寒波にやられています

写真は1月22日夜の私の自宅付近です。タレントの志村けんさんでお馴染みの東村山市というところで、東京都の多摩東部に位置します。

4年ぶりの大雪に見舞われ、雪に不慣れな首都圏はパニック状態でした。

その影響は、とくに高速道路や幹線道路で大きく、関東や東北で集乳できないなどの余波を与えました。

そしてこの大雪の頃から最強クラスの寒波に見舞われ、都内でも氷点下3度を連日記録するなど、私の記憶にあるかぎり一番の冷え込みを迎えています。

この寒さの影響もあって、なかなか雪が融けきらないのは都内だけではないはずです。

例年以上に寒い今、寒冷ストレスに弱い子牛への防寒対策や飲水施設の凍結防止など、いつも以上に注意してみてください。]

知人のFacebookの投稿では、子牛の飲水用バケツの水がカチコチに凍結し、「アイスプリン」になっている様子もアップされていました。

あと数カ月すると、「暑熱に注意!」とアップするか思うと、時間が経つのは早いな~と感じます。

今年もご愛顧ありがとうございました

写真はイメージです

年の瀬も押し迫る頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。酪農家の皆さんにおかれましては、「年末年始も関係なし!」という方も多いと思い少々恐縮ですが、弊社は昨日、仕事納めをさせていただきました。

畜案法改正によって補給金制度のあり方が変わったり、日欧EPAの大枠合意やTPP11の大筋合意されたことなど、大きな変化のあった年でした。一方で、ここのところ欧州やオセアニアでバター不足という情報も聞きます。海外の情勢も刻々と変化しているようです。以前から「将来はお金を出しても輸入がままならなくなる」と危惧されてきましたが、それが現実味を帯びてきたのではないでしょうか。

このことはより一層、国産生乳の必要性が高まり、酪農にとってチャンスと捉えられるのではないでしょうか?業界団体も「生乳生産基盤の維持・拡大」を声を大にして訴え、それをサポートするメニューも用意しています。例えばJミルクの「酪農乳業産業基盤強化特別対策事業」などです。酪農乳業の関連団体はどこも「増産してほしい」とメッセージを発しています。あとはこのビッグウェーブに乗るか、乗らないかですね。規模拡大だけではありません。乳量増やロスの削減も「増産」につながりますし、底堅い経営を支える基礎になります。

本年も、Dairy JapanならびにDairy Japanホームページをご愛顧いただきまして、ありがとうございました。来たる年も皆様に役立つ情報の発信に努めますので、引き続きご愛顧いただけますようお願い申し上げます。良いお年をお過ごしください。

バーンミーティング

先週、静岡県のA牧場を舞台に行なわれたバーンミーティングを取材してきました。乳房炎コントロールがテーマで、酪農家5名を含む18人が参加しました。写真は快晴に恵まれた2日目に撮影した富士山です。

バーンミーティングでは参加者や講師の皆さんで搾乳の様子を視察したり、牛舎内をくまなく見て回るなどした後に、乳房炎コントロールと乳質向上に向けた取り組みを議論しました。

詳細は1月号で紹介しますが、舞台となったA牧場のJさんは、「皆さんに施設や作業を見てもらい、気づいたことを指摘してもらえたことがうれしい」と言い、第三者目線が入ることで農場の改善が進むことを実感していました。そして昨日、Jさんは「当日皆さんに指摘していただいたことは、即改善しました!」と嬉しそうに電話をくれました。

今回のポイントは、改善に向けたアドバイスを即実行したことに尽きると思います。時が経ってしまえば、「まあいいか」とやり過ごしてしまうかもしれません。今度は改善の成果を聞くことを楽しみにしています。

快適なフリーストールと穏やかな牛

千葉県のK牧場は昨年、念願のフリーストール牛舎を新築しました。

以前からフリー飼養構想を描いていたKさんは、主に県外のフリーストール農場を視察して見識を高め、牛にとって快適なフリーストールは何かを模索していました。

写真はそのK牧場のフリーストールでの一枚。牛達がゆったりと横臥・反芻しています。

取材中、内部の様子を撮影しようとフリーストール内部に入った部外者の私に対しても、牛達はあまり警戒心を抱く様子がないことが印象的でした。いわゆる「逃避距離が短い」という表現がぴったりとくるK牧場。その秘訣は穏やかな気質の牛群作り(改良)と、牛を急かさない管理、牛に無理をさせない管理に集約されると言います。

快適な環境でゆったりと横臥する牛達を見ると、日頃の管理が眼に浮かぶようです。

そんなK牧場の詳細な様子は12月号「オン・ファーム」で紹介します。

自給飼料の有効活用と付加価値創造

神奈川県のK牧場では、ホルスタインのほか、ジャージー種の乳牛を8頭管理しています。

圃場面積の少ないK牧場では、自給飼料の通年給与はままなりません。しかし、堆肥処理などのため自給飼料生産は続けなくてはならない。そのため、ジャージー種を自給飼料の有効活用のために導入したと言います。また、ジャージー種には受精卵の借り腹としての利用価値も見出しています。

Kさんは、「基本はホルスタイン。プライドのためにも、ホルスタインで改良を進め、乳を搾ることがあくまでも主流」としつつ、今後は地元農協で販売するソフトクリームの原料乳として、ジャージー生乳を使い、その付加価値を高めることを計画しています。

規模拡大が難しい都市近郊酪農で、経営体力を強化し、収益性を高めるためのチャレンジは続きます。