泌乳曲線平準化について産官学が意見交換
2011 年 11 月 23 日
「乳牛改良による新たな飼養-泌乳曲線の改良で乳牛にやさしく高収益な酪農を目指して-」と題した「平成23年度北海道地域マッチングフォーラム」(主催:農水省農水技術会議事務局、北海道農業研究センター、帯広市)が22日に帯広市で開催され、研究者、普及指導員、生産者、行政担当者など約150人が参加した。
泌乳曲線平準化技術(ピーク乳量を下げる代わりに泌乳中・後期の乳量を上げて生産量を確保し、病気の予防や繁殖性の改善、飼料代の節約、飼養管理の軽労化などを図るもの。Dairy Japan 2009年7月号および2010年9月号参照)の研究成果、事例紹介、意見項が行なわれた。
講演は、1)乳牛改良を取り巻く状況、技術の概要、2)事例等の紹介、3)技術導入に際して、の3部で構成。
3)では、「酪農経営コンサルタントの視点と現場からの声」と題して吉川広司氏(十勝家畜人工授精所)が、農場(十勝ライブストックマネージメント)の検定成績や使用している種雄牛の状況を紹介。
種雄牛データの信頼性が必要であること、種雄牛は牛群改良に合うものを選定し集中的に使用したほうが良いこと、酪農家には実用的な内容を示してほしいことなどを語った。
また、「乳牛改良に寄せる期待」と題して久田真樹氏(JA豊頃町)が、同町の酪農の現状、改良方向などを紹介。
泌乳曲線平準化技術を活用するには、人工授精技術者が同技術を正しく理解し、酪農家に対して正確に伝える必要があること、経営形態に応じた泌乳曲線の把握が必要であること、今までの改良成果を崩さないことが重要であることなどを語った。
さらに、「泌乳を持続させた乳牛の方が飼いやすい」と題して宇都宮治氏(宇都宮牧場)が、日本の農業界は質の高い労働力を確保できるか不安があることからも、管理のしやすい、斉一性の高い牛群が求められること、泌乳持続性の高い牛は以前は多かったが、泌乳ピークを高める改良により、今はそのような牛が減ったことなどを語った。
詳報はDairy Japan 1月号で。
TrackBack URL :
Comments (0)