酪農現場での取り組みと成果を報告 北酪検「検定員中央研修会」

2013 年 3 月 1 日

Filed under: — admin @ 9:06 AM ニュース

北海道酪農検定検査協会と乳用牛群検定全国協議会は28日、札幌市内で「平成24年度 検定員中央研修会」を開催し、全道から検定員をはじめ、検定組合および検定事業関係者など約350名が参加した。
以下の4名が講演した。

根室農業改良普及センターの吉田忠主査は「乳検データを活用して! FAC活動・肢蹄改善活動」と題し、家畜人工授精師に乳牛の健康知識を習得してもらい、牛体をモニターして乳成分と照らし合わせることで問題の原因究明、改善につなげた取り組みについて報告した。また、肢蹄の健康な牛は全体の半分しかいないこと、肢蹄の悪い牛は選び喰いしていること、改善に向けてのチェック・ポイントなどを報告した。

JA道東あさひ・上春別支所の検定農家である橋本昭雄氏は「我が家の酪農経営と乳検」と題し、「牛が喜んで食べるエサを作る」ための取り組みとして、コーンサイレージを活用した粗飼料体系、輪作体系による草地更新、雑草防除の徹底による植生維持、サイレージ発酵品質の向上などを報告した。また、「牛が食べやすい環境を作る」ための取り組みとして、牛をよく見て対話すること、乾物摂取量を向上させて無理なく乳を搾ること、カウコンフォートを向上させてストレスを低減することなどを報告した。そして、それらの取り組みの結果が、乳検成績の数字となって表れると語った。

農水省家畜改良推進課長補佐の外山高士氏は「乳用牛改良をめぐる情勢について」と題し、最近の乳用牛改良をめぐる情勢、後代検定事業をめぐる情勢、平成25年度予算の概要を報告した。経産牛1頭当たりの年間乳量は、年約75kg(H元-H23)で伸び続けているが、その中身が変化し、以前は、飼養環境の改善による効果が大きかったが、近年は、ほとんどが乳用牛の遺伝的な改良によるものであることなどを解説した。

トータルハードマネージメントサービス・代表の黒崎尚敏獣医師は「臨床獣医師の立場から…/哺育、繁殖、周産期における5つのキーワード」と題し、哺育育成の5つのC(Colostrum:初乳、Calories:カロリー、Cleanliness:清潔、Comfort:安楽性、Consistency:一貫性)、繁殖パフォーマンス向上5つのポイント(乾乳および周産期の管理、発情発見、初回授精、再授精、繁殖管理の道具立て)、周産期危険因子ビッグ5(飼槽スペース、フリーストール表面、フリーストールサイズ、分娩房への移動、観察方法)を解説した。

時間をズラして少しでも働きやすく

Filed under: — maetomo @ 5:00 AM 未分類

十勝管内のΩ牧場では従業員の確保に悩んだ時期があったといいます。
ハローワークへ求人を出したとしても、酪農のキツいイメージがあるのに加えて、
朝の仕事開始時間が早いこともあり、なかなか応募がなかったそうです。

そこで、Ωさんは、「それなら朝の開始時間を少し遅くしたら…」と考え、
求人に掲載する朝の搾乳開始時間を、従来より1時間遅い6時からにしたそうです。
そうしたところ、以前より多くの応募がくるようになったと教えてくれました。

朝の搾乳開始時間を変えたため、はじめのうちは牛に影響はあったものの、
夕方の搾乳も1時間遅らせたことで、牛もそれに順応してくれたといいます。
しかし、搾乳時間を変えるためには、集乳の時間も考慮すべきで、
そこは農協に掛け合い、午後の集乳に変更してもらうことができたそうです。

Ωさんは「タイミングが良かったから時間を変えれた。運が良かった」と、
そのときに応募してくれた従業員と、今も息を合わせて牛を飼っています。

道内の優秀検定員11名を表彰 乳検全国協議会

2013 年 2 月 28 日

Filed under: — djito @ 1:14 PM ニュース

乳用牛群検定全国協議会は28日、札幌市内で「平成24度 優秀検定員表彰式」を行なった。
今年度の表彰者は、全国で28名のうち、北海道では以下の11名(敬称略、カッコ内は所属)。

山崎明夫(そらち南地区乳検組合)、吉村真範(ふらの乳検組合)、上居哲也(日高町乳検組合)、渋田亨(大樹町農協)、三木加代子(芽室町乳検組合)、千葉美智子(標茶町乳検組合)、由利泰房(道東あさひ農協)、飯島章雄(計根別乳検組合)、桶屋頼子(網走市乳検組合)、朝比奈道雄(斜里町乳検組合)、遠藤貴広(北宗谷農協)

昨年の全道平均乳量は前年比+127kgで9026kg、1万1000kg以上牧場は202戸

Filed under: — djito @ 11:16 AM ニュース

北海道酪農検定検査協会は28日、昨年1-12月の年間検定成績(経産牛1頭当たり成績、速報)を発表した。
検定戸数は4671戸で、平均実頭数は74.2頭。

全道平均の乳量は9026kgで、前年(8899kg)より127kg(1.4%)増えた。
同平均の乳脂肪率は4.10%、乳蛋白率は3.31%、無脂固形分率は8.80%、体細胞数は22万、リニアスコアは2.7だった。
同平均の分娩間隔は431日で、前年(433日)より2日縮んだ。

乳量階層別戸数比率は、1万1000kg以上は202戸(前年比+4戸)、1万kg代は638戸(同比+38戸)、9000kg代は1184戸(同比+78戸)、8000kg代は1271戸(同比-12戸)、7000kg代は888戸(同比-81戸)、6000kg代は354戸(同比-108戸)、6000kg未満は134戸(同比-45戸)。

検定組合別の乳量トップは富良野市で1万1125kg(検定農家数16戸)、次いで妹背牛町が1万569kg(同1戸)、中札内村が1万505kg(同24戸)、北広島市が1万463kg(2戸)、東山が1万161kg(4戸)、豊頃町が1万84kg(43戸)、斜里町が1万66kg(14戸)、清里町が1万9kg(14戸)。

乳用牛評価2013・2月を公表:家畜改良センター

2013 年 2 月 26 日

Filed under: — admin @ 8:46 PM 未分類

独立行政法人家畜改良センターは、乳用牛評価2013・2月(国内産種雄牛および雌牛)を公表した。
種雄牛上位10頭は下記の通り(NTP順)。
詳しくは、同センターホームページからダウンロードできる。
http://www.nlbc.go.jp/

JP3H53655 エンドレス ジアンビ
JP3H54477 レスポア-ル サンデイ スタ- ハ-ゲン
JP5H53562 オ-ケ-フア-ム ハ-ト ランカスタ- ET
JP3H54248 ベイリツチランド REW ラプトル ジヨ- ET
JP3H53959 ヘンカシ-ン ゴ-ルド ドリ-ム
JP5H54770 NLBC ボルセナ アセンライ ET
JP5H54553 NLBC オルテガル デイナン
JP3H53999 ジレツト テイ-ウエ-ブ スパ-クリング ET
JP5H53812 WHG オ-シヤニツク ジヨビアン ET
JP3H53364 ハピイイ-スト ア-ル エス テンプタ- ET

 

OPU・IVF・ETによる子牛の効率的な生産など話題提供:NIAS/NILGS合同シンポ

Filed under: — admin @ 7:32 PM セミナー報告,ニュース

農研機構畜産草地研究所(NILGS)と農業生物資源研究所(NIAS)は26日、茨城県内で「動物生殖技術研究の現状と今後の展望」シンポジウムを開き、全国から関係者ら約130名が参加した。
これは、家畜生殖細胞・幹細胞技術の可能性を探り、家畜生殖技術研究の新しい価値観を作っていこうとするもの。

3つの基調講演と、セッション1で先端技術の研究成果報告5題、セッション2で実用化に近づいた研究成果4題が提供され、質疑応答と総合討論が行なわれた。

酪農分野(牛)では、家畜改良センターの今井敬氏(生産技術専門役)が、経腟採卵(OPU)と対外受精(IVF)を利用した胚生産技術(OPU・IVF)の現状、さらには受胎率が高く、産子の生時体重も通常の産子と差がない胚選別培養法の研究成果などを報告した。
これらの実用化により、子牛の生産性が向上し、家畜改良につながるとともに現場でのIVF利用の促進が期待される、とした。(文責:関東支局)

生産コスト低減技術開発の成果発表会:畜産技術協会

2013 年 2 月 22 日

Filed under: — admin @ 7:48 PM セミナー報告

社団法人畜産技術協会は22日、東京都内で「生産コスト低減畜産技術開発推進事業成果発表会」開き、全国の関係者ら約80名が参加した。酪農分野では4講演が行われた。

澱粉分解酵素利用による各種ホールクロップサイレージ・発酵TMRの品質改善では、雪印種苗株式会社の石田聡一氏が発表した。澱粉分解酵素であるセルラーゼおよびアミラーゼを稲WCSやトウモロコシサイレージに添加したことで酸度やエタノール含量が高まった可能性があるとした。

東京農工大学の佐藤幹准教授は、二糖類(トレハロース、セロビオース)を用いた飼料添加物の開発により、「DMIが低下しやすい自給飼料体系においても、二糖類の添加がルーメン発酵の向上と乳中抗酸化活性の改善が認められる」と報告し、CLA(共役リノール酸)含量が高い生乳生産の可能性などを示唆した。

千葉県のNPO法人エコグループからは「河川堤防草を有効利用した乳牛用発酵TMRの開発」について発表があり、堤防草ラップサイレージを原料割合で22%用いたTMRは乳量20から30キロ程度の泌乳牛には十分に対応可能とした。

石川県立大学の石田元彦教授はコントラクター運営の経済性を、稲、麦、ヨシ(葦)サイレージについて調べた結果を報告した。他に肉用牛の試験が2題、報告された。(文責:関東支局)

感染症を考える-パート4- 北海道しゃくなげ会

Filed under: — djito @ 5:00 PM セミナー報告

北海道しゃくなげ会(事務局/ゼノアック日本全薬工業株式会社)は22日、札幌市内で「第45回 北海道しゃくなげ会」を開催した。
道内の獣医師や家畜衛生管理関係者ら約250名が参加した。

総会の後、「感染症を考える-パート4-」と題した研修会が行なわれ、酪農学園大学・獣医学群の田島誉士教授が総合司会を務め、基調講演、酪農生産現場からの報告講演5題、家畜衛生情報紹介、ゼノアック・コーナーが発表された。

基調講演では、酪農学園大学・獣医学群の小岩政照教授が「子牛感染症の発病要因と制御対策」と題し、最近の子牛の疾病の発生状況と特徴、そして、それをいかに制御するかを述べた。
同教授は、何事も先入観を払拭して多角的に見ることが大切であるとし、初乳給与のベストタイミングにしても正常な出生子牛の場合と衰弱した出生子牛の場合に分ける必要があること、小さく生まれた子牛のほうが死亡率は高いこと、肺炎になりやすい子牛は虚弱子牛症候群(WCS)であることなどを解説した。
WCSの牛は、胸腺が小さく、免疫能が低く、ワクチン効果が低く、その要因として、乾乳期の母牛の健康、とくにアミノ酸の充足が大きく影響しているという。
さらに子牛中耳炎(マイコプラズマ性)は、耳毛や耳標の装着位置により、外耳の通気性が良くない牛で発症しやすいことなどを紹介した。

現場からの報告講演では、以下の5人の獣医師が発表した。
1 「哺育育成預託農場における子牛の感染症の発生実態とそのリスク要因調査」寺崎信広氏(釧路地区NOSAI)
2 「子牛サルモネラ症とその他子牛下痢症との違い」福中守人氏(十勝NOSAI)
3 「長期化したマイコプラズマ乳房炎対策」中川亮氏(オホーツクNOSAI)
4 「牛乳房炎由来グラム陰性桿菌における薬剤耐性について」大西守氏(根室地区NOSAI)
5 「日高管内における馬伝染性子宮炎対策の推進」笹野憲吾氏(日高家保)

家畜衛生情報紹介では「農場における衛生管理の優良事例について」と題して前田泰治氏(北海道農政部)が、ゼノアック・コーナーでは「鉱塩セレニクス60TZ」について角田映二氏(ゼノアック営業推進本部)が発表した。

おしゃれな手作りオブジェ

Filed under: — maetomo @ 6:16 AM 未分類

釧路管内・N牧場の入口には、風でクルクルとよく回るオブジェが飾ってあります。
よく見ると、自転車の車輪と、
カツ丼などを作るときの専用鍋(「親子鍋」というのだそうです)を、
うまく組み合わせて作ってあります。

こうしたオブジェは、牧場に、よく合いますよね。
そして、とても、おしゃれに見えます。

お宅にも「手作りオブジェ」がありましたら、ぜひご紹介ください。
携帯写真でOKです。

乳牛改良におけるジェノミック・パワー 北海道アルバータ酪農科学技術交流協会

2013 年 2 月 20 日

Filed under: — djito @ 6:16 PM セミナー報告

北海道アルバータ酪農科学技術交流協会は20日、事務局でもある酪農学園大学(江別市)で「2012年度 海外農業技術セミナー」を開催した。
今回は「乳牛改良におけるジェノミック・パワー」と題し、カナダ・アルバータ州のロッキーマウンテン・ホルスタイン牧場の社長であり、獣医師であり、畜産関係機関の多くの要職も務め、また世界各地のホルスタインショウで審査員としても活躍しているデビッド・チャラック博士を講師として招いた。
酪農家をはじめ、遺伝改良関係者、学生など約150人が参加した。

乳牛のジェノミクスとは、1頭1頭異なる遺伝子(染色体の塩基配列)を解析して、産乳量や乳成分、体型や特質などへの遺伝力を評価するもの。
同博士は冒頭、ジェノミクスをテーマとした理由について、「今日、物事を最も変様させるものであるから」と語った。

そして、ジェノミックの意義、信頼度、業界への影響などを解説し、また、同牧場で輩出した高ジェノムの雌牛などを紹介した。

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