新興国の市場に魅力:ワールドデイリーリーダーズフォーラム
2013 年 10 月 29 日
ワールドデイリーサミット2日目は、世界の乳業トップら7名が自社の事業展開とグローバル市場への期待などをリーダーズフォーラムで講演した。このうち、デンマークのArla Foods、米国のLand O’ Lakes、カナダのSaputo、ニュージーランドのFonterraの各社は、グローバル市場のうち、とくにアジアや中東、アフリカの一部新興国市場の成長に期待するとした。前述の各社は、自国以外にも市場を広げるグローバル企業で、ともに市場の将来性についてはポジティブな見方を示した。
また、急速な市場拡大を続ける中国からは、最大手の蒙乳のYiping Sun CEOが登壇し、中国における牛乳乳製品市場の現状、発展性などを紹介した。Sun氏によると中国の乳業は、「世界でもっとも急速に成長している」とし、市場の拡大スピードは世界の市場拡大スピードの5倍に達するとした。そして消費者の一番の関心は「安全性」であり、同社にとっても安全性が最優先事項だとした。また、中国国内では消費者ニーズが多様化しており、商品の差別化が不可欠だとした。とくに、栄養だけでなく、味やファッションも重要で、オリジナルパッケージを作成できる牛乳を市場投入するなどして、「消費者が自分で参加、カスタムできる」商品で支持を得た例を示した。
最終講演では、明治HDの浅野茂太郎社長が日本における牛乳乳製品需給と、今後の課題などを講演した。浅野社長は講演で、「日本人は日本食文化を維持しながら、乳を取り入れ、消費を急速に拡大してきた。その背景には学校給食牛乳も大きな役割を果たした。ただ、欧米と比較して消費は少ない、まだまだ、拡大の余地があるだろう」と話した。また、世界的に乳製品供給が不足する見通しのなかで、「輸入に頼るのは間違い」だと指摘した。そしてTPPについて、「日本の生・処・販として注目している。乳、生乳の安定的供給のためにも、単純な市場開放はできない」と反対の立場を示した。
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