新たなスタートとなる2020年
2020 年 1 月 7 日
日本乳業協会など乳業13団体は1月7日、都内で令和2年合同新年賀詞交歓会を開催した。
開会に当たり日本乳業協会の西尾啓治会長は、昨年の酪農乳業界の話題として「昨年もまた自然災害が多い年だった。台風15号では千葉県で大規模停電が発生し、停電が長期化したことから乳業工場の操業停止や酪農家での生乳の廃棄が多く発生した。そのあとも台風や大雨などが立て続けに発生し、一昨年の北海道胆振東部地震でもそうであったように、自然災害がもたらす生乳需給に与える影響がますます大きくなってきている。業界としては自然災害はいつでも発生しうるという認識に立ち事前の対応がこれまで以上に求められる」と述べた。また生乳生産について、「酪農乳業関係者による生産基盤強化の取り組みにより、なんとか4年ぶりの増産を実現できる見込みとなっている。しかしながら都府県における生乳生産は減少傾向。一方で飲用需要は春先の価格改定や消費増税にもかかわらず堅調であり、生乳需給は構造的な問題をかかえている。不足する生乳を北海道から移送しているが、この必要量が年々増加しており、国内の生乳需給はますます不安定化している」とした。
また酪肉近の見直しについて「官民の協力による生産回復の芽が出てきつつある今、酪農乳業の未来に希望の持てる意欲的な基本方針を策定する必要がある。酪農と乳業が連携し牛乳乳製品の安定供給に努めていくことが最も重要。国際化などによる影響もしっかりと見据えたうえで環境の変化にも柔軟に対応し得る基本方針を策定していただきたい」と話した。
最後に「酪農乳業としても今まで以上に生乳から製品までの品質の維持・向上を図るとともに、革新的でわが国ならではの付加価値の高い新商品の開発を図り、消費者から選ばれる牛乳乳製品を生産し続けていく必要がある。2020年は酪肉近の新たなスタートの年。業界としても課題をひとつずつ解決していくことで酪農乳業の持続的な発展と価値向上に努めていきたい」と述べた。
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