことが主な減益要因としてあげられる。
 また、今後の取り組みとして、事業構造改革、戦略投資設備の最大活用、成長分野の事業拡大、機能強化と体制整備をあげた。具体的には、機能性ヨーグルトなどの販売を拡大し高付加価値商品の売り上げ構成比の向上を目指す、需給ひっ迫に対応した乳資源の戦略的配分によりプロダクトミクスの改善に取り組む、販売物量増加による生産性向上、さけるチーズ、小型ボトルタイプのドリンクヨーグルトといった主力品の売上拡大で生産能力増強の効果最大化、乳酸菌戦略によるヨーグルトの拡売などがあげられた。

プロバイオティクスで売上大幅伸長:明治

2015 年 5 月 13 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 10:10 AM 業界情報

 明治ホールディングス(株)は5月12日、都内で平成27年3月期決算説明会を開催した。発表によると同期の連結売上高は1兆1611億5200万円(対前期増減率+1.1%)、営業利益515億4300万円(同+41.2%)と、増収・大幅増益だった。
 区分別に見ると、乳製品事業では、売上高6348億円(対前期増減率△0.6%)となった。プロバイオティクスなどの主力製品の売り上げが大幅に伸長したが、販売子会社の一部事業を整理した影響によりほぼ前期並みとなった。市乳では、ヨーグルト市場が2014年度はほぼ前年並みの成長となるなか、同社は市場以上の伸びで推移し、前年同期比を上回った。とくにプロバイオティクスは健康志向が高まるなか、積極的なマーケティング展開による商品価値の認知が進み、また、2014年7月発売の「明治プロビオヨーグルトR-1」ブランドの新商品が寄与し、大きく伸長した。「おいしい牛乳」は継続的なコミュニケーション施策による需要の拡大に成功し、すべてのラインナップで金額、数量ともに前期を上回った。チーズ、マーガリンなどの加工食品はほぼ前年同期並みとなった。市販用チーズは主力のスライスチーズ群や北海道十勝シリーズのカマンベール群やスマートチーズ群が好調に推移し、全体として前期を大幅に上回った。市販マーガリンは、市場低迷の影響により前期を下回った。
 乳製品事業の営業利益は322億円(対前期増減率+27.1%)で、前期を大きく上回った。プロバイオティクスが大幅に売り上げを伸ばしたことに加え、低採算事業の見直しを進めたことでプロダクトミクスが改善し、増益となった。
 なお、平成27年3月期の集乳量は全国で134万2000t(前年対比98.9%)であった。うち北海道が86万t、(同100%)、都府県が48万2000t(同96.8%)であった。

搾乳時間を短縮すると出荷乳量が増える コーンズ・エージーが乳房炎セミナー

2015 年 5 月 12 日

Filed under: — djito @ 5:09 PM セミナー報告

ジョンソン博士2

(株)コーンズ・エージーフューチャーカウジャパン(株)およびアルファテクノロジー社(米国)と共催で、北海道と栃木県で「新技術を利用した乳房炎管理セミナー」を開催中。12日の帯広会場を取材した。
講師は「ザ・乳房ドクター」として著名なアンドリュー・ジョンソン博士(米国/獣医師)。
同博士は「どの牧場も、その大小にかかわらず、体細胞数20万未満のバルク乳を生産することができる。要は、取り組みの姿勢だ」と前置きし、乳房炎の三大原因(乳房炎トライアングル)である牛・搾乳機器・人における最新知見と事例を紹介した。

●まず肢の汚れを見よ!
「牛に耳を傾けよ! 牛達は常に真実を語っている」というのが同博士の哲学の一つ。
そこで、まず牛の肢に注目して、牛の肢が汚れていたら清潔環境に問題があり、乳房炎感染リスクが高いと認識することが重要だとした。
糞が落ちているストール数を5%以下にすべきであると目標を示した。
ポリパイプ製のブリスケットロケーター(ボード)は牛にとって心地良く、前後・高さの位置調節が可能であり、お勧めであるとのこと。

●搾乳時間は短いほど良い
搾乳時間は短いほど良く、搾乳時間を早めるための要因として、適切な乳頭刺激、過搾乳しないことをあげた。
ちなみに同博士の顧客牧場では、乳流量1.1kg/分になったら1秒後に自動離脱するように設定している。
そうすることで、日乳量41kgの牛群での1回当たりの搾乳時間は3.8?4.3分になったとのこと。
残乳は4分房合わせて500ml未満であれば問題ない。

●ユニット装着は90~180秒後に
最新の研究よって大きく変更された搾乳手順として、前搾りからユニット装着までのラグタイムは90~180秒であることを詳しく解説。
そうすることで搾乳時間が早まり、出荷乳量が増えることを示した。
さらに、搾乳手順の一貫性を向上させ、優れた成果をもたらす新アイテムとして、乳頭洗浄システムの「ティートスクラバー」を紹介。
プレディッピングや乾燥の必要がなく、作業負担を軽減し、好結果をもたらすことなどを特長としてあげた。
また、フューチャーカウの「ティートスクラバー」と競合品の違いを指摘し、あらゆる点でフューチャーカウシステムに軍配が上がるとした。

※詳報はDairy Japan 7月号で。

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