放射能汚染が他の汚染と異なるのは「広域的なこと」:研究者らのフォーラムで

2012 年 1 月 29 日

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1月29日(日)、東京都内で、「食の放射能汚染と健康影響について」フォーラムが開かれた(主催:NPO食の安全と安心を科学する会、後援:東大大学院農学生命科学研究科)。

局博一教授(東大大学院農学生命科学研究科)は、オーバービューとして、放射能汚染が、他の食品汚染と異なる点は、1)広域的(地理、流通、食物全般にわたる)、2)生態系への汚染、3)国民的な不安、などをあげ、当フォーラムの目的を、放射能と農畜産物に関する専門家を集め、現在わかっていることを学び、危機管理やリスクコミュニケーションについて議論すること、と述べた。

フォーラムでは、甲斐倫明教授(大分県立看護科学大学)が「低線量放射線の健康リスク」について解説した。中西友子教授(東大大学院農学生命科学研究科)は、「実際に農業をしている方への情報が少ない。農と放射能汚染の問題は、ひとつの専門だけでは解けない。東大農学部では各専攻を横断した組織的な研究体制を稼動させ、多種多様な検証をしていく」などと報告した。

眞鍋昇教授(同)は、茨城県笠間市にある東京大学付属農場で行なった検証試験から、生乳への放射能の移行係数は0.003程度であることや、ヤギを用いて放射能吸収物質の効果などを試験中である、などと報告した。

細野ひろみ准教授(同)は、牛肉の放射能汚染に対する消費者の意識を調査し、「女性のほうが放射能リスクに対する意識が強く、なかでも30歳代が高い」などと発表した。(文責:関東支局)

*NPO法人 食の安全と安心を科学する会(東京大学:食の安全研究センター内)
 http://www.nposfss.com

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