「給飼」と「エサ寄せ」を自動で同時に

20140228

十勝管内のM牧場は経産牛160頭。
搾乳牛は、搾乳ロボット2台と繋ぎ牛舎で管理されています。
搾乳ロボット牛舎の飼槽には自動給飼機が設置されていて、
混合飼料(濃度が薄め)が1日10回給飼されます。

M牧場は、その自動給飼機の下に「エサ寄せ板」を設置し、
「給飼」と「エサ寄せ」が自動で同時に行なわれるようにしています。
この自動給飼機は、動力と駆動が強力なので、それが可能なのだそうです。
ちなみに「エサ寄せ板」の部品は、国道沿いで見かける「防雪柵」の再利用だそうです。

だから神は農家を作った(和訳)

2月23日で既報の「だから神は農家を作った」を、
照井英樹氏〔酪農学園大学 講師(非常勤)〕が翻訳してくださいました。

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そして8日目。
神は自らが作り給うた楽園を見おろし、こう言った。
「世話をする者が必要だ」
だから神は農民を作り給うた。

神はこう言った。
「空が暗いうちに目を覚まし、乳を搾り、一日中畑仕事をし、また乳搾りをし、夕食が終わってから出かけ、夜中過ぎまで学校の役員会の会合をする。そんなことができる者が必要だ」
だから神は農民を作り給うた。

神はこう言った。
「若牛を押さえつけるような強き腕を持ち、その腕で自分の孫を抱きかかえるような繊細さを持つ者が必要だ。
ブタを追い集め、轟音をとどろかせる機械を操り、腹ペコで家へ帰っても奥さんの友人たちが帰るまで昼食をじっと我慢し、彼女たちが帰る時にも 穏やかに『お気をつけて。またどうぞ』とほほ笑む者が」
だから神は農民を作り給うた。

神はこう言った。
「馬のお産のために徹夜ができる者が必要だ。そして、その仔馬がすぐに死んだとしても、静かにその死を看取り、涙を拭いて上を向き、『来年また頑張ろう』と言える者が。
斧を磨き、その柄を固い木から削り出し、蹄鉄を打ち付け、乾草ベールのトワインからロープやモクシ、オーバーシューズを編み上げられる者が必要だ。
播種や収穫シーズンには、一週間が終わっても40時間以上働き続け、トラクター腰痛に耐え、その後またすぐに72時間働き続ける者が」
だから神は農民を作り給うた。

「でこぼこ道を長時間 トラクターに乗り続け、雨雲が見えたら倍のスピードで牧草を運び、隣で困りごとがあったら、畑の真ん中に自分のトラクターを置いたまま助けに向かうような者が必要だ」
だから神は農民を作り給うた。

神はこう言った。
「大木を切り倒し、ベールを軽々と担ぐ力持ちでありながら、仔羊を抱き上げ、子豚に哺乳し、孵ったばかりの雛鳥の世話や、牧草を刈るときに怪我をしたヒバリを見つけたら、モアーを止めて足に添え木をするような優しさの持ち主が必要だ。
深く、真っ直ぐ耕起し、角もきちんと耕す。ディスクをかけ、種を播き、雑草を取り、エサをやり、繁殖をし、草を集め、羊毛を紡ぎ、ミルクフィルターを取付け、フィーダーを補充し、ヘトヘトに働き続けた一週間を終え、10km以上も離れた教会に来る者が。
ソフトだが強い絆で家族をまとめ上げる者が必要だ」

「ある日息子が、父親がしてきたのと同じことをして一生を過ごす決心をしたとき、それを聞いて笑い、ため息を一つつき、目を細め、無言の笑顔を以て息子に応える者が」
だから神は、農民を作り給うた。

だから神は農家を作った

Dairy Japan 3月号「海外だより」で紹介されているように、
米国で昨年、最も優れている広告(CM)として選ばれた一つが、
車メーカーのクライスラー社の標記だったそうです。
以下のYouTubeで見ることができます。

青年部から地域活性化を

09

こんにちわ!

先日は北海道だけではなく本州でも大雪で、

大変厳しい天候となった地域が多かったと思います。

それとともに、インフルエンザやノロウイルスも流行っていると聞きますが、

皆さんは大丈夫でしょうか?

さて、DairyJapanの3月号が発刊され、皆さんの手元にも届いているかと思います。

今回の「オンファーム」は北海道根室管内の計根別地域の酪農家を取材しました。

そのなかに登場する、計根別地域活性化プロジェクト「地域発信型映画制作」ですが、

これは、吉本興業主催で各地の魅力を映画として発信するというものです。

来月の3月に沖縄国際映画祭に出品されるということです。

計根別農協青年部が中心となり、「もっと計根別を知ってもらうことからスタート」とのことです。

計根別は酪農が盛んな地域で、その地域の青年部に所属する酪農家達が、

こうした地域活性化に取り組まれていること、非常に魅力的に感じます。

酪農家の皆さんには、パワフルにエネルギッシュにご活躍していただきたいと思います。

3月号の読みどころ

2014年3月号表紙2月に入ってから都心でも大雪が降り、各地にさまざまな被害をもたらしました。

被害にあわれている方の話を聞くと、とても心が痛みます。

被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

さて、Dairy Japan 3月号の読みどころを紹介します。

 

3月号のルポ特集は「発酵TMRを使いこなす」です。

発酵TMRや発酵飼料は、調製・給飼作業の軽減ができるほか、泌乳効果や食品製造副産物利用による低コスト化に有効だと支持されています。

今回は、泌乳性が高く、嗜好性に優れ、さらに保存性を有する発酵TMRの魅力とともに、それらを使いこなしている農場の事例を紹介します。

 

TMRに関連した注目記事は「北海道におけるTMRセンターの運営安定化に向けて」です。

北海道ではTMRセンターを利用する酪農家戸数が10%を超えようとしています。このように大きな影響力を持つTMRセンターが今、抱えている課題と、運営の持続安定のための対策について書かれてあります。

 

Hot topicsではJミルクによる「牛乳乳製品に関する食生活動向調査2013」の結果について紹介しています。ここで注目していただきたいことは「酪農への共感意識が価値向上につながる」ということです。

牛乳は生活習慣病を予防する、骨を強くする等の機能的価値よりも共感的価値のほうが牛乳の価値向上につながるという結果が得られました。

確かに周りを見ると、牧場体験をして「牛乳が好きになった」「飲むようになった」といったことを聞くことがあります。私自身はもともと牛乳が好きでしたが、酪農について学び始めてからは、「牛乳はおいしい」ということだけでなく、酪農家さんや乳牛への感謝の気持ちが一層深まりました。

 

ほかにも酪農家さんの経営のヒントとなる記事や最近のニュース、皆さんが気になっていることなど、読んでためになる記事を、たくさん掲載しています。ぜひご覧ください。