北海道しゃくなげ会(事務局/ゼノアック日本全薬工業株式会社)は22日、札幌市内で「第45回 北海道しゃくなげ会」を開催した。
道内の獣医師や家畜衛生管理関係者ら約250名が参加した。
総会の後、「感染症を考える-パート4-」と題した研修会が行なわれ、酪農学園大学・獣医学群の田島誉士教授が総合司会を務め、基調講演、酪農生産現場からの報告講演5題、家畜衛生情報紹介、ゼノアック・コーナーが発表された。
基調講演では、酪農学園大学・獣医学群の小岩政照教授が「子牛感染症の発病要因と制御対策」と題し、最近の子牛の疾病の発生状況と特徴、そして、それをいかに制御するかを述べた。
同教授は、何事も先入観を払拭して多角的に見ることが大切であるとし、初乳給与のベストタイミングにしても正常な出生子牛の場合と衰弱した出生子牛の場合に分ける必要があること、小さく生まれた子牛のほうが死亡率は高いこと、肺炎になりやすい子牛は虚弱子牛症候群(WCS)であることなどを解説した。
WCSの牛は、胸腺が小さく、免疫能が低く、ワクチン効果が低く、その要因として、乾乳期の母牛の健康、とくにアミノ酸の充足が大きく影響しているという。
さらに子牛中耳炎(マイコプラズマ性)は、耳毛や耳標の装着位置により、外耳の通気性が良くない牛で発症しやすいことなどを紹介した。
現場からの報告講演では、以下の5人の獣医師が発表した。
1 「哺育育成預託農場における子牛の感染症の発生実態とそのリスク要因調査」寺崎信広氏(釧路地区NOSAI)
2 「子牛サルモネラ症とその他子牛下痢症との違い」福中守人氏(十勝NOSAI)
3 「長期化したマイコプラズマ乳房炎対策」中川亮氏(オホーツクNOSAI)
4 「牛乳房炎由来グラム陰性桿菌における薬剤耐性について」大西守氏(根室地区NOSAI)
5 「日高管内における馬伝染性子宮炎対策の推進」笹野憲吾氏(日高家保)
家畜衛生情報紹介では「農場における衛生管理の優良事例について」と題して前田泰治氏(北海道農政部)が、ゼノアック・コーナーでは「鉱塩セレニクス60TZ」について角田映二氏(ゼノアック営業推進本部)が発表した。