海外乳牛の緊急導入などを提言

2016 年 6 月 17 日

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 Jミルクは6月17日、都内で定期総会を開いた。定期総会では平成27年度事業報告と決算報告のほか、6月2日に国に提出した「持続可能な産業基盤強化のための今後の酪農乳業対策の考え方について」と題した政策要望の詳細が説明された。
 開会に際し、宮原道夫会長は、熊本地震で被災した酪農乳業関係者へお見舞いを述べた後、「酪農乳業は多くの課題に直面している」と最近の酪農乳業情勢について話した。そのなかで宮原会長は、「生産基盤の弱体化に歯止めをかけることが必要。さらに、TPPによる国内生乳生産への影響を最小限にすることが大切だ。国内生乳生産量が減れば、乳製品輸入量は毎年増え続けることになる。海外に乳原料の依存を高めることは問題が多く、酪肉近で示された国内生乳生産量750万tの実現に向けた取り組みを、強い危機感を持って取り組む必要がある。生乳増産を確かにするため、思い切った対策を打つことが喫緊の課題だ」と述べた。

 総会後の記者会見で前田浩史専務理事は政策要望について説明した。政策要望は「酪農生産基盤の強化を図るための対策」「生乳および牛乳乳製品の流通および需給の安定を図るための対策」「酪農経営の所得安定・再生産確保を図るための対策」「指定団体制度の機能を維持し強化するための対策」「乳業者の合理化および競争力の強化を図るための対策」の五つで構成されている。
 このうち「酪農生産基盤の強化を図るための対策」では、乳牛資源が減少し続けている現状を打開するため、海外からの乳牛資源の緊急的導入を検討するよう盛り込んだ。このことについて前田専務理事は、「酪農政策で生産寿命延長やETの活用が進められているが、足元では、経産牛頭数が年間1万頭ずつ減っている。乳牛頭数確保のために緊急的に対応しなければ、乳製品の追加輸入が恒常化してしまう。国際的な乳製品需給は変動性が高く、リスクがある。国内生乳生産が回復するためのトレンドを作るために、海外から導入するという要望を整理した」とその理由を説明した。

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