おいしいミルクセミナー 埼玉会場「健康を支えるミルクの栄養」:日本乳業協会が開く
2012 年 6 月 1 日
6月1日は牛乳の日、6月は牛乳月間にちなみ、一般社団法人日本乳業協会は1日、埼玉県さいたま市内のホテルで、「おいしいミルクセミナー」を開いた。参加者は350名。会場には同協会、中央酪農会議、明治、森永乳業、雪印メグミルク、協同乳業、グリコ乳業、タカナシ乳業、西武酪農乳業および埼玉県牛乳普及協会がブースを設け、牛乳とヨーグルトの試飲、各社商品のプレゼンテーションを行なった。
開会挨拶で、同協会常務理事の石原哲雄氏は「昨年は東日本大震災および原発事故の影響で安全・安心、とりわけ放射性物質対策に追われた。牛乳は原料段階から自治体が検査しており、さらに製品についても当協会がモニターし、基準値以下で不検出だった。安心して飲んでいただき、このセミナーで牛乳乳製品の新しい面を知って欲しい」と述べた。
また中央酪農会議の酪農理解対策室室長補佐の齋藤淳氏が「MILK JAPAN活動」について説明。同協会の企画・広報部長の内田幸生氏が「3・A・Day(一日3回または一日3種類の牛乳乳製品を摂取する)活動」に触れながら、消費喚起を訴えた。
セミナー1部では、東京大学大学院の清水誠教授が「健康を支えるミルクの栄養」と題して講演。ミルクが牛の乳房内でどのようにつくられるかを紹介したうえで、牛乳の栄養成分を分かりやすく解説した。なかでも牛乳のタンパク質の重要性を説き、牛乳を飲むことの意義を次のように示した。
1 幼児・小児:成長に必須の良質なタンパク質やミネラルの供給
2 妊婦:胎児の成長や母体の健康維持に必要な栄養素の供給
3 成人:健康な生活を送るために役立つ栄養素や機能性成分の補給
4 高齢者:骨の老化や免疫力の強化に役立つ栄養素や機能性成分の補給
そして、牛乳は栄養バランスが良く、消化吸収性に優れ、さまざまな加工特性を持っていて、おいしい食品の素材として使いやすい。一部の人には乳糖不耐症やアレルギーを呈するが、牛乳はベネフィット(利益)が大きい食品素材と結論づけた。
セミナー2部は、浦和ロイヤルパインズホテルのシェフパティシエの柴山恵生氏が、牛乳や生クリームを使った2品のスイーツ「ババロワ リオレ」「パンナコッタ」を会場内で調理し、できあがったスイーツを全員が試食した。その後、会場と演者との質疑応答が行なわれた。(文責:関東支局)
*関連書籍
「バルクの先を追ってみよう」 本誌2012年6月増刊号
TrackBack URL :
Comments (0)