搾乳ロボット製品化20周年記念イベント「オープンファーム」開催

2012 年 9 月 10 日

Filed under: — admin @ 8:02 PM セミナー報告

(株)コーンズ・エージーは8月31日・9月1日に北海道十勝管内で、レリー搾乳ロボット製品化20周年を記念した世界同時開催のワールドワイド・オープンファームを行なった。
会場となった牧場には特設テントが設置され、レリー社や搾乳ロボットおよび同社の歴史と概要、「アストロノートA4」の基本機能についてのプレゼンが行なわれた。
その後、牛舎に2台設置されている「A4」を見学しながら多種多様な機能についての説明が行なわれ、同牧場で稼働中の「餌寄せロボットJUNO」も紹介された。
栃木県や千葉県からも参加があり、参加者からは「ロボットを間近で見ることができて良い機会だった」「ロボットに興味が湧いた」「楽しかった」といった感想が数多く聞かれた。

獣医師側から酪農現場のリスクマネジメントを考える

2012 年 9 月 5 日

Filed under: — admin @ 8:41 PM セミナー報告

ファイザー株式会社は9月5日札幌で、「酪農現場におけるリスクマネジメントを考えるーとくに、農場HACCPとISO22000についてー」をテーマとして、「プロダクションメディスン研究フォーラム2012」を開催し、獣医師をはじめ、酪農、肉牛、養豚、養鶏農家や関係機関など、200名弱が参加した。

開催に先立ち、木田克弥氏(帯広畜産大学 畜産フィールド科学センター、教授)は、「食の安全を製造過程で確保していく、その認証としてHACCPやISOがある」と挨拶した。

講演では、ジョセフ・ノードハイゼン氏(オーストラリア、チャールズ・スタート大学、教授)が、「ヨーロッパでの農場における乳牛のHACCPシステムの取り組み」と題し、HACCPの原則に基づいた獣医アドバイザリープログラムについて、ハードヘルスと生産管理プログラムを交えながら解説した。

赤松裕久氏(静岡県畜産技術研究所、上席研究員)は、「農場HACCPとISO22000:酪農場におけるリスク管理の実際」と題し、国内で初めてISO22000を取得した酪農場として、ISO22000は、HACCPという衛生管理システムと、ISO9001というマネジメントシステムを融合したものであり、この二つを融合することで、より確かな安全性の確保につながると解説した。

このプロダクションメディスン研究フォーラム2012の詳細については、DairyJapan11月号にてご紹介します。

「乳成分の栄養研究」をテーマにシンポジウム:日本酪農科学会が開く

2012 年 8 月 17 日

Filed under: — admin @ 6:35 PM セミナー報告,ニュース

8月17日、日本酪農科学会(会長:齋藤忠夫氏・東北大学大学院)は都内で、「乳成分の栄養研究Update」をテーマに平成24年度酪農科学シンポジウムを開いた。

「牛乳・乳製品摂取とメタボリックシンドローム」では上西一弘氏(女子栄養大学)が海外での研究報告を紹介するとともに、日本での20から69歳までの非喫煙者を対象にした試験結果から、牛乳・乳製品が骨の健康だけでなく、メタボリックシンドロームにも有用である、などと報告した。

「乳成分の脂質代謝改善作用・乳清ペプチドを中心に」では、長岡利氏(岐阜大学)が乳成分から高コレステロール代謝改善ペプチドを世界に先駆けて発見したことや、乳タンパク質・乳脂質・乳糖・乳Caなどの脂質代謝改善作用を詳説し今後、より詳細な分子レベルにおける作用機構の解明が望まれる、とした。

「乳中の共役リノール酸・トランス脂肪酸の栄養機能」では河原聡氏(宮崎大学)が、反芻動物の乳に特有の共役リノール酸が持つ抗がん作用や抗動脈硬化作用などを報告し、「ホエイペプチドに潜在する生体調節機能」では吉澤史昭氏(宇都宮大学)が、ホエイ(乳清)中の分岐鎖アミノ酸(BCAA)を豊富に含むホエイペプチドは未知の機能を秘めた次世代型生体調節因子として注目すべき栄養素である、などと報告した。

シンポジウムの基調講演では、細井孝之医師(国立長寿医療研究センター)が「健康寿命と乳・乳製品」と題し、乳や乳製品は健康のために、さまざまなライフステージで積極的に活用されるべき、と述べた。

その後、明治、森永乳業、雪印メグミルクの各研究所から、乳酸菌、ラクトフェリン、ホエイペプチドの栄養効果などが報告されたほか、30のポスター発表が行なわれた。

現在、日本では国立の研究機関では乳分野は殆ど研究されていない。しかし、大学や食品企業の研究陣が展開している「乳」が人の健康にどのように貢献するかという、微細な研究の一端を伺わせるシンポジウムだった。(文責:関東支局)

*関連書籍
「バルクの先を追ってみよう」 DairyJapan 2012年6月増刊号

情報の「送り手」の信頼度が重要:「食の安全と安心フォーラム・5」、開かれる

2012 年 7 月 28 日

Filed under: — admin @ 8:04 PM セミナー報告,ニュース

7月28日、NPO食の安全と安心を科学する会(本部事務局:東大大学院農学生命科学研究科内)は、第5回目の食の安全と安心フォーラム「食育:食の安全性と機能性を正しく理解するために」を都内で開いた(後援・東大大学院食の安全研究センター)。

基調講演では、服部幸應氏(服部学園理事長)が「食育の現在・過去・未来」をテーマに、日本の食生活の現状と克服すべき課題などを述べた。

同会理事長の山崎毅氏は「食の安全を安心に変える学術啓発活動とは」と題し、現在、日本の食品中の放射性セシウムの基準値は、おおむね欧米の10分の1の水準であるとしたうえで、「食のリスク情報が氾濫すると、消費者が食品情報過敏症に陥り、リスク認知を間違える可能性が高くなる」、「そのため情報の送り手側の姿勢(精度、公開など)が重要になる」、「情報は、魅力的で、受け手と類似性があり、信憑性があることが重要」などと話し、消費者が食の安全を正しく理解するためには、科学的・中立的かつ分かりやすい継続的な学術啓発活動が最も重要、と示唆した。

その他「食のリスクに対する消費者意識」細野ひろみ氏(東大大学院准教授)、「食品ラベル情報が消費者行動に与える影響」古川雅一氏(東大食の安全研究センター特任准教授)、「食品の汚染カビをめぐる危害と安心・安全」高橋治男氏(国立医薬食品衛生研究所客員研究員)、「生食について考える。食中毒対策への提言」関崎勉氏(東大食の安全研究センター長・教授)、「最近の食物アレルギーの実態と対策、および花粉症との交差問題」小川正氏(京都大学名誉教授)、「食品の機能性評価の新展開」大澤朗氏(神戸大学食の安全・安心科学センター長・教授)、「疲労・抑うつと食の関連、抗疲労トクホに向けて」倉垣弘彦氏(関西福祉大学教授)が、
食の安全と安心の「最適化」に向け、それぞれ講演した。(文責:関東支局)

*食の安全と安心を科学する会 http://www.nposfss.com/

ニュージーランド酪農は乳価が堅調なら、さらなる増産可能:農畜産業振興機構セミナー

2012 年 6 月 28 日

Filed under: — admin @ 8:10 PM セミナー報告,ニュース

独立行政法人農畜産業振興機構は28日、「ニュージーランド(NZ)酪農における生産拡大の可能性」についてセミナーを開き、約100名が参加した。同機構が今年2月に現地調査を行なった内容を報告したもの。

報告は、同機構調査情報部部長の岩波道生氏、同部の前田昌宏氏が行なった。概要は次の通り。

1:NZ酪農は戸数は1万1735戸、放牧形態で平均頭数385頭、平均乳量3829リットル、総生産量1740万トンで拡大基調にある。生乳取引は乳固形分単位で行なわれる。
2:生産量は全世界の3%。生産量の95%がバター、全粉などで輸出される世界最大の輸出国。乳価は国際価格で決定される(日本の輸入シェアはバターで第一位、チーズで第二位)。
3:生乳生産量は11/12年度で前年比約1割増の見込み。背景には、1頭当たり乳量増だけでなく、増頭がある。それを可能にしたのは、牧草地の拡大と家畜の放牧密度の上昇。
4:牧草地の拡大は灌漑施設の整備、家畜密度の上昇は補助飼料(例:パーム粕、トウモロコシサイレージなど)の利用等があげられる。
5:乳価が堅調なら、さらなる増産は可能。今まで以上にNZの生産動向を注視していくことが必要。今後10年間で現在の3割増は可能で、供給国としての存在感が増大する。
6:一方、乳価が下落した場合は投資額の大きな酪農家のキャッシュフローが悪化し、その対応として従来型の放牧への依存度を高めるなどの低コスト化志向となり、生産構造に大きな影響を与えることが予測される。

ちなみにオーストラリア酪農の生産量は、2001年度をピークに減少傾向にある。(文責:関東支局)

*農畜産業振興機構ホームページ: http://www.alic.go.jp/

乾乳期間短縮に踏み込む時期に来た/帯畜大ワークショップ

2012 年 6 月 25 日

Filed under: — djito @ 6:16 AM セミナー報告

帯広畜産大学主催の「第14回畜産衛生に関するワークショップ」が23日に同大学で開催され、酪農家、乳牛飼料・栄養関係者、獣医師など200名以上が参加した。
今回は、「乾乳期間の短縮」に焦点を絞り、リック・グルマー氏(米国ウィスコンシン大学名誉教授)、中村正斗氏(北海道農業研究センター)、小山毅氏(根釧農業試験場)の3人が最新の研究成果や知見などを紹介した。

リック・グルマー氏は「乾乳期間の短縮に関する理論と実際」と題して、乾乳期間の短縮による代謝障害軽減と繁殖成績改善の実際を解説し、乾乳期間短縮で負のエネルギーバランスが改善されることなどを示した(写真)。

中村正斗氏は「乳牛の乾乳期間短縮によるストレス軽減と乳生産への効果」と題して、乾乳期間を30日に短縮した場合の乳量・乳成分、TDN充足率、体重、BCS、血液成分、疾病発生に及ぼす影響などを紹介し、乾乳期間短縮でストレス軽減も期待できることなどを示した。

小山毅氏は「乾乳期間の短縮が乳生産および繁殖に与える影響」と題して、次産次の乳生産に及ぼす影響、分娩前後のBCSに及ぼす影響、繁殖に及ぼす影響などを紹介し、乾乳期間短縮で繁殖成績の改善も期待できることなどを示した。

※詳報はDairy Japan 8月号で。

関東しゃくなげ会開催

2012 年 6 月 15 日

Filed under: — maetomo @ 5:26 PM セミナー報告,ニュース

ZENOAQ 日本全薬工業株式会社は6月15日、都内で関東しゃくなげ会第33回研修会を開催した。テーマは「産業動物医療の最新情報!! 繁殖障害の取り組み第1歩」。
研修会では、「牛の発情および発情兆候と授精適期」(東京農工大学獣医学科・加茂前秀夫教授)、「牛の繁殖成績の現状と向上対策」(酪農学園大学酪農学科・堂地修教授)、「1農場におけるF1雌牛をレシピエントとした胚移植成績向上の取り組み」(千葉県農業共済組合連合会・原誠技術副主査)の講演が行なわれた。この中で堂地修教授は乳牛の繁殖成績改善には適切な飼養管理が重要で、そのためには生産者と獣医師のコミュニケーションが大切だと話した。
講演後は、総合討議および質疑応答、従来品に比べて4倍のセレンを配合した新商品「鉱塩セレニクス60TZ」の説明が行われた。

農研機構:畜産草地研究所が「放射能汚染抑制技術シンポジウム内容」を掲載

2012 年 6 月 4 日

Filed under: — admin @ 9:35 PM セミナー報告,ニュース

農研機構 畜産草地研究所は昨年秋に開かれた「放射能汚染技術制御技術 国際シンポジウム」の概要を同研究所ホームページに掲載した(転載・引用には原著者の許諾が必要)。
内容は、次の通り。

Soil-Plant transfer of radioactive caesium: data, mechanisms, models and solutions
Erik Smolders (Katholieke Universiteit Leuven)
Countermeasures and remediation for reducing radiocaesium contamination of farm animals
Brenda J. Howard (National Environment Research Council, U.K)
Impact of Radioactive Cesium on Food-Response of NARO Food Research Institute
Shinichi Kawamoto (NARO Food Research Institute)

イネにおけるフォールアウト90Srと137Csの経根吸収と部位別分布
塚田 祥文 (財団法人 環境科学技術研究所)
放射性物質のイネへの移行モデルの構築
高橋 知之 (国立大学法人京都大学 原子炉実験所)
日本の農耕地土壌における137Csの動態
山口 紀子 ((独)農業環境技術研究所)
チェルノブイリ原発事故と核実験がわが国の牛乳に及ぼした影響
塩谷 繁 ((独)農研機構 畜産草地研究所)
Agricultural Land Management Options Following Large-Scale Environmental Contamination
Hildegarde Vandenhove (Belgian Nuclear Research Centre SCK・CEN)

*問合せ:畜産草地研究所(茨城県つくば市)

おいしいミルクセミナー 埼玉会場「健康を支えるミルクの栄養」:日本乳業協会が開く

2012 年 6 月 1 日

Filed under: — admin @ 6:15 PM セミナー報告,ニュース

6月1日は牛乳の日、6月は牛乳月間にちなみ、一般社団法人日本乳業協会は1日、埼玉県さいたま市内のホテルで、「おいしいミルクセミナー」を開いた。参加者は350名。会場には同協会、中央酪農会議、明治、森永乳業、雪印メグミルク、協同乳業、グリコ乳業、タカナシ乳業、西武酪農乳業および埼玉県牛乳普及協会がブースを設け、牛乳とヨーグルトの試飲、各社商品のプレゼンテーションを行なった。

開会挨拶で、同協会常務理事の石原哲雄氏は「昨年は東日本大震災および原発事故の影響で安全・安心、とりわけ放射性物質対策に追われた。牛乳は原料段階から自治体が検査しており、さらに製品についても当協会がモニターし、基準値以下で不検出だった。安心して飲んでいただき、このセミナーで牛乳乳製品の新しい面を知って欲しい」と述べた。

また中央酪農会議の酪農理解対策室室長補佐の齋藤淳氏が「MILK JAPAN活動」について説明。同協会の企画・広報部長の内田幸生氏が「3・A・Day(一日3回または一日3種類の牛乳乳製品を摂取する)活動」に触れながら、消費喚起を訴えた。

セミナー1部では、東京大学大学院の清水誠教授が「健康を支えるミルクの栄養」と題して講演。ミルクが牛の乳房内でどのようにつくられるかを紹介したうえで、牛乳の栄養成分を分かりやすく解説した。なかでも牛乳のタンパク質の重要性を説き、牛乳を飲むことの意義を次のように示した。

1 幼児・小児:成長に必須の良質なタンパク質やミネラルの供給
2 妊婦:胎児の成長や母体の健康維持に必要な栄養素の供給
3 成人:健康な生活を送るために役立つ栄養素や機能性成分の補給
4 高齢者:骨の老化や免疫力の強化に役立つ栄養素や機能性成分の補給

そして、牛乳は栄養バランスが良く、消化吸収性に優れ、さまざまな加工特性を持っていて、おいしい食品の素材として使いやすい。一部の人には乳糖不耐症やアレルギーを呈するが、牛乳はベネフィット(利益)が大きい食品素材と結論づけた。

セミナー2部は、浦和ロイヤルパインズホテルのシェフパティシエの柴山恵生氏が、牛乳や生クリームを使った2品のスイーツ「ババロワ リオレ」「パンナコッタ」を会場内で調理し、できあがったスイーツを全員が試食した。その後、会場と演者との質疑応答が行なわれた。(文責:関東支局)

*関連書籍
「バルクの先を追ってみよう」 本誌2012年6月増刊号

十勝・釧路・根室が合同で「飼料設計」の情報交換形式セミナー

2012 年 4 月 27 日

Filed under: — djito @ 12:00 PM セミナー報告

十勝農協連・釧路農協連・根室生産連の3地区連合会主催による「飼料設計技術セミナー」が4月26・27日に十勝農協連で行なわれ、3地区から飼料設計に携わる担当者ら約60名が参加した。

講師は本誌でお馴染みの大場真人准教授(カナダ・アルバータ大学)。
同セミナーは通常のセミナーと形式を変え、講師と参加者間による技術情報交換を主とし、講義とディスカッション方式で行なわれた。

内容は、
TMRの飼料設計
分離給与の飼料設計
乾物摂取量(DMI)を制限しているメカニズム
粗飼料の質を考える
クロースアップのエネルギー給与
離乳移行期の子牛の栄養管理
アシドーシス研究の最前線、など。

TMRの飼料設計においては、
「1群で設計する場合、どの牛を対象にして設計するか?」
「2群以上のグループ分けは、どのようにするか?」など、
講師は最新データと考え方を示し、参加者は日頃の取り組みや実情を述べ情報交換し合った。

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