8月の営農技術対策―北海道農政部

2014 年 8 月 1 日

Filed under: — djito @ 6:16 AM ニュース

北海道農政部 生産振興局 技術普及課は、8月の営農技術対策を発表した。

家畜飼養における「今月の重点項目」は以下。
・暑熱ストレスを軽減するため、換気や送風、遮光などによる牛舎内の温度・湿度対策を徹底する。
・嗜好性、消化性の高い良質粗飼料を給与するとともに、塩分やミネラルの給与に留意する。
・給水施設の管理を徹底し、清潔な水をいつでも十分に飲める状態を保つ。
・発情予定牛のピックアップと観察強化で、発情の見逃しを防ぐ。
・疾病予防のため、農場内外の衛生対策を徹底する。

乳牛においては、「飼料給与」として、以下の注意を呼びかけている。

ア 乳成分率が最も低下する時期であり、乾物摂取量の低下防止とルーメンの発酵を安定させるため、嗜好性や消化性の高い良質な粗飼料を給与する。

イ 飼槽を清潔に保ち、採食量の低下を防ぐとともに、飼料の給与時間(涼しい時間帯)、給与回数、こまめな掃き寄せなどにより、乳牛の採食意欲を高める。

ウ 粗飼料の喰い止まりやルーメンアシドーシスの発生を予防するため、重曹(炭酸水素ナトリウム)などを給与する。

エ 暑熱時に要求量が増えるカリ・ナトリウム・マグネシウムなどのミネラル類を増給するとともに、ビタミン類を補給し免疫力を高める。

オ MUNなどの乳成分データを常にチェックし、給与飼料の過不足や栄養バランスに留意する。

カ 給水設備の吐水量の確認、清掃をこまめに行ない、いつでも新鮮な水が十分飲めるように管理する。

キ サイレージなどの発酵飼料は発熱、カビなどによる変敗に注意する。水平型サイロやタワー型サイロでは取り出し方法、幅・深さ(15~20cm以上)に留意し、取り出し断面に日光が当たる場合はシートを被せ変敗を最小限に防ぐ。

他にも、「暑熱対策」「質管理」「繁殖管理」「放牧牛管理」「衛生的乳質の管理」「農場の衛生管理」についても注意点をまとめている。

詳しくは、北海道農政部 生産振興局 技術普及課のホームページへ。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/gjf/index.htm

分科会に分かれて意見交換―北海道TMRセンター連絡協議会

2014 年 7 月 31 日

Filed under: — djito @ 7:38 PM ニュース

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北海道TMRセンター連絡協議会(近藤三男会長)は7月31日、札幌市内で「第7回 夏期研修会」を開催した。
道内のTMRセンター会員はじめ、関係機関、関連企業などから約200人が参加した。
今回の研修テーマは「良質自給飼料確保に向けた生産技術の向上を目指して」。

初めに、農水省畜産振興課の松本賢英課長補佐が「飼料をめぐる情勢」について報告。
その後、「土地・生産」「飼料」「機械」の三つの分科会に分かれて、それぞれで講演、賛助会員である関連会社からの技術・商品紹介、そしてディスカッションが行なわれた。

土地・生産分科会の討論では、リードカナリーグラスの寝ワラ利用、簡易草地更新機械の導入、コーン畑のシカ対策、草地更新時のペレニアルライグラスやオーチャードグラスの播種量、糞尿処理などが話題となった。

飼料分科会の討論では、乳酸菌、アルファルファおよびオーチャードグラスの利用、バンカーサイロの踏み込み、コントラのオペレーター、夏場のTMRの変敗と添加剤などが話題となった。

機械分科会の討論では、高性能で高価な作業機械が実作業に見合っているか、作業前後に機械を点検整備することの重要性、作業機械の基本構造を理解していないがゆえの故障、冬期間に機械会社で修理技術を研修することの有効性などが話題となった。

生乳生産量の低下を最小限に:Jミルク

2014 年 7 月 24 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 4:00 PM ニュース

一般社団法人Jミルクは、7月24日都内で、平成26年度上期の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと当面する課題についての記者会見を行なった。

Jミルクの前田浩史専務理事は「生乳生産は依然として減少基調が続いており、結果的に需給全体がひっ迫基調となっているが、極端な混乱があるとは思っていない。ただ、今後夏場に向けて、暑い日が続くことが予報されているため、今回の見通しは、とくに8月9月の飲用の需要の最盛期に向けて需給がどうなるか予測し、お伝えしたい」と挨拶で述べた。

会見によると、平成26年度上期の地域別生乳生産量は、北海道193万1000t(前年比98.1%)、都府県176万4000t(同96.7%)、全国で369万5000tと見込まれる。
都府県の生乳需給について、26年度上期においては、都府県における生乳供給量の減少が、牛乳等向処理量の減少を上回って推移すると見込まれることから、北海道からの生乳移入量(道外移出量)は、前年を上回って推移するものと見込まれる。

Jミルクは「26年度上期の生乳生産は、引き続き前年を下回ることが予測されており、とくに夏季においては天候や気温の影響によって生乳需給は予想を超えるひっ迫の可能性もある。そのため、酪農乳業関係者は引き続き生乳生産動向を注視するとともに、暑熱対策や飼養管理対策の徹底等により生乳生産量の低下を最小限に留める対策を講じていくことが必要である」と投げかけた。

新たな復興牧場

2014 年 7 月 23 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 6:00 PM ニュース

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福島県酪農業協同組合は7月22日、福島市内で、「復興牧場事業計画」にかかる記者会見を行なった。原発事故から3年以上が経過したが、福島県全体で営農を再開した被災酪農家はわずか13戸のみであり、いまだに63戸の酪農家が避難休業を強いられている。
会見によると、福島県酪農協は、大規模・協同経営による低コスト生産、労働条件の改善を図りつつ、福島県の生乳生産基盤の回復を図るため、「復興牧場構想」を計画し、避難休業中の酪農家を中心に参加を呼びかけた。その結果、5戸が復興牧場構想に共鳴し、平成26年4月に共同経営組織(株)フェリスラテを設立し、現在酪農再開に向けて準備を進めている。この復興牧場は酪農後継者や新規就農者への酪農経営・技術向上を目的とした研修機会も提供するとのこと。

【(株)フェリスラテの概要】
経営主体:農業生産法人・(株)フェリスラテ
役員:避難休業酪農家5名
労働体制:役員5名、社員6名(募集)、パート7名(募集)の計18名でのシフト勤務を予定
経営規模:飼養頭数580頭(搾乳頭数500頭規模、育成牛は預託し外部育成)、生乳生産量5000t/年を目指す
飼料生産:近隣農地の借地により自社での堆肥供給と自給飼料の生産を予定

最優秀賞に高橋実さんと野口弘子さん:酪農青年女性発表大会

Filed under: — Yayoi Uruno @ 4:00 PM ニュース
山形県の高橋実さん

山形県の高橋実さん

栃木県の野口弘子さん

栃木県の野口弘子さん

全国酪農青年女性会議および全国酪農業協同組合連合会は、7月17・18日、仙台市内で、第43回全国酪農青年女性酪農発表会を開催した。
酪農経営の部、酪農意見・体験発表の部で、それぞれ6名ずつ発表が行なわれた。その結果、酪農経営の部では「牛と共に歩む魅力のある酪農経営を目指して」を発表した山形県の高橋実さんが最優秀賞に選ばれた。また、土地制約の厳しい都府県、その中でもとくに野菜作の産地において、工夫次第で飼料自給率100%を実現できると実証した渡会智花さんの発表、「愛知で北海道―キャベツ産地で粗飼料自給率100%―」に対して、審査員一同から特別賞が授与された。
酪農意見・体験発表の部では、酪農との関わり、周囲とのつながり、活動の広がり、目標と夢の実現これらすべてを満たしているとのことで、「夫と共に…仲間と共に…夢に向かって…走っています♪」を発表した栃木県の野口弘子さんが最優秀賞に選ばれた。

未来はミルクの中にある:雪印メグミルク(株)秋季新商品発表会

2014 年 7 月 15 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 5:30 PM ニュース

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1恵 megumiガセリ菌豆乳仕立て_100g
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雪印メグミルク(株)は、7月15日都内で、平成26年秋季新商品発表会を開催した。新商品発表会に当たり、取締役執行役員小西寛昭氏は「経営を取り巻く環境は変化が激しく、かつ厳しさを増すものと予想されるが、これらの新商品、改良品で、新たな需要喚起の起爆剤として市場に投入する。当社のコーポレートスローガン“未来はミルクの中にある”――これを具現化すべく、平成26年秋季は、ミルクの価値、ミルクの力を新商品として伝えていく。“新しいミルクとの出会いをあなたに”――これは、私達が商品とともに皆さまにお伝えしたいメッセージである」と挨拶で述べた。

新商品および改良品として、従来のミルクにはない、さらさらのおいしさを楽しめるシルクのような口当たりのミルク「雪ミルク」をはじめ、当社の人気商品である「恵megumi」シリーズの「恵megumiガセリ菌SP株豆乳仕立て」、コクとバター感にこだわった新しいネオソフト「ネオソフト コクのあるバター風味」、業務用製品としてはソフトチーズなのにこんがりとした焼き色がつく「こんがり焼けるチーズソース」等、さまざまな商品が紹介された。

放牧・新規就農をめざす学生による、夢実現のためのシンポジウム

2014 年 7 月 13 日

Filed under: — djito @ 3:09 PM ニュース

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酪農学園大学(北海道江別市)の学生有志による「放牧ネットワーク」(代表=福神早太さん、同大学3年生)は7月12・13日、同大学で「放牧酪農と学生の夢 IN 酪農学園大学」と題したシンポジウムを開催した。
学生、酪農家、研究者、関係機関など約80名が集まった。

放牧酪農を目指す十数名の学生による「放牧ネットワーク」は昨年発足し、放牧酪農の理解を深めるため、勉強会のほか他大学の学生との交流や、酪農家視察などの活動を行なっている。
その活動の一環として、夢をかなえるための一歩とするために、本シンポジウムを企画した。

初日は、「北海道における放牧酪農の魅力と可能性」と題しての講演会。
(株)宇野牧場(天塩町)の宇野剛司さん、(有)十勝しんむら牧場(上士幌町)の新村浩隆さん、小泉牧場(猿払村)の小泉浩さん、特別ゲストとして、なかほら牧場(岩手県)の中洞正さんが、放牧酪農を始めた経緯、放牧酪農のメリット、牛乳乳製品の製造・販売(六次産業)の魅力などを講演した。

翌日は、「酪農や放牧を学ぶ学生の夢」と題して、新規酪農を目指す4人の学生が、夢とそれに向けた取り組みを発表。
そして、発表者が抱えている疑問に、上記4名の放牧酪農家と、酪農学園大学、帯広畜産大学、北海道大学の専門研究者らがアドバイザーとして答え、また夢をかなえるためのアドバイスを語った。

石崎慎也さん(酪農学園大学4年生)は、放牧酪農と六次産業が夢。新規就農に向けた具体的な目標を持ちながら勉強をしている。
高橋朋子さん(帯広畜産大学2年生)は、酪農家になることが夢。人の役に立っている動物の役に立ちたいという。
名徳知記さん(北海道大学修士2年生)は、日本一の酪農家になることが夢。高所得を上げて、酪農が魅力的な職業であることを伝えたいという。
久我真雪さん(酪農学園大学1年生)は、放牧酪農で、牛が牛らしく健康で幸せに暮らせる牧場を作ることが夢。

アドバイザーからは、「具体的な夢を持つことは大事。新規就農に関する制度がいまだ未整理なので運に頼る面も多いが、夢として一番守りたいものは何かを考えておくことも必要」「配合飼料をゼロにすることは目的ではなく、目指す酪農に取り組んだ結果として配合飼料が少量になればよいと考えるほうが良い」などのアドバイスが送られた。

学生みずからが企画し、しかも同じ夢を持つ他大学の学生が連携した、このようなシンポジウム開催はめずらしい。
また、バックミュージックで発表者が登場し、スライドをバックに、突き出しステージでスポットライトに照らされて発表するという斬新なシンポジウム・スタイルも注目された。

8年ぶりの「国際農業機械展in帯広」開催中

2014 年 7 月 12 日

Filed under: — djito @ 7:30 PM ニュース

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「第33回国際農業機械展in帯広」が7月10日から開催されている。
主催は、ホクレン農業協同組合連合会、北海道農業機械工業会、十勝農業機械協議会。
初日の来場者は約4万人で、会期中に延べ約20万人が訪れることが見込まれている。
開催は7月14日まで。

この国際機械展は4年に一度、北海道十勝管内の帯広市で開催されるもの。
しかし前回の第32回は口蹄疫の発生で1年延期となり、その翌年は東日本大震災で中止となった。
したがって、今回の第33回は8年ぶりの開催となる。

今回の出展企業団体数は119と過去最大。
海外からは、韓国、中国、イタリア、ドイツ、フランスからも出展している。
展示機器の点数は約2000。
その特徴は、「更なる大型化が進んだ。そしてGPS、ロボット、コンピュータによる無人運転など、ITを駆使した機器が注目されている。さらにどれも鮮麗されたデザインで、いわゆるカッコイイ」と主催者は語る。

農作物の生育状況(7月1日現在)―北海道農政部

2014 年 7 月 4 日

Filed under: — djito @ 3:12 PM ニュース

北海道農政部 生産振興局 技術普及課は7月4日、7月1日現在の農作物の生育状況を発表した。

6月後半は20日頃まで雨の降ったところが多かったが、それ以降は好天で推移したことから順調に生育している。

牧草(1番草)の生育は平年並みで、農作業の進捗率は全道平均66%。
とうもろこし(サイレージ用)の生育はやや早め。

詳しくは、北海道農政部 生産振興局 技術普及課のホームページへ。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/gjf/index.htm

ともに学び、ともに考える

2014 年 7 月 1 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 5:00 PM セミナー報告,ニュース

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一般社団法人Jミルクは、6月27日都内で、平成26年度酪農乳業食育推進研修会を開催した。こうした研修会は初めての開催となる。Jミルクの前田専務は「今日、食育活動に対する社会的評価・期待は高くなってきており、酪農乳業関係者においても団体や企業、それぞれの立場から目標を持って食育活動を行なっている。しかし共通する部分も多々存在する。Jミルクとしては、それぞれの立場で食育活動されている方々を一堂に会し、共通する部分についてお互いに確認しながら、いかに戦略的に効果を出せるか議論し考えを整理する、そういう時期に来ているのではないかと考えている」と述べた。

研修会では文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課 学校給食調査官 江口陽子氏が「学校給食の現状と今後の役割」について、また大妻女子大学家政学部児童学科の石井雅幸氏が「食育から見た牛乳の価値~子ども達にその価値をどう伝えるか~」について、それぞれ講演した。

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