明治が北海道生乳の調査研究成果を「IDFサミット2012」で発表

2012 年 11 月 6 日

Filed under: — admin @ 5:40 PM ニュース

株式会社明治は5日、北海道生乳の調査研究成果について、南アフリカ国ケープタウンで開かれているIDF(国際酪農連盟)主催の「ワールドデイリーサミット2012会議」で発表する、とリリースした。

内容は、2006年から2011年の5年間、北海道大学内に開設した「明治乳業寄付研究部門:乳の価値創造研究」で行われた成果で、北海道内の乳牛の飼養形態と生乳の理化学特性の分析・調査を通して科学的に解明したもの。

北海道内の地域ごとの酪農を、都市近郊型、草地型、畑作型と3つに分類し、飼養形態ごとに生乳の脂肪酸組成や成分含量が異なり、特徴的であることなどを明らかにした。

北海道内の多くの牧場を対象としたもので、同社では、このような大規模なフィールドでの調査は世界的にも少なく価値あるものとしている。

「メタン発酵処理を取り巻く現状と課題」 情報交換会(上)

2012 年 11 月 5 日

Filed under: — admin @ 7:59 PM セミナー報告,ニュース

農研機構畜産草地研究所と中央農業研究センターは5日、同研究所で「平成24年度家畜ふん尿処理利用研究会」を開き、関係者ら約150名が集まった。これは、家畜ふん尿処理方法の一つとしてすでに実用化されているメタン発酵において、今後の発展方向、現実的な課題などを検討し合うもの。

基調講演1では「バイマスをめぐる現状と課題」と題し、農水省バイオマス推進室長の山田耕士氏が、バイオマス関連の政策目標・事業化戦略などを報告。東日本大震災の経験から、農山漁村資源を活用した分散型エネルギー供給体制の整備が課題としたうえで、事業化に向けた入口から出口までの一貫体系の戦略などを示し、サンエイ牧場(北海道)のバイオガス施設の事例を紹介した。

基調講演2では「農山漁村における再生可能エネルギー発電をめぐる情勢を畜産業」と題し、農水省畜産環境・経営安定対策室の金澤正尚氏が、再生エネルギーの固定価格買取制度(FIT:2012年7月施行)などを話した。その発電事例として、酪農地帯における太陽光利用、家畜排せつ物利用のメタン発酵などを紹介し、それぞれメリットとデメリットを示した。同時に、排水処理など環境負荷を下げるための努力が引き続き必要などと述べた。

ホクレン農業総合研究所顧問の松田従三氏(元北大教授)は「バイオガス事業の今後の展開」と題して講演。「家畜ふん利用のバイオガス発電は発電時のCO2排出量が大きく削減されるほか、発電量が安定していることが特長。ふん尿の悪臭低下とともに、消化液の土地循環ができる。さらに消化液を固液分離し、固形分を敷料に使えるメリットが大きい」と述べ、北海道内の酪農場のバイオガス施設などを紹介した。そのうえで、償還年数から考えて、補助金がないと売電収入だけでは経済的に成立せず、生産物の総合的な利用によってのみ成立するとの試算を示し、最大の課題は送電線容量であり、将来的には熱利用も考えるべきと締め括った。

「士幌町におけるバイオガス事業の展開」と題し、北海道士幌町の高木康弘氏が町内の3基のバイオガス施設の取り組みを報告した。メリットは、ふん尿処理作業が大幅に軽減されること、悪臭が殆どなくなること、即効性の高い液肥化などをあげた。課題は建設費、修繕費などとし、今後はFITによる普及、バイオメタン、コージェネレーションなどに期待しているとした。新たな展開としてJAが事業者となり、さらに4基が稼働予定とのこと。

最後に「バイオマス発電とエネルギー化の最新研究動向」と題し、農研機構バイオマス研究統括コーデチィーターの薬師堂謙一氏が講演。バイオガス事業化戦略は、基本的に堆肥・液肥による肥料利用を前提としているとし、消化液が利用な可能な地域でのメタン発酵では生ゴミや食品残渣との混合処理が推進されると述べた。都府県では消化液の施用先として水稲の追肥利用などにも可能性があると示唆し、その施用事例などを報告した。また将来的に売電価格が下がることを計画に織り込むべきとした。さらに、畜草研が開発した吸引通気方式でのふん尿資源の現場利用例などを示した。

講演後、総合討論が行われた。(文責:関東支局)

関連増刊号:「もっと知りたい環境対策」Dairy Japan 2010年10月

雪印こどもの国牧場「牧場まつり」開催

2012 年 11 月 3 日

Filed under: — Ryoichi Maeda @ 4:36 PM 未分類

11月3日(祝)神奈川県横浜市青葉区・雪印こどもの国牧場にて、恒例の「牧場まつり」が開催された。少々秋の肌寒さを感じる気候ではあったが、昼前には大勢の家族連れで賑わった。この日はおなじみの「乳搾り体験」「バター作り教室」などの人気体験コーナーはもちろん、牛乳の素晴らしさを紙芝居と講話で伝える「紙しばいと牛さんのおはなし」や、雪印メグミルク商品の試食・試飲会などのPRイベントも加わり盛りだくさんの内容で来場者を楽しませた。試飲会では牛乳の試飲のほかに、きなこ、オレンジジュース、酢などを入れての「牛乳まぜ飲み」などもあり、参加者の興味を引いており好評であった。バター作り教室は三部ともすぐに定員になってしまい、家族が一体となって楽しめるイベントとして相変わらずの大人気ぶりが覗えた。この日は雪印メグミルク(株)・佐藤幸吉代表取締役副社長も自らそれぞれのイベントに参加しで来場者を出迎えていた。なお牧場まつりは、明日4日(日)も9:30より16:30で開催される。

「ジャパン フード フェスタ 2012」(農水省:主催)が始まる

Filed under: — admin @ 3:36 PM ニュース,業界情報

農水省は3日、東京・有楽町および丸の内周辺を会場に、食の総合展「ジャパンフードフェスタ(食と農林漁業の祭典)」を開始した。3日(土)は、オープンニグイベントとして、全国から食と農林漁業の団体や企業が集まり、生産者と消費者の絆を強める催しが開かれた。

開催挨拶には、郡司彰農水大臣が挨拶(写真上)した後、全国77の高校からエントリーがあり、9校が勝ち残った「ご当地!絶品うまいもん甲子園」が開かれた。農水大臣賞は京都府の桂高等学校に授与されたが、東北代表の宮城県立農業高等学校(宮城県)は、牛乳や地元農産物を使った料理「農高(濃厚)ミルクトローネ」を披露した(写真下)。同校は東日本大震災による被害で校舎が使えず、仮設校舎での授業を乗り越えて参加したもの。

各エリアは「東北の恵み」「農林漁業学園(大学生による農業・食の大文化祭)」「各界の料理人たちのコーナー」などに分かれ、4日(日)には「牛からいただく大地の恵み」をテーマに乳搾り体験などが予定されている。

食と農林漁業の祭典は、
1:ファーマーズ&キッズフェスタ(11月10から11日)
2:アグリビジネス創出フェア(11月14から16日)
3:農林水産祭(11月23日)
などの開催が予定されている。(文責:関東支局)

 

平成24年度第2回東京都畜産技術連盟研修会

2012 年 11 月 2 日

Filed under: — maetomo @ 10:03 AM ニュース

中央畜産会は10月31日、都内で東京都畜産技術連盟研修会を開催した。研修会は、飼料穀物供給の課題をテーマに開かれた。株式会社食糧マネージメントサポート・高井通彰氏は「穀物市況の現状と見通し?米国を襲った半世紀ぶりの大干ばつの影響は?」を講演し、米国におけるトウモロコシ、大豆の穀物生産状況、需給状況を報告した。同氏は講演で、「今年(平成24年)は56年ぶりの大干ばつで、トウモロコシは前年比26%減産した。こうした供給不足に需要増加が加わっていて、今後5年間は穀物の供給不足が続くと見られる」と解説した。

また、農林水産省・伊佐雅裕畜産危機管理調整官は「配合飼料価格高騰対策について」講演し、「水田や休耕地の有効活用による飼料生産の増加や未利用資源の利用拡大などで、平成32年度までに飼料自給率を38%に高め、穀物相場に翻弄されない足腰強い畜産への転換を推進していきたい」と述べた。

北海道TMRセンター連絡協議会が研修会

Filed under: — djito @ 6:30 AM ニュース

北海道TMRセンター連絡協議会は1日、札幌市内で第7回定期総会と研修会を開催し、道内各地のTMRセンター会員、関係者ら約220人が参加した。

総会で近藤三男会長(オコッペフィードサービス)は「東北地方への粗飼料支援としてトレーラー115台、約3300個の乾草やラップサイレージを輸送した。その活動を引き続き行ない、今後は細断サイレージも含めた粗飼料の広域流通について可能性を検討していきたい」と挨拶し、来年度の事業内容および予算などが審議された。

その後の研修会では「北海道の第1次産業と経済」をテーマに、道内コンビニエンス・ストア・チェーン大手であるセイコーマートの丸谷智保社長が「北海道の資源を活かす経営」、北海道銀行・産業戦略部の西山泰正部長が「新時代のアグリビジネス」、農水省・畜産部・畜産振興課の大野高志課長が「飼料をめぐる情勢」と題して講演した。

【北海道TMRセンター連絡協議会】
北海道内でのTMRセンター設立に対して情報提供などを行なうとともに、各TMRセンターが、お互いの意見交換や共通の課題の発見・解決に取り組むことなどを目的として平成18年に設立された。
法人正会員数41、個人正会員数10、賛助会員数51(今年10月末時点)。
事務局はオーレンス総合経営・札幌支社内。HP=http://hokkaido-tmr.jp/

※詳報はDairy Japan 12月号で

透明ラップ・フィルム

Filed under: — maetomo @ 6:16 AM 未分類

宗谷管内のK牧場の1番牧草ラップサイレージです。
K牧場は、採草地の7割をサイレージに、3割を乾草に調製しています。

注目は、この「透明ラップ・フィルム」です。
K牧場は今年から使って、色付きフィルムと比較しているそうです。
今のところ、「サイレージ出来上がりは、白フィルム、黒フィルムと何ら遜色がない」とのことでした。

ホクレン家畜市場:10月初妊牛平均価格は49万円で値上げ基調

2012 年 11 月 1 日

Filed under: — djito @ 6:38 PM 業界情報

ホクレン家畜市場の初妊牛相場10月集計分が、ホクレン酪農部・家畜販売課より発表された。

10月については、出回り頭数が増加する下牧時期であるが、暑熱期を過ぎた更新需要が確保されたことから、平均価格は49万円(前月比6000円高・前年比1万3000円高)と値上げ基調での推移となった。

11月については、通常の回転需要を中心に一定量の需要が見込まれるなか、出回り資源は現状程度もしくは減少が予測されることから、強含みの推移が予測される。

全共・北海道大会は3年後の10月23日から26日に開催決定

2012 年 10 月 31 日

Filed under: — djito @ 5:05 PM ニュース

第14回全日本ホルスタイン共進会(以下、全共)北海道実行委員会が31日、札幌市内で開催され、同全共北海道大会は平成27年10月23日から26日の4日間、安平町早来の北海道ホルスタイン共進会場で開催することが決まった。

前回の第13回全共も平成22年10月に北海道での開催を予定していたが、口蹄疫の発生により次年度へ延期されたものの、平成23年3月に東日本大震災が発生したことで中止となった。
しかし、再度の北海道での開催要望が強いことを受けて、主催者である日本ホルスタイン登録協会は第14回全共を北海道で開催することを6月に決定していた。
そこでこのたび、その準備にあたる組織として同委員会が設立され、開催方針などが決定された。

同委員会は、北海道、安平町をはじめ、北海道農協中央会、ホクレン、地区農協連などの農業団体、人工授精事業体、関連団体など29団体で構成され、会長は北海道知事が務める。
事務局は北海道ホルスタイン農協内に置かれる。

写真=第14回全共北海道実行委員会設立にあたり、これまでの経過を説明する北海道ホルスタイン農協の北良治組合長

生乳需要全体の底上げが課題

Filed under: — maetomo @ 2:10 PM ニュース

j-milkは10月31日、平成24年度第3四半期までの生乳需給の見通しを発表した。これによると第3四半期の生乳生産は北海道で97万t (101.3%)と前年を上回るものの、全国では186.4万t(100.5%)とほぼ前年並みになる見通し。

一方、生乳需要は牛乳等向けが99.2%と微減し、乳製品向けは102.1%と増加する見通し。牛乳需要は震災の影響で比較的堅調だったものから、例年の縮小トレンドに戻ると見られる。乳製品向けはクリームやチーズなど、その他乳製品向けが好調で、特定乳製品向けは前年並みになると見られるが、バターについてはカレントアクセス分に加え、2000tの追加輸入が行なわれたことなどから年末の需要期を乗り切れると予測した。ただし、消費減もその要因の一つであり、安定した酪農乳業の発展には、生乳需要全体の底上げが課題だとした。

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