米国は高泌乳でも繁殖成績がV字回復–その理由とは

2015 年 11 月 6 日

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セミナー3

「北海道酪農技術セミナー 2015」の2日目(11月6日)は、セッション4「獣医師の始めた哺育預託牧場」(佐竹直紀氏/トータルハードカーフサービス)、「牛群改良の手法とそのモニター:交配プログラムとゲノミックデータの利用」(安富一郎氏/ゆうべつ牛群管理サービス)、セッション5「乳量3万ポンド&妊娠率30%を達成するためのキーポイント」(ポール・フリッキー氏/米国ウィスコンシン州立大学)が行なわれた。

米国ウィスコンシン州では近年、高泌乳牛であっても繁殖成績が急激に良くなってきている。その背景にはフリッキー氏らの研究と普及があり、同氏がその成果を詳しく解説した。
同氏は、妊娠率を30%に到達させる四つのポイントとして以下を強調。
1 分娩後VWP(任意授精待機期間)を過ぎたら積極的に授精を行なう。
2 初回授精の受胎率を上げる。
3 妊娠していない牛を発見し、積極的に再授精を行なう。
4 2回目以降の人工授精による受胎性を上げる。

妊娠率とは、授精率と受胎率から成るもの。
授精率を上げるために積極的な定時授精を行ない、受胎率を上げるにはオブシンクの修正を重ねてきた。
それにより今や、ウィスコンシン州立大学農場の搾乳牛555頭の繁殖成績は、妊娠率34%、初回授精受胎率52%、3回授精後の受胎率88%、4回授精後の受胎率94%となった。しかも、その305日平均乳量は3万854ポンド(約1万4000kg)。
講演タイトルどおり、まさに「乳量3万ポンド&妊娠率30%」で、見事に「高泌乳&高繁殖成績」を達成している。

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