生乳生産量、前年並みの見込み:Jミルク需給見通し

2015 年 1 月 23 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 3:00 PM ニュース

Jミルクは1月23日都内で、「平成27年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと今後の課題について」を発表した。Jミルクの前田浩史専務理事は「26年度は生乳生産量の減少に歯止めがかからず、とくに乳製品需給がひっ迫した状況が続いた。バターの需要期においてはフレッシュバターが不足する状況となり、消費者、ユーザーの方々にご迷惑をおかけした。一方で、こうした乳製品の需給ひっ迫、バター不足が、わが国の酪農生産の厳しい現状を反映しているということで、多くの国民から関心を受けた。27年度はこうした需給ひっ迫によるマーケットの混乱がないようにすることが大きな課題である。生乳生産をどのようにして回復させるのか、懸命な努力は続いているものの、すぐに大きな増加傾向となるには難しい現状であり、27年度も需給ひっ迫が続く状況となる見込み。そうしたなかで適切な需給対応を業界としてもしっかりとやり、国に対しても然るべき対応をとっていただき、牛乳乳製品の安定供給に努めていきたい」と挨拶で述べた。

発表によると26年度の生乳生産量は、年度計で北海道・都府県ともに25年度を下回る見通しとなっている。この背景として、為替円安に伴う飼料・生産資材価格の高騰による経営圧迫や高齢化の進行、担い手の確保困難による離農増加に加え、TPPによる将来不安からの投資停滞があげられる。

27年度の生乳生産量は、北海道では生産の主力となる2~4歳の乳牛頭数が前年度を超えることから26年度を上回るが、都府県では引き続き減産基調が続き26年度を下回る見通し(北海道387万1000t、前年比101.3%、都府県346万2000t、同98.6%)。その結果、全国の生乳生産量は、ほぼ前年並みと見込まれる(733万3000t、同100.0%)。

また、27年度の乳製品の生産量は、脱脂粉乳・バターともに26年度を上回るものの、国内生産量だけでは需要量を下回る状況が続くと見通される。

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