現在編集中のDairy Japan4月号の連載「誰にも聞けない酪農キーワード」は、蹄底潰瘍がテーマです。
本誌読者の皆様は、常に蹄の健康に注意を払っていることと思いますが、お手元に届きましたら、ぜひご一読ください。改めて蹄を考えるきっかけになると思います(発刊までまだ1カ月強ありますが……)。
本稿の「はじめに」では著者が、蹄病で脚が痛い牛の行く末を「生産寿命の短縮」と表現しています。それは、脚の痛みによって採食量の低下や固め喰いをし、蹄病以外の疾患にかかりやすくなってしまうこと、明瞭な発情徴候を示さなく成ることによる繁殖成績に低下、難産・子宮捻転のリスク増と、さまざまなリスクが高くなることにあります。それだけでなく、管理する人の労力も増加してしまいます。
裏を返せば、健康な蹄は、それらのリスクを低くし、乳量のロスを減らし、管理労力も増加しないことになり、メリットがたくさんあることになります。
著者は蹄底潰瘍の対策として、1.蹄を整える、2.横臥時間を確保する、3.栄養管理、4.蹄病の早期発見、をあげ、それらについて詳しく解説しています。
農場によって蹄病の発生傾向や発生要因はそれぞれだと思います。ぜひ、それぞれの農場の特徴や蹄病の発生傾向を踏まえて対策を考えてください。
投稿者: Tomohiro
搾乳ロボット牛舎へお邪魔
先日、兵庫県のF牧場へお邪魔しました。
F牧場は搾乳ロボット牛舎から新たな搾乳ロボット牛舎へ移行し、約2倍のキャパシティに規模拡大を果たしています。
牛舎はコンポストバーン。搾乳ロボットは2基導入しています。
面白い取り組みとして、乾乳牛や分娩前の初妊牛も搾乳ロボット牛舎に同居していること。初妊牛は、分娩後の搾乳ロボットへの馴致のためと言います。
現在は、旧搾乳ロボット牛舎を乾乳・育成舎へするなど、牛舎のステージ別の棲み分けをし、搾乳頭数を増やすことを計画中とか。
詳細はDairy Japan3月号で。
また、Dairy Japan3月号では技術記事として搾乳ロボット牛舎設計のポイントも紹介。こちらもご期待ください。
あけましておめでとうございます
皆さま、あけましておめでとうございます。
令和3年の年明け、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
昨年は新型コロナウイルス感染症によって、緊急事態宣言が発出されたり、また多くの行事が延期・中止となったり、新しい生活様式が取り入れられるなど明るくない話題の多い異例とも言える年でした。新型コロナウイルス感染症については、依然収束は見えず、国内の感染者は日々増加傾向にあります。
迎えた令和3年は、待ちに待った丑年。われわれ酪農乳業に携わる人にとって、最も身近な牛が干支となる年です。丑年は「先を急がず着実に物事を進めることが大切な年」と言われています。別の角度から見えれば、着実に日々と向き合うことが将来の成功につながる、とも言えるのではないでしょうか。
新しく迎えた丑年、日々、牛に感謝しつつ、業界全体のさらなる発展を目指していきましょう!
DIYで哺育舎を
先日取材でお邪魔した岡山県のU牧場。
建築業での就業経験もあるUさんは、DIYが得意だと言います。
そして案内してくれたのが、古い施設を改修した哺育舎。単管パイプなどを使い、基本的にすべて手作り。スターターや乾草、水を入れるボールは100円均一で購入したもので、ボールのサイズに合わせて作られた飼槽の台もDIY。既製品のような仕上がりでした。
そして個体の識別票はパソコンで作成し、プリントアウトしたものを掲げています。ちょっとした手間で、哺育舎内部は整然とした印象になると感じました。
単管パイプなどはホームセンターで安価に購入できるもの。手間と工夫で、低コストで環境を整えることができる好例を見た気がしました。
バイオセキュリティの参考に
昨日、岡山県のU牧場にお邪魔しました。
Uさんは昨年実家の酪農場に就農する前は、一般企業でサラリーマンをしていたそう。そのとき、ISOなども学び、就農後の農場管理にもそのノウハウを活かしていると言います。
農場にうかがってまず感じたことは、整理整頓が行き届いているということ。各種書類はきちんとファイルにまとめられ、必要な情報にすぐアクセスできるようになっています。
また、備品や工具も自作の整理棚で、それぞれの「住所」を明確にしたうえで管理されていました。
そんななか、U牧場の入り口に注目しました。家畜伝染病予防のための「関係者以外立ち入り禁止」の表示の下には、車両消毒に使ってもらう消毒薬と噴霧器、来場者の記帳表はもちろん、非接触型の体温計、手指消毒薬が整然と並べられていました。
家畜伝染病予防はもちろん、ここ最近、再度拡大傾向にある新型コロナウイルスの農場への持ち込みリスクの低減もきちんと実施しています。
バイオセキュリティ対策は、農場を守る基本的な事項です。ぜひご参考に。