2017 年 11 月 15 日

Filed under: — maetomo @ 5:32 PM ニュース
黒澤賞を受賞した原田敦さん

黒澤賞を受賞した原田敦さん

日本酪農研究連盟は11月15日、札幌市内で第69回日本酪農研究会を開催した。最優秀賞の黒澤賞には、釧路地方連盟・虹別研究会の原田敦さんが選ばれた。原田さんは「足るを知り、経営に活かす」を発表し、安全性と収益性の高い経営成果が評価された。

原田さんは標茶町で経産牛114頭、未経産牛96頭をフリーストールで管理している。経産牛1頭当たり9893kg、F4.09%、P3.24%、SNF8.73%の成績で年間生産量は1130tと大規模経営。

原田牧場の経営成果は極めて高く、コストは低く、財務の安全性も高く、ほとんどの経営技術指標で発表経営で最高位であったということが評価された。

原田牧場の酪農部門の所得率は32.4%、今回発表の6経営で最も高い収益性を実現している。

【受賞者】

最優秀賞:原田敦さん(虹別研究会)
優秀賞:渡辺英徳さん(標津研究会)
改善賞:佐藤俊弥さん(秋田研究会)
努力賞:尾田拓志さん(新潟研究会)
奨励賞:檜尾裕一さん(勝央研究会)・江上正生さん(ちくご研究会)

最新の酪農技術を幅広く学ぶ 帯広で「北海道酪農技術セミナー」

2017 年 11 月 7 日

Filed under: — djito @ 6:15 PM セミナー報告

s-北海道酪農技術セミナー-1
今回で7回目となる「北海道酪農技術セミナー2017」が11月7・8日に帯広市で開催され、北海道はもとより全国各地また海外から約700人が参加した。開催に先立ち、同セミナー事務局の武中慎治氏(メイプルズクレスト コンサルタント サービス)は「本セミナーは、さまざまなテーマを取り上げ、さまざまな職種の方々が集まるのが特徴。いかなる酪農情勢においても、生産効率を上げる飼養管理技術が重要であるゆえ、最新技術を幅広く学んでいただきたい」と挨拶した。

OPU-IVF(経膣採卵-体外受精)、繁殖担当者
セミナー初日は、プレ・コンファレンス・ワークショップとして、ファームノート社提供の『Farmnoteの製品ビジョンと導入事例』本多壮一郎氏・平勇人氏(ファームノート)、アイデックスラボラトリーズ社提供の『新しい妊娠確認の手段:乳汁中PAG(妊娠関連糖タンパク)検査の特徴とその活用方法』松井基純氏(帯広畜産大学)の講演が行なわれた。

その後、セッション1(繁殖関連)で、『OPU-IVFによる胚生産と胚移植について』金田義之氏(ノースブル 金田動物病院)は「SOV-AI(過排卵-人工授精)成績の良くない個体からでもOPU-IVF(経膣採卵-体外受精)により効率的な産子生産が可能である。後継牛を必要としない個体には、大量生産が見込めるOPU-IVFによる黒毛和種体外胚移植が効率的である」と解説した。
また、『THMSにおける授精業務とその戦略:リプロダクティブ・テクニシャンとしてのアプローチ』太田智享氏(トータルハードマネージメントサービス)は「当社の授精業務はチームで積極的に顧客農場に関与している。担当者が毎日、同じ農場に行く。繁殖を担当する農場従業員のような感覚でいることを心がけている」と解説した。

良質粗飼料、三つの炎症コントロール
セッション2(栄養・粗飼料関連)で、『粗飼料増産技術について』佐藤尚親氏(雪印種苗)は「良質粗飼料とは、生産面からは収量が多いもの、利用面からは乾物摂取量が多いもの。多収を得るには、牧草では草種・植生・品種・肥培管理・調製などの基本技術を確認・励行すること。コーンでは年次気象・病害やトラブルの備えと対応がポイントである」と解説した。
また、『移行期の栄養管理について』鈴木保宜氏(あかばね動物クリニック)は「移行期成功のための二つの要素は、三つの炎症(代謝性炎症、感染性炎症、亜急性ルーメンアシドーシス)をコントロールすること、低カルシウム血症をコントロールすることである」と解説した。

乳牛の健康と生産性に関わるアミノ酸製剤の使い方 味の素ヘルシーサプライ

2017 年 11 月 6 日

Filed under: — djito @ 11:27 PM セミナー報告

s-味の素セミナー

味の素ヘルシーサプライは11月6日、帯広市で「乳牛アミノ酸セミナー」を開催した。酪農家はじめ、乳牛栄養・飼料に関わるコンサルタント、獣医師、研究者、酪農現場担当者ら、約100名が参加した。
以下の3氏が、乳牛の健康および生産性に影響するアミノ酸について講演した。

周産期の乳牛の免疫と健康状態に影響を与える要因とそのリスクを減らす栄養管理技術法
―バリー・ブラッドフォード氏(米国カンサス大学・教授)

乳牛の疾病発症の50%以上は、分娩直後1週間以内に集中している。そのときは免疫機能が低下しているからである。
免疫機能の低下を改善する方法は、ボディコンディション、牛舎環境、抗酸化物質(ビタミンEやセレン)、陰イオン飼料の適正化などが知られている。
アミノ酸バランスも免疫機能の活性化および乳量の増加に関与することがわかっている。

AjiPro-L 第三世代製品の特性および米国での使用事例
―新里 出氏(味の素)

バイパスリジン製品を選ぶ際は、製品単価ではなく、有効リジン(乳牛が消化吸収して利用できるリジンが製品中にどのくらい含まれているのかを示す)単価で選ぶべきである。
AjiPro-L(バイパスリジン製剤) 第三世代製品は、第二世代品に比べ、小腸消化率が高まり、1日当たり給与(使用)コストは約20%削減されるようになった。
当社が推奨するAjiPro-Lの使い方は、
1 リジン要求量充足度をチェックする
2 代謝可能蛋白質(MP)要求量充足度をチェックする
3 リジン/MP比を確認する
そして、MP過剰の場合は、MPを減らす(リジン供給量は現状維持)。リジン充足度が低い場合は、AjiPro-Lを添加する。
リジンが第一制限になっている(足りていない)場合は、AjiPro-Lを上乗せ添加することにより乳量・乳成分の増加につながることから経済的に有効である。

高泌乳牛管理とAjiPro-L 使用事例
―藤井 雄一郎氏(北海道富良野市/藤井牧場 社長)

当牧場は総頭数960頭(搾乳牛500頭)、年間生産乳量5500t。
乳牛に最高の安楽性を提供すべくサンドベッド(砂の牛床)を2012年に導入。それより跛行および乳房炎が大幅に減少した。
乳牛が健康になり、出荷乳量が伸びるに従い、飼養管理の重要性が増してきた。そこでAjiPro-Lを2014年より給与試験した(泌乳初期の経産牛110頭に給与)。同時期に規模拡大で乳牛頭数(生産量)が2倍になったにもかかわらず、平均乳量が増加する、飼料コスト削減などのデータが得られた。現在は、高泌乳牛群に加え、乾乳後期牛群にも使用している。
高泌乳牛のポテンシャルを最大限に活かすためには、乳牛に負担をかけることなく、いかに健康に飼うかを意識した飼養管理が重要である。飼養管理がより高度化しているなかで、データに基づいた経営判断が必要であると実感している。

チーズが語る、熱い心

2017 年 11 月 2 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 10:13 AM イベント

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 一般社団法人中央酪農会議は11月1日、都内で第11回ALL JAPANナチュラルチーズコンテストを開催した。同コンテストは、日本人の嗜好に合ったチーズの製造や、わが国の気候風土に合った独自のナチュラルチーズ文化を創造し今後の生乳需要拡大を図ること、また国産ナチュラルチーズの製造技術の向上・消費拡大を目的としたもので、最終審査および表彰式が一般公開された。
 今回は、出品社数73社、アイテム数161作品のうち、非公開審査で金賞10作品が選ばれ、最終審査により上位4賞が決定された。受賞者および受賞作品名は以下のとおり。

【賞タイトル:受賞者名「受賞作品名」】
農林水産大臣賞:チーズ工房【千】sen「竹炭 濃厚熟成」
農畜産業振興機構理事長賞:ニセコチーズ工房(有)「ニ世古 椛[momiji]」
中央酪農会議会長賞:(有)冨田ファーム「ジャパンブルーおこっぺ」
審査員特別賞:TAK「コハク・クミン」

 最終審査を終えたチーズオフィス・ムー代表の村山重信審査員長は、「最終審査では各分野の先生達のチーズに対する話を聞いているだけで楽しかった。このコンテストにチャレンジしてくれたチーズ製造者達の熱い心を、チーズが語ってくれた」と、審査総括および感想を述べた。
 また、農林水産省大臣賞を受賞したチーズ工房【千】senの柴田千代さんは、「山里でも、一人でも、女性チーズ職人でも、この場に立てることを証明できたこと、すごく嬉しく思う。これからも誇りにしたい」と、喜びと感謝の気持ちを伝えた。

情報交換をより活発に 北海道TMRセンター連絡協議会

2017 年 11 月 1 日

Filed under: — djito @ 5:56 PM ニュース

北海道TMRセンター

北海道TMRセンター連絡協議会は11月1日、札幌市で定期総会を開催し、事業計画や予算などを話し合った。
開催に先立ち、佐々木二郎会長(浜頓別エバーグリーン)は「人材、草地更新、機械などの問題について行政と意見交換や政策提言も行なっているので、その内容も随時、会員の皆さんにお伝えしていく」と挨拶した。
同協議会は設立12年目を迎え、会員数は9月末現在で正会員68・賛助会員81。道内TMRセンターの約8割が参加している。

総会後、研修会を開催し、北の達人コーポレーションの木下勝寿社長が「北海道から世界へ~資金1万円から東証一部上場企業に~」、十勝バスの野村文吾社長が「お客さま密着!で、地域に貢献する十勝バスの経営~40年ぶりの利用者増加の実例~」、農水省飼料課の山下裕樹課長補佐が「平成30年度予算概算要求の概要」を講演した。
会員および関係者ら約240人が参加・研修した。

ほぼ保ち合いで85.5万円 ホクレン初妊牛相場 10月平均

2017 年 10 月 31 日

Filed under: — djito @ 1:16 PM 業界情報

市場10

ホクレン家畜市場・初妊牛相場の10月集計(速報)が、ホクレン酪農部家畜販売課より発表された。

10月については、暑熱期を脱し都府県を中心に更新を含めた導入需要が活発化する時期だが、出回り頭数は前月並みとなるなか、初妊牛導入に対する高値警戒感が継続され、平均価格は85万5000円(前月比9000円安・前年比4万4000円高)とほぼ保ち合いで推移した。

11月については、初妊牛の出回り資源は現状程度が予測され、更新ならびに春産みを見据えた導入需要が見込まれることから、強保ち合いで推移することが予想される。

酪農に関わる女性 集まれ! 酪農女性サミット2017

2017 年 10 月 25 日

Filed under: — djito @ 6:16 AM セミナー開催案内

酪農女性サミットA4チラシ完成(セット版)_ページ_1
酪農女性サミットA4チラシ完成(セット版)_ページ_2

酪農女性や酪農業界に関わる女性が集う「酪農女性サミット2017」(主催/酪農女性サミット実行委員会、共催/農水省北海道農政事務所)が12月5・6日に札幌市で開催される。
日程、参加申し込み方法は以下のとおり。

●1日目=12月5日(火)
13:15~17:00(受付開始12:45)
・基調講演「牛と出会ってからのこと。」冨田美穂(画家)
・ファッションショー「酪農をもっと楽しく!もっとおしゃれに!」
・パネルディスカッション「酪農女性のモチベーションUP!講座」
※懇親会18:00~ 札幌ハウス(札幌市北区北6条西6丁目3-1)

●2日目=12月6日(水)
09:15~12:00(受付開始08:45)
・講演「国際社会における日本酪農の近未来」小林国之(北海道大学准教授)
・ワークショップ「10年後の自分」

●定員:100人
●参加費:サミット6,000円(2日間通し)、懇親会4,000円
●申し込み
名前、電話番号、住所、性別、年齢、E-mail、牧場名/会社名、参加内容(サミット&懇親会/サミットのみ/懇親会のみ)を明記のうえ、実行委員・砂子田さんへFAX(01558-5-2620)にて。
Facebook「酪農女性サミット」からも申し込み可能。
●締め切り:11月22日(水)

オルテック国際シンポジウムONE2018

2017 年 10 月 23 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 3:00 PM セミナー開催案内

オルテック社は2018年5月、アメリカケンタッキー州で国際シンポジウムONEを開催する。2017年のシンポジウムでは、過去最多80カ国から約4000名が参加し、農業のみならず各業界に変革をもたらしうる新技術やビジネスマネジメントに関する講演や各畜種毎の最新研究事例や最新トピックを紹介する講演など、合計70以上ものプレゼンテーションが3日間にわたって提供された。
【概要】
日程:2018年5月20日~23日
場所:レキシントンコンベンションセンター(アメリカ、ケンタッキー州、レキシントン)
詳細:11月1日までの登録で600ドル割引に。講演テーマや講演者の詳細は2018年初旬より順次公開。昨年の講演はideas.alltech.comより見ることができる。
【問い合わせ】
オルテック・ジャパン合同会社 担当:森田
福岡県福岡市中央区天神3-3-5天神大産ビル4階
TEL 092-718-2288 FAX 092-781-6355

乳房炎防除への将来展望

2017 年 10 月 18 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 11:30 AM セミナー報告,ニュース

日本乳房炎研究会は10月6日、都内で「第22回日本乳房炎研究会学術集会」を開催した。同学術集会は『乳腺免疫の最新知見と乳房炎防除』と題し、農研機構・動衛研の林智人氏の座長のもと、下記の講演が行なわれた。また、ポスター演題は全国から11題の発表があった。

基調講演 「乳腺免疫のユニーク性と乳房炎予防に向けた新概念の構築」
 東北大学大学院農学研究会 野地智法氏
講演1 「乳房炎防除のための自然免疫機能の利用」
 広島大学大学院生物圏科学研究科 磯部直樹氏
講演2 「乳房炎由来菌のバイオフィルム形成能と慢性関係」
 北海道中央農業共済組合 山下祐輔氏

なお、当日の発表演題の中から第22回日本乳房炎研究会学術集会?居百合子学術賞が2題選ばれた。受賞演題は以下のとおり。
臨床研究部門
 スコア?臨床型乳房炎を発症した原因菌発育陰性牛への対応
 ○佐藤太郎・後藤 洋・三浦道三郎・近藤寧子・赤松裕久・田中秀和・藤田宏子・
 渡邉あい子・三好志朗・宮田雅章・荒木香里・磯部直樹†・篠塚康典・河合一洋
 (Bovine Mastitis Research (BMR)、†広大院生物圏)
基礎研究部門
 乳房温度上昇にともなう乳腺上皮細胞の乳分泌能とバリア機能の変化に関する基礎研究
 ○小林 謙・津上優作・松長康太・鈴木貴弘・西邑隆徳(北大院農)

地域生産基盤強化支援事業の実施状況と今後の推進:Jミルク

Filed under: — Yayoi Uruno @ 11:00 AM ニュース

Jミルクは10月17、平成29年度からの3カ年授業「酪農乳業産業基盤強化特別体先事業」のうち、指定団体およびその直接の会員団体を事業実施主体とする「地域生産基盤強化支援事業」について実施計画をまとめ、公表した(https://www.j-milk.jp/gyokai/seisankiban/hn0mvm0000003wrv-att/a1508283201702.pdf)。

公表によると、8月末までに事業実施主体となる指定団体および指定団体の直接会員からの計画申請を受け審査会を開催。とくに事業実施主体から提案のあった「提案型生産基盤強化対策」について採択の可否を審査し決定した。

課題として、「提案型生産基盤強化対策」では、国等の補助事業が細部にわたり措置されているなか、新規の事業構築が困難。本年度は事業費の2分の1以上を事業実施主体の自主財源と組み合わせて取り組むこととしたため、農協等で財源を措置できない場合は事業実施が困難。一律の助成上限設定(500万円)では、酪農家戸数が多い事業実施主体においては十分に事業を活用できない場合がある、などがあげられる。

Jミルクは事業全体の課題として、地域の生産者団体が事業に参画しなければ当該地域の酪農家は受益できず、所属する地域または組織による格差が用事ることがあげられる。以上を踏まえ30年度以降の事業の推進については、12月中に事業内容を生産者団体に告知できるよう、早期に改善のための検討を開始するとしている。

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