乳牛の秘密 一般向け道総研セミナーが札幌で

2019 年 10 月 19 日

Filed under: — djito @ 6:39 PM ニュース

北海道立総合研究機構(略称、道総研)は10月19日、JR札幌駅隣りの紀伊國屋書店で、道総研セミナー「乳牛の秘密~牛乳はどうやってできるのか?~」を開催した。

道総研は、農業・水産業・林業・工業・食品産業・環境・地質・建築の各分野からなる道立の22の試験研究機関が統合された地方独立行政法人。道総研セミナーは、各試験研究機関で取り組んでいる内容を道民にわかりやすく知ってもらおうと、年4回、行なわれているもの。

その一環として今回、道総研 酪農試験場 乳牛グループの谷川珠子主査が、酪農をもっと身近に感じてもらおうと、酪農と乳牛について解説した。
乳牛の生活(乳牛の一生)、牧場にはメス牛しかいないのにどうして子牛が生まれるのか(繁殖、分娩)、人には利用できない草をどうやって牛乳に変えるのか(反芻胃、栄養、飼料、産乳)などを、スライドでわかりやすく説明。
そして、酪農試験場は、自給飼料主体で健康的な乳牛の飼養管理に向けて、子牛の頃からの体作り、自給飼料の効率的な使い方、繁殖技術の向上と健康管理、ストレスの少ない飼養環境などの試験研究に取り組んでいることを紹介した。

質疑応答では、妊娠期間と分娩間隔の違いとは? 乾乳にするとき乳が張って苦しくないのか? 乳牛は何歳まで乳を出すのか? などの質問があがった。

現場の繁殖技術者ならでは 北海道家畜人工授精技術研修大会

2019 年 10 月 18 日

Filed under: — djito @ 4:33 PM ニュース

北海道家畜人工授精師協会(高橋芳幸会長)は10月17・18日、帯広市で第75回北海道家畜人工授精技術研修大会を開催。全道の会員はじめ関係者ら約260名が参加した。
全道各地の会員による、現場の繁殖技術者ならではの独創的な30題の研究発表が行なわれた。

研究発表終了後、選考委員長の松井基純教授(帯広畜産大学)は、「貴重な現場データを集めて、まとめて、どれも素晴らしい内容だった」と講評。そのうえで以下を表彰した。(敬称略)。

【優秀賞】
「発情判定の重要性の再確認~妊娠牛の摘発~」井上望(JAくしろ丹頂 幌呂支所)
「ホルスタイン種経産牛における授精時の排卵前卵胞位置の受胎率と乳量との関係」泉大樹(十勝NOSAI 本別家畜診療所)
「乳牛の子宮頚管狭窄に対するバルーンカテーテルを用いた人工授精法の検討」八木沢拓也(NOSAI道央 上川中央支所 美瑛家畜診療所)
【優良賞】
「妊娠率向上につなげるためのPGF2α製剤を用いた定時人工授精に関する検討」小川明憲(NOSAIみなみ 道南支所 東部家畜診療センター)
「子牛の受動免疫獲得と初乳給与管理に関する調査」田代真衣子(十勝農協連)
「種雄牛のDPRと娘牛の繁殖成績および乳量との関係性」高橋孝嘉(JA中標津)
【奨励賞】
「黒毛和種における分娩前後の体重推移が繁殖成績に与える影響」岩間和也(酪農学園大学)

※写真は表彰者と役員

全道各地の授精師らが研究発表 帯広で技術研修大会

2019 年 10 月 17 日

Filed under: — djito @ 6:24 PM ニュース

北海道家畜人工授精師協会(高橋芳幸会長)は10月17・18日、帯広市で第75回北海道家畜人工授精技術研修大会を開催し、全道の会員はじめ関係者ら約260名が参加している。

初日午前のシンポジウム「乳用牛後代検定事業の推進に向けて」では、「後代検定事業の仕組みと課題」佐坂俊弘氏(北海道酪農検定検査協会)、「乳用牛の後代検定および遺伝的改良の現状」大澤剛史氏(家畜改良センター)、「調整交配を考える~授精技術者から見た調整交配の現状と課題~」小倉裕司氏(NOSAI道東 標茶家畜診療所)、「ゲノム情報を活用した牛群改良」後藤裕作氏(北海道ホルスタイン農協)が講演。総合討論では、NTP(総合指数)評価基準の見直しや調整交配の普及に対する、現場からの意見が多数あがった。

午後の特別講演では、石井三都夫獣医師(石井獣医サポートサービス)が「繁殖コントロールの実際」と題し、繁殖の経済性、繁殖管理の目標、ボディコンディション・スコアと繁殖成績の関係、潜在性低カルシウム血症と繁殖成績の関係などを伝えた。

その後、全道各地の会員による、現場の授精技術者ならではの独創的な研究発表が行なわれている。

別海町の酪農ヘルパー&写真家が「写真集」

2019 年 10 月 5 日

Filed under: — djito @ 1:49 PM ニュース

北海道根室管内別海町在住で、酪農ヘルパーに就きながら、酪農をテーマに撮影し続けている写真家の佐藤弘康氏の写真展と写真集「EASTERN Hokkaido」の出版記念販売が10月2~6日、札幌市白石区のインタークロス・クリエイティブ・センターで開かれている。

佐藤氏(47歳)は29歳のときに撮影旅で初めて別海町を訪れた。大の牛乳好きであることから、ある酪農家に数日間ほど居候して写真撮影するつもりだったが、酪農というテーマに惹かれ、深みのある作品にしようと一冬、その牧場で働きながら写真撮影することに。さらにその後、本腰を据え、酪農ヘルパーに就きながら撮影を続けている。

「当初は酪農現場の姿を伝えたいと思っていたが、それだけでは物足りず、牛達の命やそこに携わるに人々に敬意を払いつつ、生活、風土、風景を織り込んだ作品にしたいと思うようになり、ライフワークとなった」と佐藤氏は言う。

佐藤氏の作品は、昨年の「HOKKAIDO PHOTO FESTA 2018」のポートフォリオレビューでグランプリに輝いた。その賞として写真集が今回出版され、今年の「HOKKAIDO PHOTO FESTA 2019」で作品展示と合わせて販売されている。

なお、写真集「EASTERN Hokkaido」(A6判・48頁、定価1500円+税+送料)は以下のホームページから購入できる。
https://hpf.official.ec/items/23547290

※写真は「道東の酪農を、生活、風土、風景を通じて見ていただく写真集ができた」と言う佐藤弘康氏

バンカーサイロの自動踏圧(ロボットトラクタ)を公開 帯畜大ら

2019 年 9 月 28 日

Filed under: — djito @ 11:20 AM ニュース

帯広畜産大学、北海道工業試験場、クボタ、リープス、JA道東あさひ、ウエストベースで構成される共同事業体「酪農サイレージ調製作業ロボット化コンソーシアム」(代表:帯畜大・花田正明准教授)が9月27日、北海道根室管内のTMRセンターであるウエストベースで、バンカーサイロの踏圧作業をロボットトラクタと有人車両の協調で行なうデモンストレーションを行なった。
コントラ、普及センター、試験場などから約60名が参加した。

サイレージ踏圧作業に関して開発されたシステムは、ロボットトラクタがサイレージ踏圧専用のサイレージパッカーを装着して踏圧作業するもの。
ロボットトラクタは国内メーカー最大の170馬力トラクタ(クボタ社製)をベースにして自動(無人)運転車両を開発、サイレージパッカー(SPANJER社製)は踏圧荷重を可変とした。

実際の作業は、有人車両(ホイールローダ)とロボットトラクタが役割分担して行なう。
有人車両は、運ばれてくる原料草をバンカーサイロ内に広げ、さらに壁際の踏圧を担当する。
ロボットトラクタは、サイレージパッカーを牽引して、単純な前後の走行により踏圧を繰り返す。
昼食などの休憩時間や朝の作業前や夜の作業後にロボットトラクタを自動走行させることにより、詰め込み密度をより高められることが期待できるとしている。

※詳報はDairy Japan 11月号で。

TACSしべちゃ 4年目の年次報告

2019 年 9 月 16 日

Filed under: — djito @ 6:54 AM ニュース

草地型酪農におけるモデル的な低コスト経営の実践、組合員への情報提供と普及、担い手育成への積極的な支援を目的とし、JAしべちゃ雪印種苗標茶町の3者で平成25年に設立され、搾乳開始から4年を経過した株式会社TACSしべちゃが年次報告書をまとめた。以下はその抜粋。

●出荷乳量2445t(計画対比92.6%)
平成30年度(平成30年4月~平成31年3月)の出荷乳量2445tで計画対比92.6%であった。これは当初予定よりも増頭が停滞したことに加え、新規就農サポートのため放牧型農場Grazing TACSを研修生へ売却したことで搾乳頭数が減少したことによるもの。ただし、当初目標であった稼働5年後2400t以上は昨年度同様に前倒しで達成している。
経営収支は、生乳販売高と個体販売収入が減少、牧草収量減に伴い購入飼料の増加で圧迫があったものの、年度予算は達成した。

●傾斜地草地の更新
標茶町では牧草地の6~7割が傾斜地であることから、平成29年度は傾斜地での草地更新作業デモンストレーションを行ない、平成30年度は10haの傾斜地草地の更新を実施した。

●新規就農後も経営支援
新規就農希望者の育成を目的に、平成30年度は一組の研修生を受け入れている。また、雪印メグミルク酪農総合研究所と連携して、新規就農後の経営状況モニタリングを実施するなど、就農後の経営支援にも力を入れている。

●農場HACCP
平成31年2月に農場HACCP認証を取得したことにより蓄積されるノウハウを記録として残し、社員の意識向上や教育につなげていく。

●3000tを目指す
中期経営計画(平成29年~令和3年)では生乳生産目標を3000tとし、今後の事業展開に向けた基盤強化、財務の健全化、人材育成を目指す。

楽しく遊んだ! 学んだ! サツラクミルクフェスティバル2019

2019 年 8 月 18 日

Filed under: — djito @ 4:11 PM ニュース

20190818_095210

サツラク農業協同組合は8月18日、札幌市東区のサツラク「ミルクの郷」で、「サツラクミルクフェスティバル2019」を開催した。
同フェスティバルは、同農協が日頃の感謝を込めて毎年行なっている大人気のイベント。

酪農について「楽しく学ぼう! 遊ぼう!」をテーマに、酪農専門農協ならでは企画が満載で、「牛さん○×クイズ」「酪農家さんと乳しぼり競争」「ミルクの郷クイズラリー」「牧草にお絵かき」などのほか、サツラク乳製品の販売もあり、大勢の親子連れが訪れ、夏の一日を楽しんだ。

「適切なサイレージの作り方」に関する動画公開:ラレマンドバイオテック

2019 年 8 月 6 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 2:32 PM ニュース

ラレマンドバイオテック(株)は、「適切なサイレージの作り方」に関する動画をYoutubeに4本アップロードした。この動画では、サイレージ作りにおけるコツを学ぶことができる。音声は英語だが日本語字幕が付いている。
そろそろ始まる2番草の収穫前に、適切なサイレージの作り方をおさらいしてみませんか?アメリカのドライブオーバーパイル(大型スタックサイロ)の動画もあるため、海外のサイレージに興味がある方にもおすすめ。

「高品質なサイレージ作りのための 収穫方法」

「サイレージ調製材の 選び方と使い方」

「ドライブオーバーパイルの 適切な作り方」

「サイレージの カバーと密閉の方法」

第8回 京都微研 学術セミナー:開催案内

Filed under: — Yayoi Uruno @ 2:21 PM セミナー開催案内,ニュース

(株)微生物化学研究所は10月23〜24日帯広市内および札幌市内で「第8回 京都微研 学術セミナー」を開催する。詳細は下記のとおり。

日 程:帯広会場:2019年10月23日(水)13:30?16:00
         ホテルグランテラス帯広
         北海道帯広市西1条南11-2(TEL:0155-27-0109)
札幌会場:2019年10月24日(木)13:30?16:00
ホテルモントレ エーデルホフ札幌
         北海道札幌市中央区北2条西1-1(TEL:011-242-7111)
内 容:テーマ:「明日からできる牛の疾病対策」
「生産性を上げるための下痢・呼吸器病対策のポイント」/松田敬一(NOSAI宮城)
「マイコプラズマ感染が生産性に与える影響と疾病対策」/樋口豪紀(酪農学園大学)
参加費:無料
※ 参加希望者は10月10日(木)までに下記に連絡すること
【問い合わせ】
(株)微生物化学研究所 営業支援室調整課 担当:鈴鹿
TEL 0774-22-4519 FAX 0774-22-4568

デラバル搾乳ロボット新モデル「VMS V300」発表会

2019 年 7 月 31 日

Filed under: — djito @ 8:53 PM ニュース

04

デラバル(株)は、7月31日に十勝管内幕別町で、搾乳ロボット「デラバルVMS」の次世代機となる「デラバルVMS V300」を発売するにあたり発表会を開催した。
全国から酪農家はじめ関係者ら約100人が参加した。

●ロボット牛舎設計の要点とは
曽我和彦社長は開催挨拶で、創業136年のデラバル社(スウェーデン)概要紹介に続き、世界の生乳生産動向を解説した。世界的に増産傾向にあるものの、そこでの大きな問題は「雇用の難しさと後継者不足」だとして、そのために「ロボット化およびデータを利用した飼養管理が必要とされている」ことを強調した。
その後、デラバル社の専門家による「搾乳ロボットの牛舎設計と諸外国の導入状況」と題した講演が行なわれた。ロボット搾乳牛群の行動分布の目標数値は、「飼槽に25~40%、VMSに5~10%、ストールに40~60%、ほか(移動、飲水)」、また「飼槽に6~10回/日来る。VMSに2~4回来る」とのこと。
さらにその後「デルプロ牛群管理ソフト」の解説、そして「デラバルVMS V300」の新機能が紹介され、最後に「デラバルVMS V300」の稼働の様子を実際に見ながら質疑応答が行なわれた。

●「デラバルVMS V300」三つの新機能
11年ぶりにモデルチェンジされた「デラバルVMS V300」の新機能は主に三つある。
まず、新開発の乳頭検知システム「デラバル・インサイト」。従来のレーザー方式カメラから新たに3Dカメラを採用し、スピード(最大50%装着スピードアップ)と正確性(装着率99.8%)を持って、乳頭検知およびカップ装着が行なえるようになった。
次に、牛に優しく効率的に搾乳が行なわれる「デラバル・ピュアフロー」。より良い乳頭洗浄と搾乳前刺激、真の分房別搾乳、より安定した真空圧供給、適切なカップ離脱などで、搾乳所要時間の短縮をもたらす。
そして、スマートフォンで搾乳ロボットの制御と監視ができる「デラバル・インコントロール」。牛舎内のどこからでも、搾乳ロボットを操作したり、稼働状況を把握できる。
これらの新機能により、1日の処理能力が約10%向上すること(搾乳能力3500kg以上/日)が期待される。

なお、同発表会は8月2日に、根室管内中標津町でも開催される。

※詳報はDairy Japan 9月号で。

« 前ページへ次ページへ »

Copyright (C) 2005 Dairy Japan Corporation. All Rights Reserved.