最新の酪農技術を幅広く学ぶ 帯広で「北海道酪農技術セミナー」

2017 年 11 月 7 日

Filed under: — djito @ 6:15 PM セミナー報告

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今回で7回目となる「北海道酪農技術セミナー2017」が11月7・8日に帯広市で開催され、北海道はもとより全国各地また海外から約700人が参加した。開催に先立ち、同セミナー事務局の武中慎治氏(メイプルズクレスト コンサルタント サービス)は「本セミナーは、さまざまなテーマを取り上げ、さまざまな職種の方々が集まるのが特徴。いかなる酪農情勢においても、生産効率を上げる飼養管理技術が重要であるゆえ、最新技術を幅広く学んでいただきたい」と挨拶した。

OPU-IVF(経膣採卵-体外受精)、繁殖担当者
セミナー初日は、プレ・コンファレンス・ワークショップとして、ファームノート社提供の『Farmnoteの製品ビジョンと導入事例』本多壮一郎氏・平勇人氏(ファームノート)、アイデックスラボラトリーズ社提供の『新しい妊娠確認の手段:乳汁中PAG(妊娠関連糖タンパク)検査の特徴とその活用方法』松井基純氏(帯広畜産大学)の講演が行なわれた。

その後、セッション1(繁殖関連)で、『OPU-IVFによる胚生産と胚移植について』金田義之氏(ノースブル 金田動物病院)は「SOV-AI(過排卵-人工授精)成績の良くない個体からでもOPU-IVF(経膣採卵-体外受精)により効率的な産子生産が可能である。後継牛を必要としない個体には、大量生産が見込めるOPU-IVFによる黒毛和種体外胚移植が効率的である」と解説した。
また、『THMSにおける授精業務とその戦略:リプロダクティブ・テクニシャンとしてのアプローチ』太田智享氏(トータルハードマネージメントサービス)は「当社の授精業務はチームで積極的に顧客農場に関与している。担当者が毎日、同じ農場に行く。繁殖を担当する農場従業員のような感覚でいることを心がけている」と解説した。

良質粗飼料、三つの炎症コントロール
セッション2(栄養・粗飼料関連)で、『粗飼料増産技術について』佐藤尚親氏(雪印種苗)は「良質粗飼料とは、生産面からは収量が多いもの、利用面からは乾物摂取量が多いもの。多収を得るには、牧草では草種・植生・品種・肥培管理・調製などの基本技術を確認・励行すること。コーンでは年次気象・病害やトラブルの備えと対応がポイントである」と解説した。
また、『移行期の栄養管理について』鈴木保宜氏(あかばね動物クリニック)は「移行期成功のための二つの要素は、三つの炎症(代謝性炎症、感染性炎症、亜急性ルーメンアシドーシス)をコントロールすること、低カルシウム血症をコントロールすることである」と解説した。

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