国内生産量は維持されるように 日EU・EPAとTPP11
2018 年 1 月 23 日
農水省北海道農政事務所、経産省北海道経産局、北海道は1月23日、札幌市で、TPP11および日EU・EPAについての概要説明会を開催した。道内各地から関係者ら約200名が集まった。
関係省庁の担当4氏が、日EU・EPA交渉の妥結内容(外務省)、TPP11交渉の大筋合意内容について(TPP等政府対策本部)、総合的なTPP等関連対策大綱について(同)、日EU・EPA等の経済効果分析について(同)、農水分野における関連対策について(農水省)、農水産物の生産額の影響について(同)、経産分野における合意内容と関連対策について(経産省)を説明した。
農水産物への影響は、牛乳・乳製品について、生産減少額は日EU・EPAでは134億~203億円、TPP11では199憶~314億円と試算。生産量減少率は、どちらの協定においても0%としている。
試算の考え方は以下。
バター・脱脂粉乳等は、どちらの協定においても、現行の枠外税率を維持したうえで貿易枠を設定。
ホエイは、長期の関税率撤廃期間を設定しセーフガードを設置としている。
チーズについては、日EU・EPAでは、ソフト系チーズは横断的な関税割当相当の設定に留め、ハード系チーズ等は長期の関税撤廃期間を確保することから、当面、輸入の急増は見込みにくいとしている。
そして、どちらの協定においても、体質強化対策や経営安定対策を適切に実施することにより、引き続き生産や農家所得が確保され、国内生産量が維持されると見込んでいる。
農水省の担当者は、よく質問されることとして以下を紹介した。
Q 国内生産量はなぜ維持されるのか?
A 国内対策がしっかり打たれ、農家所得は確保されるものとしているから。
Q 日EU・EPAとTPP11の両方が発効されたら試算のダブルの影響を被るのでは?
A 貿易品目ごとで競合する・しない、一番の競争力を計算しているので、両試算を足した数字とはならない。
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