5名の酪農家が想いを語る:東北酪農青年婦人会議 第42回酪農発表会

2013 年 3 月 21 日

Filed under: — admin @ 9:44 PM ニュース,発表会

21日、東北酪農青年婦人会議は福島市内で第42回(平成25年度)東北酪農青年婦人会議酪農発表大会を開いた。東北6県の酪農家ら約120名が参加した。開会挨拶で半澤善幸・同会議委員長(宮城県)は「東北の酪農は東日本大震災および原発事故で大変な苦労をしている。こうした状況であっても将来に向け、仲間とともに技術を研鑽していこう」と挨拶した。

経営の部では「地域と共に歩む酪農経営 夫婦の歩んだ40年」と題し、橋本あきさん(福島県)が発表した。牧野利用組合および粗飼料生産機械利用組合の共同利用により、自給粗飼料を中心とする酪農経営を築いてきたことを述べ、「原発事故の影響は消えていないが、酪農の復活の火を消さないためにも私たちは酪農を続け、酪農産業を盛り上げていかなければならない」と結んだ。

意見・体験の部では、佐藤みゆきさん(宮城県)が「平成23年からの復活 きずな」、今泉洋さん(福島県)が「理想への挑戦」、齊藤健さん(岩手県)が「酪農の職人への道」、山口洋介さん(山形県)が「家族と酪農」と題して発表した。

質疑応答では「配合価格高騰への対応」、「TPP問題への対応」などの質問が出たが、発表者は「どんな環境になっても前を向いていく」、「安全安心をさらに追求する」などと答えた。大会は22日に表彰式が行なわれ、最優秀賞受賞者は7月に熊本県で開かれる全国大会に進む。(文責:関東支局)

「警戒区域内のウシの活用を探る」シンポジウム:応用動物行動学会が現地で開く

2012 年 4 月 22 日

Filed under: — admin @ 9:23 PM ニュース,発表会

4月22日(日)、福島県南相馬市で、「警戒区域内に取り残されたウシの活用の道を探る」シンポジウムが開かれた。主催は応用動物行動学会(会長=森田茂酪農学園大学教授)の警戒区域内家畜保護管理特命チーム(責任者=佐藤衆介東北大学大学院教授)。参加者は県内だけでなく隣県の関係者、畜産農家ら約200名。

福島原発から半径20km圏内が警戒区域となった日から、取り残された家畜は餓死や所有者の同意を得て安楽死されられたが、現在も半野生化したウシが1000頭以上いると推計されている。政府は4月5日、これらの家畜に対し、厳しい条件をつけたうえで飼養を正式に認めたが、今回のシンポジウムでは、今後どのような方法で、これらのウシを活用するのが良いかが討論された。

基調講演で、東京農業大学の林良博教授は「厳しい環境下で1年間、生存し続けた、原発事故の生き証人であるウシたちをたやすく無駄死にさせてよいのだろうか。彼らが、何らかの形で生存し続けることは意味のあることだ。農業には、動植物を育くむことの素晴らしさ、誇りがある」などと述べ、ウシを飼っている人が多くのメッセージを伝えることが大事だ、と語った。

警戒区域内に取り残されたウシの実態として、大熊町、富岡町、浪江町の畜産農家が「安楽死させるのではなく、人間のため、世界の人類のため、被爆と動物の関係を研究するためにウシを提供する」、「ウシと人の関係を取り戻し、アニマルセラピーとして役立てたい」、「荒廃地にウシを放したり、バイオ燃料に転用できる作物を栽培したらどうか」などと発言した。

ウシの活用について、行政の意向として桜井勝延南相馬市長は、市内の2カ所に牧場を設置し、大学が研究を行なっている。自らが自らの地域を変えるために、あきらめないことが大事」などと述べた。落合一彦氏(草地種子協会)は「農地が荒れないように維持管理してもらうためにも放牧牛が必要となる」とし、佐藤衆介氏は「警戒区域内のウシと東北大学農場(宮城県)のウシの汚染を比較すると、20km圏内のウシの汚染濃度は、相対的に高くない。ウシが植物を食べる習性を利用し、森林および草地を除染する技術を開発したい。さらに、ウシによる里山形成などの利用も考えられる」などと報告した。

講演後、森田教授を座長に会場の参加者たちとの意見交流などが行なわれた。(文責:関東支局)

生命誕生と家畜生産などをテーマに筑波の農林研究機関が、その成果を一般公開

2012 年 4 月 21 日

Filed under: — admin @ 6:38 PM ニュース,発表会

4月20日、21日、茨城県つくば市内の農林研究団地が、その成果を一般公開した。各研究機関を巡るバスも走り、家族連れで賑わった。

畜産草地研究所は、「生命誕生と家畜生産」をテーマに、体外成熟卵子と、それをとりまく精子をを顕微鏡を使って説明し、受精卵移植などの技術を紹介。ホエー(乳清)を使ったドリンクヨーグルト、飼料用米の研究成果とミニ講演、植物から農産物への放射性物質の移行低減技術、ミツバチの観察、なども行なわれた。サーモグラフィを使った畜舎内のダクト測定では、稲ワラを敷料に見立て、牛が動くと空気中のダクトが約10倍増える実験も行なわれ、ダクトが少ないほど家畜の事故率が低いことから、畜舎内をクリーンにする研究に取り組んでいる、などとした。

動物衛生研究所は「動物を護る(まもる)、ヒトを護る」をテーマに研究成果を展示。BSEや口蹄疫の防疫などのほか、近年発生が増加している牛白血病ウイルスの伝播防止として、すべての感染牛の摘発とその隔離により、牛から牛に広がりにくい環境を整備することが大事と展示した。アブが多い農場、除角を実施する農場、牛舎内で牛が自由に動ける農場での感染率が高いことから、優先順位を考慮した対策が必要としている。(牛白血病はウシの病気で、ヒトへの感染報告はない)

中央農業総合研究センター、作物研究所、野菜茶業研究所は、「食と農の科学館」を会場に、天敵の蜂を使った害虫駆除、米の新品種紹介などを行なった。そのほか、多くの研究機関、大学が研究成果を展示した。(文責:関東支局)

【検定済種雄牛生産者表彰】家畜改良事業団

2009 年 12 月 22 日

Filed under: — admin @ 4:29 PM 業界情報,発表会

家畜改良事業団では、去る12月4日、2009年に選抜された国産検定済種雄牛6頭の生産者の方々を家畜改良事業団本部(場所:東京都江東区冬木)にお招きし、平成元年の第1回から数えて20回目となる感謝状贈呈式を開催した。
 「日本ホルスタイン」改良の牽引者たる検定済種雄牛生産の背景となっている受賞者やご家族の改良努力に対して、心から敬意を表すると伴に、後代検定事業へのご協力に対して深甚の謝意を表し、家畜改良事業団藤井理事長から感謝状並びに記念品が贈呈された。また、乳用種雄牛後代検定推進事業における計画交配によって作出された4頭については、(独)家畜改良センター矢野理事長からあわせて表彰状が贈呈された。
 2009年家畜改良事業団における検定済種雄牛と受賞者は下記のとおり。

☆セジスビユーテイ サンデイーバレー フロステイン
 清水町 高橋徳男氏 高橋由美子氏
☆ハピイイースト アール エム テンプター ET
 中標津町 福村稔氏 福村忍氏
☆ミツドフイールド CCM カーテイス ET
 江別市 中田和孝氏 中田京美氏
☆テイーウエーブ ベスト ドレツサー ET
 幕別町 山田敏明氏 山田康子氏
☆ホープランド ベツツイ フアイター
 枝幸町 小椋孝則氏 小椋八重子氏
☆スミツクランド フリー トレジヤー
 大樹町 角倉了一氏 角倉愛子氏

未来につながる技術シーズ:「アグりビジネス創出フェア2009」開かれる

2009 年 11 月 27 日

Filed under: — admin @ 6:01 PM 発表会

11月25日(水)から27日(金)、千葉県幕張メッセを会場に、
「アグリビジネス創出フェア2009」(主催:農水省)が開かれ、
期間中に多くの関係者らが訪れた。
最新の技術や制度を広く紹介することで、研究者や技術者の新たな交流を図り、今後の連携などのマッチングをめざすもの。
今年のテーマは「ここで始まる産学官連携。未来につながる技術シーズ満載!」

出展ブースは、大学66団体、大学発ベンチャー5団体、都道府県関係27団体。生産技術、食品技術、環境技術、ゲノム研究、異分野融合、コンサルティングおよび企画展示・植物工場ゾーンが展示され、また基調講演やセミナーなども催された。

酪農乳業関連では、
「低コストで牛舎・畜舎や堆肥化施設の臭気を軽減する脱臭装置、および低温ガス化による含窒素廃棄物の処理」(群馬県)
「好気性超高温発酵菌叢を用いた家畜糞尿媒介感染症制御の開発(群馬県・東大)
「和牛の発情兆候および分娩お知らせセンターの実用化」(島根県、岡山県、民間企業の共同開発)
「切替し不要の堆肥生産用簡易通風装置」(島根県)
「甜菜粕およびホエー(乳清)混合によるフレックス酵母を使ったバイオ燃料の実用化」(北海道:帯広畜産大学・地域共同研究センター)
などの成果・開発商品などが展示された。

環境関連の出展者は「今後の課題は、畜産現場に導入する際のコスト軽減化」と述べ、帯広畜大関係者は「十勝には農場のチーズ工房が多く、ホエーを乾燥させることなく、処理・利用することで国産バイオ燃料の導入推進につなげたい」など語っていた。

また今回は、青果物の生産から流通に関わる企業などが会する
「アグロ・イノベーション2009」(主催:日本能率協会)も併催された。

GM(遺伝子組み換え)トウモロコシの成育状況を公開:日本モンサント

2009 年 8 月 21 日

Filed under: — admin @ 11:13 PM 発表会

日本モンサント株式会社(本社:東京)は8月20日、茨城県にある
同社研究農場に報道陣を招き、GM作物の成育状況を公開した。

今回公開されたGM作物は、
雑草防除が容易になり、農薬散布回数が少なくなる「除草剤耐性」大豆と、
殺虫剤の散布が少なくなり、農薬残留リスクの減る「害虫抵抗性」トウモロコシ。

GMトウモロコシでは、対照区のNon-GM作物との違いが明瞭で、
害虫被害も殆どなかった(写真)。
米国モンサント社では、2030年には2000年比で
トウモロコシの単位当たり収量を2倍にすると予測。

同社によると、世界のGM作物は1億2500万haと推定され、
日本には、すでに約1700万トンのGM作物が輸入・利用されている、
としている。

GM作物の次の世界の話題は小麦のGM導入に移っており、
生産性向上の切り札の一つである、この技術への「正しい知識」の
理解が必要だろう。

知能型自動搾乳システムと健康状態監視システムの最新情報

2009 年 2 月 28 日

Filed under: — djito @ 8:28 AM 発表会

「新技術を活用した乳牛管理システムの開発成果発表会」(主催・(社)畜産技術協会)が2月27日、東京都内で開催された。
柏村文郎氏(帯広畜産大学教授)の基調講演後、今回の開発プロジェクト「知能型自動搾乳システムと健康状態監視システム」における最新の研究発表として、オリオン機械?)の全分房が同時搾乳終了するよう制御できて、異常乳の搾り分けも可能な「分房別搾乳システムを基軸とした知能型自動搾乳システムの開発」(同社・岡谷利幸氏)、産乳・繁殖・疾病情報をデータベース管理して通知する北原電牧?の「システム総合飼養管理プログラムの開発」(同社社長・北原慎一郎氏)を含む4題が発表された。
このほか展示、パネルディスカッション「酪農技術の未来を拓く―次世代の酪農を俯瞰して―」も行われた。

業務形態の垂直的発展へ:コントラ連絡会議で九大の福田准教授が示唆

2009 年 2 月 27 日

Filed under: — admin @ 7:10 PM 発表会

2月27日(金)、東京港区の発明会館で、平成20年度全国コントラクター情報連絡会議が開かれた。

基調講演で、九州大学大学院の福田晋准教授は、豊富な事例を基に、次のように示唆した。
「コントラクターは飼料収穫の部分的な作業受託から、飼料生産全作業の受託・借地による飼料生産および販売へと進み、農場制土地利用を前提としたTMRセンターへと発展しつつある」
「不特定多数の委託農家との契約取引をするのではなく、特定の基準や目的に基づいた農家に限定した受託構造が大事」
「飼料生産の効率化に向けた農地の集積、栽培様式、飼料供給のあり方など、コントラクターと畜産経営が相互の経営にとって望ましい一定の条件を取り決め、そのうえでサービスを提供するという環境を構築すべき」など。

地域事例発表では、「米より儲かる耕畜連携」(岐阜県・?笠郷営農センター 小野敏氏)、「粗飼料共同生産から集落型TMRセンター設立までの取り組み」(岩手県・?TMRうべつ 澤口松男氏)、「地理情報システムを駆使したコントラクターの運営」(熊本県・?サウスウインド 山下英男氏、?パスコ 三谷歩氏)がそれぞれ発表し、その後パネルディスカッションが行われた。

なお現在、全国のコントラクター事業体は489組織、受託面積は11万8000ヘクタールに及んでいる。

国内産を前面に押し出して、チーズ市場を拡大していく【雪印乳業/春季新商品・政策発表会】

2009 年 2 月 25 日

Filed under: — admin @ 3:50 PM 業界情報,新商品,発表会

雪印乳業?「平成21年春季新商品・政策発表会」が2月25日、東京都内にて行われた。

開会に先駆けて同社社長・高野瀬忠明氏は、「日本ミルクコミュニティ?との経営統合により、シナジー効果で経営資源の活用拡大が図れるだろう。当社の強みである商品力、提案力により、国内産を前面に押し出した、さらなるチーズ市場の拡大をしていく」と述べた。
今回の新商品は、家庭用では、お酒のおつまみに最適な「雪印北海道100さけるチーズとうがらし味」、子供を対象とした「雪印おやつにチーズキャッチプレーン」などをはじめとする8品、粉チーズ、ベイクソフトシリーズなどの業務用5品のほか、チェスコ新商品19品がラインナップ。

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