【初妊牛相場】3カ月連続で60万円超え――ホクレン家畜市場

2015 年 11 月 30 日

Filed under: — djito @ 3:06 PM 業界情報

相場11

ホクレン家畜市場の初妊牛相場11月集計分が、ホクレン酪農部・家畜販売課より発表された。

11月については、前月並みの出回り頭数となり、通常の更新需要を中心とした一定量の需要が確保されたことから、平均価格は60万3000円(前月比2000円高・前年比7万2000円高)と保ち合いでの推移となった。

12月については、出回り頭数は増加傾向が予測されるが、一部で春産みが出回り始めることにより都府県を中心に導入需要の活発化が予測されることから、保ち合いからやや強含みでの推移が予想される。

日本ならではのチーズを

2015 年 11 月 25 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 9:08 AM イベント,ニュース

二次審査の様子

二次審査の様子


最終審査の様子

最終審査の様子


受賞者の皆さん

受賞者の皆さん

一般社団法人中央酪農会議は11月24日、都内で第10回ナチュラルチーズコンテストを開催した。同コンテストは国産ナチュラルチーズの製造技術の向上と消費拡大を目的としたもの。今回は第10回を記念してフランスのチーズ製造技術者のイブ・マンソン氏の特別講演も行なわれた。また、審査・表彰式のほか、全国のチーズ工房から出展されたチーズが試食できる展示試食会も行なわれた。
今回の出品総数は148作品。そのうち三次審査で金賞10作品が選ばれ、最終審査により上位5賞が決定された。
受賞者および受賞作品名は以下のとおり。

【賞タイトル:受賞者名「受賞作品名」】
農林水産大臣賞:有限会社 エイチ・アイ・エフ「大きなチーズ」
農畜産業振興機構理事長賞:有限会社ハッピネスデーリィ「森のカムイ」
中央酪農会議会長賞:株式会社 箱根牧場「水牛乳で造ったリコッタ」
審査委員特別賞:有限会社 ランランファーム「牛鐘(カウベル)」
審査委員特別賞:有限会社 那須高原今牧場「りんどう」

チーズオフィス・ムー代表の村山重信審査委員長は「酪農家の皆さん達には今日の審査を励みにして、世界に羽ばたく作品を作っていただきたい。今日何より嬉しかったことは、他の国にはない作品に挑戦したいというトライアル部門から入賞作品が出たこと。ぜひ世界にはない、日本ならではの新しいチーズ作りに挑戦してほしい」と審査総括および感想を述べた。

現場での改善が最終目的:乳用牛ベストパフォーマンスセミナー

2015 年 11 月 20 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 4:00 PM セミナー報告,ニュース

一般社団法人家畜改良事業団は、11月19日、乳用牛ベストパフォーマンスセミナーを開催した。開会の挨拶で家畜改良事業団の信國卓史理事長は「今回のセミナーには広範囲の地域から、さまざまな職種の方々に出席いただいている。それぞれの持ち場で酪農の生産性の向上、生乳の増産に向けた取り組みを強化しようという強い気持ちの表れだと大変頼もしく感じる。この会議の最終目的は、ここで取り上げられることがきちんと現場に降ろされ、現場でそれぞれの改善が図られることである」と、同セミナーへの想いを述べた。また「牛群検定は酪農経営の技術的な向上を果たすうえでなくてはならないもの。経営の改善を図ろうとしたとき、それを阻害している問題は何かと言うことをきちんととらえることが出発点となる。そういう情報を提供する宝の山が牛群検定であろう」と今年で40周年を迎えた乳用牛群検定について述べた。

第一部では、畜産・飼料調査所御影庵の主宰、阿部亮氏が「乳用牛のベストパフォーマンス実現のために」と題して基調講演を行なった。阿部氏は酪農家戸数の減少、乳牛頭数の減少、生乳生産量の減少など日本酪農の趨勢をあげ、「現在のトレンドのままいくと、酪肉近の目標年度平成37年には乳製品向けの乳量が非常に少なくなってしまう」と指摘した。「現在の日本の乳牛は平均的に長命連産とは言えない。しかし経産牛1頭当たりの乳量が増加しているため、淘汰・廃用牛をいかに減らすかで変わってくる。また繁殖成績のバラつきの平準化、暑熱対策の実施、以上三つの改善が必要となる。現在のトレンドから脱却することができれば日本の酪農技術はもっと改善の余地があり、生乳生産の拡大に向かって新たな展望が開ける」と述べた。

第二部では、ベストパフォーマンス実現セミナーの優良事例、また乳用牛群検定40周年記念として、優良農家部門で栃木県の高瀬賢治氏、長野県の前田勉氏が、指導部門で鳥取県大山乳業農業協同組合の今吉正登氏が発表・表彰された。
第三部では帯広畜産大学の木田克弥教授が「乳用牛における繁殖成績王城のための飼養管理」を、北海道酪農検定検査協会の田中義春参与が「酪農現場における飼養管理指導の実際」を講演した。その後各講演者とホクレン農業協同組合連合会の吉田英雄氏、全国農業協同組合連合会の内田江一郎氏でパネルディスカッションが行なわれた。
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現場の疑問を丁寧に調査――北海道家畜人工授精師技術研修大会

Filed under: — djito @ 12:24 PM ニュース

北海道AI大会

北海道家畜人工授精師協会は11月19・20日、岩見沢市で「第71回 北海道家畜人工授精師技術研修大会」を開催し、全道から家畜人工授精師をはじめ研究者など約240名が参加した。
特別講演の後、26名の家畜人工授精師らが、酪農畜産現場で取り組んできた調査・研究を発表した。

研究発表の表彰は以下のとおり。
【優秀賞】
・「ピーク乳量に応じた授精開始適期の検討」岡田博史(十勝)
・「PGF2α製剤投与時の卵胞所見が受胎率に与える影響」浪岡徹(道南)
・「乳房の乳房下垂度を評価する新しい指標の検討と乳房下垂の要因についての一考察」山下祐輔(上川)
【努力賞】
・「酪農家の繁殖管理を改善するための繁殖診断法の検討」泉大樹(十勝)
【統計処理賞】
・「黒毛和種における在胎日数に関する一考察」川口正人(胆振)
【プレゼンテーション賞】
・「日本一の牛群造り」坂口謙一郎(十勝)
【奨励賞(学生)】
・「直径6mm以上の卵胞から吸引した牛卵子の形態」市毛里奈(石狩)

選考委員長の永野昌志氏(北海道大学准教授)は「農家からの疑問を丁寧に調べてデータを拾い上げてきた努力が伝わってきた」と審査講評した。

黒澤賞に北海道・本田憲一さん

2015 年 11 月 18 日

Filed under: — maetomo @ 5:52 PM ニュース

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日本酪農青年研究連盟は11月18日、福岡市内で第67回日本酪農研究会を開催した。最優秀賞・黒澤賞を受賞したのは、北海道上風連の本田憲一さん。本田さんは「日々是新」を発表し、良質粗飼料生産が高所得につながったことなどが評価された。

朝霧メイプル(静岡)、生駒牧場(岐阜)、小田牧場(北海道)の三氏が発表 森永酪農経営発表大会

2015 年 11 月 13 日

Filed under: — djito @ 1:55 PM ニュース

森永大会S

公益財団法人 森永酪農振興協会は11月13日、帯広市で酪農経営発表大会を開催し、3名の酪農家が経営方針や取り組み、その成果などを発表した。

静岡県富士宮市の朝霧メイプルファーム(経産牛420頭、未経産牛100頭、従業員19人)の丸山純氏は「DO IT YOURSELF-朝霧メイプルファームのチャレンジと成果-」と題して発表。
1 乳房炎をなくす、2 蹄病をなくす、3 周産期病を減らす、の三つのチャレンジを掲げ、DIY(=自分達でできることは自分達でやる)をキーワードとして取り組んできた。
1ではオンファームカルチャーを自分達で、2では処置削蹄を自分達で、3ではフレッシュ牛の体調不良を自分達で早期発見・早期処置できるようにした。それにより疾病罹患率は激減、乳量は大幅にアップした。
DIYで対処すると、従業員の責任感がアップし、モチベーションがアップし、牧場全体の能力がアップする、と語った。

岐阜県富加町の生駒牧場(経産牛58頭、未経産牛20頭)の生駒一成氏は「徹底した個体管理による利益の追求」と題して発表。
以前は100頭搾乳規模だったが、平成4年に少数精鋭の経営へ転換し、自給飼料面積の拡大、カウコンフォート、牛群検定の活用、ET和牛生産などに取り組んできた。
経営の特徴は、チャレンジ精神、家族労働協定の締結、雇用の確保、雌雄選別精液の活用、個体管理の徹底であり、それにより昨年は過去最高の所得額となった。
今後の目標は、平均乳量1万kgの維持、労働の効率化と生産性の向上、自給飼料増産で飼料コスト低減、後継者の育成である、と語った。

北海道十勝管内広尾町の小田牧場(経産牛50頭、未経産牛35頭)の小田治義氏は「牛に寄り添った牧場を目指して」と題して発表。
「牛は健康であるから乳が出る、健康であれば複雑な管理は必要ない」をモットーとして平成8年に新規就農した。
経営で最も重要なことは一貫した経営方針があることとし、牛を牛らしく、のびのびと健康に飼うこと、労働力1.5人規模の維持を経営方針としている。
牛の本能に沿った管理、与えられた条件に合ったやり方を選択し、フリーバーン牛舎と放牧の併用を取り入れている。
どんなときでも牛に謙虚でありたい、牛に寄り添った牧場でありたい、と語った。

24%の牛が潜在性ケトーシス フォス・ジャパンがセミナー

2015 年 11 月 12 日

Filed under: — djito @ 7:21 PM セミナー報告

フォスセミナーS

生乳検査機器で知られるフォス・ジャパン株式会社は11月12日、札幌市で「ケトーシス症スクリーニング判定と生乳検査の現状」と題したセミナーを開催し、生乳検査の関係者ら約70名が参加した。

初めにカナダ乳検バラクタのダニエル・レフェーヴレ氏が「潜在性ケトーシスの早期発見および迅速判定の紹介」と題して、カナダで普及を進めている取り組みについて講演した。
潜在性ケトーシスは、ケトーシス症はじめ、第四胃変位、子宮内膜炎、乳房炎などの発症リスクが高く、その経済損失は大きい。
そこでバラクタでは、乳検サンプルからFT-IR(赤外線分析)により生乳中のBHB(ケトン体の一つ)値を測り、0.20mM(ミリモル)/リットル以上を陽性、0.15mM未満を陰性、その中間を疑陽性としている。
この検査で、陽性および疑陽性の牛が24%もいることがわかった。
この検査はオプションだが70%の酪農家が登録し、そのうち55%が毎月分析している。
BHB値が高い場合の問題解決(ケトーシス予防)に関するアドバイス提供も行なっている。

その後、フォス本社(デンマーク)のソルベイ・ワーネッケ氏が、酪農先進各国で普及が進んでいるケトーシス測定の状況を紹介し、「この検査は酪農家にとって低コスト・実用的であり、飼養管理の問題解決につながる価値高いものである」と語った。

さらに、北海道酪農検定検査協会・道北事業所の帯川芳彦氏、十勝農業協同組合連合会・畜産検査センターの馬場幸宏氏が、それぞれの地域での生乳中BHB検査結果と課題などを紹介した。

最後に、抗生物質検査機器で知られるチャーム・サイエンス社のボブ・マルコフスキー氏が、酪農先進各国での抗生物質検査の動向、生乳中のアフラトキシンM1検査体制を紹介した。

各国のチーズが大集合:チーズの日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 12:00 PM イベント,ニュース

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チーズ普及協議会ならびに日本輸入チーズ普及協会は、11月11~12日、都内で「チーズフェスタ2015」を開催している。チーズフェスタとは11月11日の「チーズの日」に開催され、国産および輸入チーズを紹介するチーズの祭典。会場には多くの一般来場者が訪れ、イタリア、フランス、シンガポールなど、18カ国から集まったたくさんのチーズを楽しむことができる。

会場では各国のチーズの試食、販売が行なわれ、メインステージでは国内外の各乳業メーカーより、チーズを使用したレシピの紹介、パルミジャーノ・レッジャーノのカットショー、またチーズを使ったレシピのコンテスト「チー1グランプリ」など、さまざまなイベントが開催される。

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製品構成の改善により増収増益:雪印メグミルク(株)

2015 年 11 月 9 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 11:00 AM ニュース,業界情報

 雪印メグミルク(株)は11月6日、都内で平成28年3月期第2四半期決算説明会を開催した。発表によると同期の連結売上高は2906億円(前期比105.0%)、連結営業利益75億円(同148.3%)と、増収増益だった。セグメント別に見ると、乳製品、飲料・デザート類、その他において増収増益だった。とくに飲料・デザート類においては、コストアップ対応の成果に加えヨーグルト、デザートの販売拡大により製品構成が改善され黒字化を実現した。
 前期と比較すると、乳価差をはじめとするコストアップ影響の合計額に対し、吸収策として取り組んだ価格改定や容量変更などの効果を含むコストダウンの合計額が上回った。また広告宣伝や販売促進費用を投入した効果により、プロセスチーズやガセリ菌SP株ヨーグルトを中心に売り上げが伸長し、製品構成が改善されたことも増益に大きく貢献した。
 今後の取り組みとして、高付加価値商品機能性ヨーグルトなどの販売を拡大し高付加価値商品の売り上げ構成比のさらなる向上を目指す、順調に生産量を伸ばしている阿見工場、また海老名工場において、引き続き操業度を向上させるなどにより、さらなるメリットの創出を目指す、ヨーグルト、ナチュラルチーズをはじめとする継続成長分野の事業拡大、海外事業における粉ミルク事業、プロセスチーズ事業や、牛乳由来の機能性素材「MBP」など、新規分野の事業拡大などがあげられた。
 また、同社はTPPなどによる将来的な環境変化への対応として、乳の付加価値拡大による国内酪農基盤の安定化、プロダクトミックスの最適化による乳資源の有効活用、乳資源の調達機能と体制の整備、以上三つの取り組みを今後も継続するとした。同社代表取締役の西尾啓治社長は「今後も国内酪農を基盤とし、ミルクの付加価値を体現した商品を市場に供給していくことで、ミルクの価値創造や企業の利益拡大そして酪農生産への貢献につなげ、企業価値向上を目指す」とした。

米国は高泌乳でも繁殖成績がV字回復–その理由とは

2015 年 11 月 6 日

Filed under: — djito @ 9:32 PM ニュース

セミナー3

「北海道酪農技術セミナー 2015」の2日目(11月6日)は、セッション4「獣医師の始めた哺育預託牧場」(佐竹直紀氏/トータルハードカーフサービス)、「牛群改良の手法とそのモニター:交配プログラムとゲノミックデータの利用」(安富一郎氏/ゆうべつ牛群管理サービス)、セッション5「乳量3万ポンド&妊娠率30%を達成するためのキーポイント」(ポール・フリッキー氏/米国ウィスコンシン州立大学)が行なわれた。

米国ウィスコンシン州では近年、高泌乳牛であっても繁殖成績が急激に良くなってきている。その背景にはフリッキー氏らの研究と普及があり、同氏がその成果を詳しく解説した。
同氏は、妊娠率を30%に到達させる四つのポイントとして以下を強調。
1 分娩後VWP(任意授精待機期間)を過ぎたら積極的に授精を行なう。
2 初回授精の受胎率を上げる。
3 妊娠していない牛を発見し、積極的に再授精を行なう。
4 2回目以降の人工授精による受胎性を上げる。

妊娠率とは、授精率と受胎率から成るもの。
授精率を上げるために積極的な定時授精を行ない、受胎率を上げるにはオブシンクの修正を重ねてきた。
それにより今や、ウィスコンシン州立大学農場の搾乳牛555頭の繁殖成績は、妊娠率34%、初回授精受胎率52%、3回授精後の受胎率88%、4回授精後の受胎率94%となった。しかも、その305日平均乳量は3万854ポンド(約1万4000kg)。
講演タイトルどおり、まさに「乳量3万ポンド&妊娠率30%」で、見事に「高泌乳&高繁殖成績」を達成している。

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