TPP交渉参加反対で3000人規模の全国決起集会を都内で開く

2011 年 10 月 26 日

Filed under: — admin @ 6:25 PM ニュース

10月26日(水)、東京・日比谷公園を会場に、
「TPP交渉参加に反対し、日本の食と暮らし・いのちを守る全国決起集会」が
開かれ、全国から約3000人の農業者らが集まった(主催:同実行委員会)。

JA全中の万歳晃会長は挨拶で、
「国民の意思を無視した、強引かつ拙速な交渉参加は許せない。
わが国とって、やるべき優先課題は東日本の復興と原発事故の終息だ。
東北3県で来年までに営農再開が見込まれるのは、全体の3分の1にすぎない。
その中で、今、TPP参加を決めるするのは、被災地の現状を無視し、
日本の食の将来に対し、不安におとしめるに過ぎない。
国益とは国民の暮らしと命を守ることであり、
その基本は、食の安定供給と信頼できる医療制度だ」などと表明した。

TPP参加に反対している日本医師会の中川俊男副会長は連帯挨拶として、
「限られた情報しかない中で判断することに、非常な懸念をもっている。
米国は2001年以来、医療における市場原理を求めてきており、
日本の世界一公平な医療(国民皆保険)を提供することができなくなる。
農業者は日本の食を守り、日本の食文化の素晴らしさを、国民に知らしめて欲しい。
そのことが国民の健康増進につながる」と語った。

東京大学大学院の鈴木宣弘教授は、
「すでに食の60%が輸入されている現状の中で、
さらに開国すれば、TPPは日本の最後の砦を明け渡すことになる。
官邸はぎりぎりまで情報を出さない。しかも財界の一部からは
今回の東日本の震災を機に、企業が農業分野に参入し、
それをモデルにすれば、TPPも怖くないという論が出ている。
しかし、推進論者からは具体的なメリットが出ていない。
TPPはアジア太平洋ルールにはならず、アメリカにとっての対中包囲網だ。
日本はアジアとともに共通性・柔軟性のあるルールをつくっていくべきだ」
などと解説し、「拙速な表明は許せない」と断じた。

集会には、国会議員も多数が参加し、
郡司彰氏(民主党)、亀井静香氏(国民新党)、大島理森氏(自民党)、
石田祝稔氏(公明党)、志井和夫氏(共産党)、福島みずほ氏(社会民主党)が挨拶し、
その後、「TPP交渉参加に反対し、日本の暮らし・いのちを守る特別決議」
を決議し、都心をデモ行進した。(文責:DJ関東)

全青協がトラクターと軽トラでTPP断固反対のデモ行進

Filed under: — admin @ 5:24 PM ニュース

昨夜からTPP反対の座込み抗議を行なっていた
JA全国農協青年組織協議会(全青協)は、
10月26日(水)午前、トラクターと軽トラで、銀座をデモ行進した。

全青協の牟田会長(佐賀県・米作)は、
「こどもたちに何を残すか、この国の未来を一緒に考えよう」と訴え、
同協会の遠藤副会長(福島県・米作)は、
「私たちの地域は、津波と原発事故で、今年は稔りの秋をついに迎えられなかった。
東北の農業は営農に向けて懸命な努力をしているが、
TPPが締結されれば、地域やコミュニティは崩壊し、その努力は無駄になるだろう。
一刻も早い復興が優先されるべきだ」と語る。

国は規模拡大やブランド化で強い農業を実現できるとしているが、
それはごく一部の話であり、画餅になることを懸念する。(文責:DJ関東)

TPP断固反対で、JA全青協が国会前で座込み抗議

2011 年 10 月 25 日

Filed under: — admin @ 7:58 PM ニュース

10月25日(火)、全国農協青年組織協議会(略称:JA全青協)は、
衆議院議員会館前で全国から約100名の会員を集め、
TPP参加への断固反対の意思を込めて、座込み活動を行なった。

同協議会は、JAの青年組織を会員とし、全国に約7万人の会員を持ち、
座込み活動の始めに、遠藤副会長(福島県)は、
「本来なら農作業に多忙な時期に、なぜ我々はここにいなければならないのか。
それは、TPP問題を政争の道具にして欲しくないからであり、
日本の地域を守りたいからだ。TPPには断固反対する」と述べた。

衆議院議員の加藤紘一議員(自民党:山形3区)は、
「自民党は、TPPへの参加反対を党の最高意思として決定した。
TPP参加は日本の食糧自給率を下げるもので、
日本は日本型の農業をつくるべき。一緒に頑張ろう」と挨拶。

漁政連からは「明確な農林水産業の施策が示されない中で、
TPPに参加するのは絶対反対」と、メッセージが寄せられた。

座込み活動は26日(木)午前10時まで行い、その後、トラクターなどでの
デモ行進を予定している。

なおJA全中は、1166万人のTPP参加反対の署名を集め、
国会に交渉参加反対の請願書を提出すると発表している。(文責:DJ関東)

TPP参加に日本乳業協会は「賛同できない」との見解

Filed under: — admin @ 1:15 PM ニュース,提言

日本乳業協会はこのほど、
「TPPに関する乳業界の基本的考え方」を公表した。

関税撤廃が国内の乳業市場に与える影響を試算したが、
それによると、国が何も対策を講じないとしたら、
1:国産バター、脱脂粉乳が輸入品に置き換わり、国内工場は操業停止
2:安価な輸入乳製品を使った乳飲料などの製造で、生乳100%の牛乳、成分調整牛乳市場の一部がこれに置き換わる
3:国産ナチュラルチーズの殆どが輸入に置き換わり、北海道のチーズ工場は殆どが操業停止
4:そのため、北海道の生乳が飲用市場を席巻し、都府県の酪農・乳業は壊滅的な影響を受ける
と予測し、トータルとして市場規模は1兆4889億円まで減少する(2009年:2兆1785億円:経済産業省による)。

このため貿易の自由化、国際化の進展は日本経済にとって重要な課題と認識したうえで、「食糧安全保障の観点や地域雇用の確保の観点では、(中略)乳業界としてはTPPへの参加には賛同できない。慎重な対応を国に求める」としている。
詳細は同協会HPへ:http://www.nyukyou.jp/

ルーメン微生物などを解説:畜産草地研究所で公開デー、開かれる

2011 年 10 月 15 日

Filed under: — admin @ 7:39 PM ニュース

10月15日(土)、畜産草地研究所:那須拠点(栃木県那須塩原市)で、
公開デーのイベントが開かれた。

内容は、「研究成果の紹介」や「機械展示」、「体験(バターづくり」などで、
あわせて、3つの講演:
1 「遺伝子組み替えトウモロコシ試験について」
2 「牛の給食センター(発酵TMRについて)」
3 「草から燃料をつくる」
が行われ、それぞれ専門の研究者が分かりやすく紹介した。

中でも3の講演では、地球温暖化を防ぐために、
燃料になる可能性のある草として、エリアンサス(イネ科植物)に注目し、
その実用化に向け、試験中とのこと。

また、泌乳牛のルーメン内容物を顕微鏡を使い、
ルーメン微生物が活動する様子を大型TVに映し出し、
牛の胃の中での働き、などを解説した。

都内駅前でTPP反対のパンフを17日まで配布

2011 年 10 月 6 日

Filed under: — admin @ 4:30 PM ニュース

日本酪農政治連盟は、10月4日から17日にかけて、
東京都内のJR線:新宿駅前、渋谷駅前で、
毎日、日本のTPP(環太平洋連携協定)交渉参加反対の
パンフレットを配り、国民にTPPの意味を問いかけている。

「TPPを考える国民会議ニュース」に掲載の
オークランド大学(ニュージーランド)のジェーン・ケルシー博士の
講演要旨や農水省によるTPPに参加した場合の試算などを
クリアファイルに挟んで、道行く人たちに手渡し、
TPP参加反対への理解を求めている。

手応えは「頑張って下さい、という声もある一方で、
TPPに賛成という人もいる。まずは皆に知ってもらうことが大事」と
この活動に参加する酪農家や関係組織は語る。

なお、チェルシー博士の論は;
1:米国は交渉に圧倒的な影響力を及ぼす。
2:TPPの目的の一つは商業的な目的と投資分野、知財など。
3:もう一つは、加盟国間の規制の調和で、中国に対する均衡錘。
4:重要な争点は農業分野。
  米国は、TPPにおいて柔軟性を提供しようとは考えていない・・など。
また、同ニュースには、榊原英資氏(青山学院大客員教授)の
論考も掲載されている。 (文責:関東支局)

10月は「MILK JAPAN」強化月間

2011 年 9 月 30 日

Filed under: — admin @ 8:56 AM ニュース

中央酪農会議の「MILK JAPAN」活動は、10月を同活動の強化月間とした。
内容は、
1 牧場オープンデー:全国で140農場を公開
2 地域イベント:
10月2日・鳥取県(大山乳業農協)
10月8日・島根県(畜産ふれあい祭り)
10月10日・スポーツ博覧会出展(東京都・駒沢オリンピック公園)
10月21日・ミルクフェスタ(岡山県)
11月19日・食と農の祭典(東京都・日比谷公園)・・など。
3 問い合わせ 中央酪農会議 MILK JAPAN事務局(info@milkjapan.net)
 

9月最後の水曜日(9月28日)はスクール・ミルクの日:FAO

2011 年 9 月 28 日

Filed under: — admin @ 5:14 PM ニュース

日本の9月28日は、ワールド・スクール・ミルクの日。
これは、FAO(世界食料機関)が2000年から定めたもの。
毎年、9月の最後の水曜日になっていて、
世界で30以上の国が同じ日に、同じ内容で参加し、
FAOが後援している。

この目的は消費の喚起で、
酪農乳業の発展と、こどもの栄養改善。

多くの国ではミルクの無料配布や、プロモーション活動、
乳業会社がスポンサーになり、Tシャツ、帽子、ペンなどを
こどもたちに提供する、という。
日本では、そのことが、
こどもたちに、学校牛乳で伝わっているだろうか(文責:関東支局)

平成22年度の牛群検定成績は9286kg(全国:立会)に

Filed under: — admin @ 5:00 PM ニュース

先に家畜改良事業団が公表した、平成22年度の牛群検定成績(立会検定・ホルスタイン)は、次の通り。

1 平成22年度(全国)
頭数30万3444頭、平均乳量9286kg、脂肪率3.93%、タンパク質3.23%、
無脂固形分率8.71%、乳飼比21%、飼料効果2.7
2 北海道
頭数20万4086頭、平均乳量9192kg、脂肪率3.99%、タンパク質3.23%、乳飼比21%、飼料効果2.8
3 都府県
頭数9万9358頭、平均乳量9479kg、脂肪率3.82%、タンパク質3.21%、乳飼比20%、飼料効果2.5

発表によると、昭和50年度は平均乳量が5826kgであり、8000kgを超えたのが平成5年度、9000kgを超えたのが同14年度だった。乳飼比、飼料効果は昭和50年度から現在まで、ほぼ同じ水準で推移している。
なお、詳細なデータは同事業団のHPからダウンロードできる。(文責:関東支局)

農業の発展とは、耕作技術が向上すること

2011 年 9 月 18 日

Filed under: — djito @ 3:28 PM ニュース

「さっぽろ食・農フォーラム」(札幌市主催)が17日、札幌市民ホールで開催され、400人を超える市民が参加した。
同フォーラムは、札幌の農業を身近に感じながら、食と農と自然の関係を見つめ直し、札幌の未来の可能性を探るというもの。
そのなかで、神門善久氏(明治学院大学・教授)が「さっぽろの食と農のポテンシャル-期待と現実-」と題して基調講演した。

同氏は、「味のわかる消費者に!」を結論とし、自分の舌(味覚)を信じ、「能書き(地産地消、有機栽培など)や顔写真に惑わされないようにしよう」「消費者が変われば、生産者も変わる。良い農産物をつくるべく耕作技術を練磨する」と述べた。

また、「農業とは?=食用の動植物を育てること」「農産物の良し悪しとは?=健康的に育ったかどうか」「耕作技術とは?=動植物を健康的に育てるための知識や実践力」、そして「農業の発展とは?=農業生産が増えることではなく、耕作技術が向上すること」と述べた。
そのうえで、「近年は耕作技術が低下している」「自称・農業応援団が農業をつぶす」と警鐘を鳴らした。

北海道農業の発展の可能性として「東北・関東の農業衰退をカバー」「海外志向農業(アジアに向けてつくる)」、沈滞の可能性として「国からの補助金依存農業」「ノスタルジー型農業」があるとし、期待と危惧の両面を述べた。

※Dairy Japan/神門善久氏の記事
・2009年10月臨時増刊号「人を活かす酪農場のマネジメント/冷徹な金融界の目に晒されることで、酪農は活性化する」
・2010年2月号「マイ・オピニオン/むかしは満州、いまは農業」

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