酪農乳業界の価値をもう一段高めよう

2018 年 1 月 9 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 3:40 PM ニュース

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日本乳業協会など乳業13団体は1月9日、都内で平成30年合同新年賀詞交歓会を開催し、酪農乳業関係者約1000名が2018年のスタートを祝った。
開会に当たり宮原道夫会長は、昨年の酪農乳業界の明るい話題として「北海道での生乳生産が夏以降約1年振りに回復した。また今年の生乳増産を担う2歳未満の乳雌牛が増加している」と述べた一方、「都府県においては生乳生産の減少になかなか歯止めがかからず、国内生乳生産基盤の回復にはまだほど遠い状況」と懸念点を指摘した。「業界として自主的な対策を講じていくところではあるが、国としても現在推進中の施策の実効性の向上に加え、後継牛確保を図るための前例にとらわれない抜本的効果的な対策を検討してもらうようお願いする」と述べた。
また宮原会長は、日本乳業協会が2018年に取り組む五つの重点課題として「品質および安全性の向上による消費者の安心・信頼の確保」「牛乳乳製品の普及啓発」「乳業事業の改善」「国際化の進展への対応」「環境リサイクル対策の推進」をあげた。そのうち「品質および安全性の向上による消費者の安心・信頼の確保」について、「具体的には今年の通常国会で成立が見込まれるHACCPの制度化への対応を進めていく。学校給食用牛乳の異風味の問題については、あたかも乳業工場の衛生品質管理の不調が原因かのような報道がなされることが少なくないが、HACCPへの対応により業界をあげて品質向上に取り組んでいる姿勢を明確に打ち出し、外部に積極的にアピールすることでこれらを払拭する一つの材料にしていきたいと考えている」と強調し、「2018年も課題は山積しているが、将来をしっかりと見据えたうえで方向性を探り、課題を一つずつ解決していくことで酪農乳業界の価値をもう一段高めようではないか」と、会場に呼びかけた。

弱保ち合いで82.4万円 ホクレン初妊牛相場 12月平均

2017 年 12 月 28 日

Filed under: — djito @ 6:16 AM 業界情報

市場12

ホクレン家畜市場・初妊牛相場の12月集計(速報)が、ホクレン酪農部家畜販売課より発表された。

12月については、上場の一部が春分娩となり、全国的に需要が活発化する時期となるが、初妊牛出回り頭数の増加に加え、価格高騰への様子見感から平均価格は82万4000円(前月比8000円安・前年比12万6000円安)と弱保ち合いで推移した。

1月については、初妊牛導入への高値警戒感の継続が見込まれるが、出回りの中心が春分娩資源に移行し、需要の活発化も予測されることから、保ち合いから強含みでの推移が予想される。

第15回全日本ホルスタイン共進会 九州・沖縄ブロック大会 2020

2017 年 12 月 25 日

Filed under: — djito @ 6:16 AM 共進会開催案内

2017-12-22第15回全共

標記共進会実行委員会作成のポスター

100人超の酪農女性が一堂に 酪農女性サミット

2017 年 12 月 5 日

Filed under: — djito @ 6:14 PM ニュース

酪農女性サミット

酪農女性や酪農業界に関わる女性が集う「酪農女性サミット2017」(主催/酪農女性サミット実行委員会、共催/農水省北海道農政事務所)が12月5・6日に札幌市で開催。
北海道内外から定員100名を大幅に上回る170名が参加した。

開催にあたり実行委員長の砂子田円佳さんは「このサミットは、日頃なかなか外出できない酪農女性が集まって学ぶ場。このサミットで得たワパーを仕事につなげていただきたい。皆さんの今の笑顔が、もっとキラキラになるようにしたい」と挨拶した。

初日はまず、版画家であり牧場従業員の冨田美穂さん(小清水町在住)による「牛と出会ってからのこと。」と題した基調講演が行なわれ、作品にまつわる乳牛や牧場のエピソードが紹介された。
「牛は本当にかわいいし、酪農家はかっこいいし、素敵な人ばかり。誇りをもって仕事に励んでいただきたい」と冨田さんは語り、参加者はうなずきながら聞き入った。

次に、Stron・gyu(別海町・酪農女子同盟)とプラノ(仕事用品店)によるファッションショー「酪農をもっと楽しく!もっとおしゃれに!」が行なわれ、Stron・gyuのメンバーがモデルとなり、お勧めコーディネートや新作作業着を披露した。

その後、パネルディスカッション「酪農女性のモチベーションUP!講座」が行なわれた。
パネリストは遠藤裕子さん(士幌町・遠藤牧場)、岩本実季さん(網走市・岩本牧場)、渡辺有紀さん(別海町・酪農ヘルパー)、コーディネーターは久富聡子さん(ハードサポート・酪農コンサルタント)。
各パネリストが日々の仕事や、やる気スイッチなどについて発表した後、仕事・生活・家庭・育児・親などについて体験や意見を話し合った。

※続報はDairy Japan 2月号で。

酪総研シンポジウム 2月に札幌で

2017 年 12 月 1 日

Filed under: — djito @ 3:24 PM セミナー開催案内

雪印メグミルク酪農総合研究所は2月に札幌市で、「酪農現場の“カイゼン”を考える2~牛づくりにおけるロスとその対策~」をテーマとした酪総研シンポジウムを開催する。
■日時:2018年(平成30年)2月1日(木)13:00~17:00
■場所:第二水産ビル8階大会議室(札幌市中央区北3条西7丁目)
■講演内容
1 「高泌乳牛の繁殖成績の現状とその改善について考える」
 堂地修氏(酪農学園大学 農食環境学群 循環農学類 家畜繁殖学 教授)
2 「母牛と子牛のための分娩管理」
 石井三都夫氏(石井獣医サポートサービス 代表取締役)
3 「カウコンフォートの経済効果と未来」
 椋本正寿氏(北海道農政部 生産振興局 技術普及課 畜産試験場技術普及室 上席普及指導員)
■参加無料、定員300名
■申し込み方法:同社ホームページの「参加申込書」にてFAXで。
HP:http://rakusouken.net/index.htm FAX 011-704-2417

一段値を下げ83.2万円 ホクレン初妊牛相場 11月平均

Filed under: — djito @ 9:03 AM 業界情報

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ホクレン家畜市場・初妊牛相場の11月集計(速報)が、ホクレン酪農部家畜販売課より発表された。

11月については、出回り資源は先月並みとなるなか、初妊牛導入に対する高値警戒感により、平均価格は83万2000円(前月比2万3000円安・前年比1万4000円安)と一段値を下げて推移した。

12月については、初妊牛の出回りは現状程度となり、通常の更新需要と上場が予想される春産みへの需要の重複が見込まれることから、強保ち合いで推移することが予想される。

酪農で初のJGAP認証を取得 Kalm角山

2017 年 11 月 25 日

Filed under: — djito @ 11:00 AM ニュース

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搾乳ロボット8台で増産中のKalm角山(北海道江別市、百瀬誠紀代表取締役)は11月、酪農で初となるJGAP(適正農業規範)認証を取得した。JGAPは食の安全や環境保全に取り組む日本の農場に与えられる認証制度であり、畜産版は今夏に運用がスタートしたばかり。

同牧場は、サツラク農協組合員5戸によって設立され平成25年に稼働。480頭収容のフリーストール牛舎に、国内最多となる8台の搾乳ロボットを装備し、従業員12名で増産を続けている。昨年度の出荷乳量は4579t、今年度は5000t超が見込まれる。また牧場は昨年7月に、農場HACCP認証も取得している。

●HACCPは幹の認証、GAPは枝葉の認証
農場HACCPとGAPついて同牧場の川口谷仁専務取締役は、「前者は牧場の健全運営に対するシステム認証、後者は適正農場の生産物に対する製品規格認証だ。ゆえに木に例えるならば、牧場運営という幹にHACCP認証がなされ、そこに生い茂る枝葉(生産物)にGAP認証がなされることで、大きな約束と信頼を得らえる木ができる」とそれらの取得意義について語る。

●迅速な取得は支援メンバーのおかげ
同牧場のJGAP取得は、9月に書類申請、10月に現地審査、11月13日に認定と、極めて迅速に進行した。それには、農場HACCP認証農場はJGAP畜産版基準のうち、畜産物安全性と家畜衛生の基準項目を免除されるという理由ばかりでない。あとの基準項目である、労働環境、アニマルウェルフェア、環境保全などについては、「農協、専属の管理獣医師、社労士はじめ、農場を日頃から支えてくれるメンバーのおかげで、既存データをJGAP認証基準に沿って集約することで申請作業ができた」と川口谷専務は言う。

●取得メリットの第一義は利益優先にあらず
農場HACCPとGAPの取得メリットについて川口谷専務は、「どちらが利益(お金)につながるかということを議論しがちだが、それを先に考えると、本来の目的がくるってしまう」と言う。メリットの第一は、「より良い牧場運営ができ、各自がプライドを持って仕事ができる職場環境ができ、事業体として成長していけること」と指摘。次に、「JGAP認証の取得でサツラクの牛乳乳製品に対して消費者のプラスイメージが生まれるし、顔の見える商品も作っていける」と今後の活用を語る。

●安全・安心から約束・信頼へ
「間違いなく日本の牛乳乳製品は安全・安心だ。だが、その裏づけを問われると説明に手間取ることもある。そこで農場HACCP、JGAPが活かされる。牧場の運営・生産記録をいつでも開示できることを消費者に約束し、信頼を得ることができる。これからは、安全・安心から約束・信頼へとシフトしていくだろう」と川口谷専務は語る。

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TMRセンター同士が情報交換 十勝TMRセンター連絡会議

2017 年 11 月 22 日

Filed under: — djito @ 3:28 PM ニュース

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十勝管内の全TMRセンター(15軒)が参画する十勝TMRセンター連絡会議は11月22日、帯広市で研修会を開催し、会員TMRセンターはじめ関係機関から多数が参加した。

開催にあたり山本利浩会長(広尾町/サンタドリームサプライ)は「研修会を通じて仲間を作り、情報交換しながら良いエサを収穫し、切磋琢磨しながら生産を上げて、当連絡会議を盛り上げていきたい」と挨拶した。

その後、2軒の会員TMRセンターが運営状況を発表した。
JA上士幌TMRセンターは、構成牧場20戸、搾乳牛頭数は約2500頭、製造TMRは搾乳用3種類と乾乳用2種類。サイレージ品質の均一化・安定化などの効果により、1頭当たり日乳量は平成24年で27.2kgだったのが同29年には33.0kgに増えた。今後の課題は、大型バンカーサイロ46基のシート被覆作業時の人手不足、TMRセンターの規模拡大など。

更別TMRセンターは、構成牧場10戸、搾乳牛頭数は約700頭、製造TMRは搾乳用3種類と育成乾乳用1種類。粗飼料の品質・量が安定することで個体乳量が増え、同センター構成牧場の出荷乳量シェアは設立時の平成22年は24.2%だったのが同27年には30.9%に増えた。今後の課題は、粗飼料収穫作業を外部委託するなかで適期収穫していくこと、構成牧場が世代交代するうえでTMRセンターも円滑に運営継承してくことなど。

その後、5班に分かれて意見交換会が行なわれた。TMR単価設定方法、構成員による出役の課題、畑作農家へのコーン委託栽培の状況と金額などが話題に上がり、貴重な情報が交わされた。

ゲノム評価が酪農産業を変えた 北海道アルバータ酪農科学技術交流会セミナー

2017 年 11 月 21 日

Filed under: — djito @ 6:54 PM セミナー報告

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北海道アルバータ酪農科学技術交流会は11月21日、酪農学園大学で海外農業技術セミナーを開催した。乳牛遺伝改良の研究者や技術者、関係者などが多数参加した。
講師はカナダのパトリック・ブロンディン氏で、演題は「カナダにおける乳牛のゲノム評価とOPU-IVFの現状」。同氏はSEMEX社の生殖研究および経営部門副責任者で、家畜繁殖とくに胚移植の専門家。

ブロンディン氏は「ゲノム評価の導入で酪農産業は大きく変わった」と前置き。ゲノミック評価が導入された2010年前後を比較すると、種雄牛の世代間隔は大幅に短くなり、雌牛の乳量・乳成分・生産寿命は急激に伸び、体細胞数は下がり、娘牛の妊娠率は大きく向上したことを示した。
また、受精卵を作る際、1回の採卵で複数の種雄牛の交配(混合精液)も可能となり、受精卵の段階でどの掛け合わせが良いのかも判断できるようになったことも紹介した。

さらに、IVF(体外受精)が増え続けていること、IVFで成功するために大事なこと、などを解説した。

※詳報はDairy Japan 1月号で。

明治のイノベーションの中核拠点

2017 年 11 月 16 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 4:30 PM ニュース

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(株)明治は11月15日、都内で明治イノベーションセンター竣工披露式を開催した。当日は工場見学や報道関係者向けに記者会見が行なわれた。
 同社の研究所は神奈川県小田原市と埼玉県鶴ヶ島市にあり、小田原市では乳・乳製品、鶴ヶ島市菓子の研究をそれぞれ行なってきた。この度、研究開発、商品開発の一層の強化を図ることを目的として、これら研究開発機能を統合し、東京都八王子市の明治イノベーションセンターに移転・集約した。

詳細は2018年1月号で。

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