24%の牛が潜在性ケトーシス フォス・ジャパンがセミナー
2015 年 11 月 12 日
生乳検査機器で知られるフォス・ジャパン株式会社は11月12日、札幌市で「ケトーシス症スクリーニング判定と生乳検査の現状」と題したセミナーを開催し、生乳検査の関係者ら約70名が参加した。
初めにカナダ乳検バラクタのダニエル・レフェーヴレ氏が「潜在性ケトーシスの早期発見および迅速判定の紹介」と題して、カナダで普及を進めている取り組みについて講演した。
潜在性ケトーシスは、ケトーシス症はじめ、第四胃変位、子宮内膜炎、乳房炎などの発症リスクが高く、その経済損失は大きい。
そこでバラクタでは、乳検サンプルからFT-IR(赤外線分析)により生乳中のBHB(ケトン体の一つ)値を測り、0.20mM(ミリモル)/リットル以上を陽性、0.15mM未満を陰性、その中間を疑陽性としている。
この検査で、陽性および疑陽性の牛が24%もいることがわかった。
この検査はオプションだが70%の酪農家が登録し、そのうち55%が毎月分析している。
BHB値が高い場合の問題解決(ケトーシス予防)に関するアドバイス提供も行なっている。
その後、フォス本社(デンマーク)のソルベイ・ワーネッケ氏が、酪農先進各国で普及が進んでいるケトーシス測定の状況を紹介し、「この検査は酪農家にとって低コスト・実用的であり、飼養管理の問題解決につながる価値高いものである」と語った。
さらに、北海道酪農検定検査協会・道北事業所の帯川芳彦氏、十勝農業協同組合連合会・畜産検査センターの馬場幸宏氏が、それぞれの地域での生乳中BHB検査結果と課題などを紹介した。
最後に、抗生物質検査機器で知られるチャーム・サイエンス社のボブ・マルコフスキー氏が、酪農先進各国での抗生物質検査の動向、生乳中のアフラトキシンM1検査体制を紹介した。
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