農研機構:畜産草地研究所が「放射能汚染抑制技術シンポジウム内容」を掲載

2012 年 6 月 4 日

Filed under: — admin @ 9:35 PM セミナー報告,ニュース

農研機構 畜産草地研究所は昨年秋に開かれた「放射能汚染技術制御技術 国際シンポジウム」の概要を同研究所ホームページに掲載した(転載・引用には原著者の許諾が必要)。
内容は、次の通り。

Soil-Plant transfer of radioactive caesium: data, mechanisms, models and solutions
Erik Smolders (Katholieke Universiteit Leuven)
Countermeasures and remediation for reducing radiocaesium contamination of farm animals
Brenda J. Howard (National Environment Research Council, U.K)
Impact of Radioactive Cesium on Food-Response of NARO Food Research Institute
Shinichi Kawamoto (NARO Food Research Institute)

イネにおけるフォールアウト90Srと137Csの経根吸収と部位別分布
塚田 祥文 (財団法人 環境科学技術研究所)
放射性物質のイネへの移行モデルの構築
高橋 知之 (国立大学法人京都大学 原子炉実験所)
日本の農耕地土壌における137Csの動態
山口 紀子 ((独)農業環境技術研究所)
チェルノブイリ原発事故と核実験がわが国の牛乳に及ぼした影響
塩谷 繁 ((独)農研機構 畜産草地研究所)
Agricultural Land Management Options Following Large-Scale Environmental Contamination
Hildegarde Vandenhove (Belgian Nuclear Research Centre SCK・CEN)

*問合せ:畜産草地研究所(茨城県つくば市)

「牛乳月間」にあわせて、各地で乳業工場の見学会が開かれる

2012 年 6 月 3 日

Filed under: — admin @ 12:51 PM ニュース

6月の牛乳月間にあわせて、日本乳業協会傘下の全国35カ所の乳業工場が一般公開を行なわれている。
3日は雪印メグミルク野田工場(千葉県)でも行なわれ、家族連れなどが参加した。

同工場は、平成元年に雪印乳業の工場として設立、同15年には日本ミルクコミュニティ工場に改組され、その後、両社の合併により雪印メグミルク野田工場として生まれ変わった。

敷地5万8700平方米(東京ドームの約1.4倍)の広さをもち、品質管理・環境整備に力を入れ、ISO14001を取得。屋上には太陽光発電パネルを345枚貼り、構内の照明用の電力などに利用している。

同工場は、市乳・乳飲料・ヨーグルトなどのチルド商品55品目、果汁飲料など常温保存商品20品目を製造・貯蔵・出荷している。原料乳の約7割は関東(千葉、茨城、栃木)、約2割は北海道からの受入れという。

見学会は牛乳の説明、ビデオ、施設見学、試飲などで1回に約70分。同工場は予約制で通年、見学を受け入れている。(文責:関東支局)

*関連HP 
日本乳業協会:www.nyukyou.jp
雪印メグミルク:www.mmeg-snow.com

ホクレン:平成24年度用途別原料乳価格が決着

2012 年 6 月 2 日

Filed under: — djito @ 9:25 AM ニュース

ホクレンは6月1日、平成24年度の用途別原料乳価格は以下のように決着したと発表した。

●加工向(バター・脱脂粉乳等):70.96円/kg(現行価格対比+3円/kg、引上げ率4%)
●チーズ向け
 ゴーダ・チェダー向け:52円/kg(現行価格対比+3円/kg、引上げ率6%)
 その他向け:52円/kg(現行価格対比+2円/kg、引上げ率4%)
●生クリーム等向け
 生クリーム:75.50円/kg(現行価格対比+2.5円/kg、引上げ率3%)
 脱脂濃縮乳:70.96円/kg(現行価格対比+3円/kg、引上げ率4%)
●その他:飲料やアイスクリーム等への使用生乳:87.75円/kg(現行価格対比+1円/kg、引上げ率1%)

これにより平均乳価(プール乳価)は2円31銭(2.8%)上がると試算される。
なお、改訂時期は平成24年4月1日取引分に遡及する。

おいしいミルクセミナー 埼玉会場「健康を支えるミルクの栄養」:日本乳業協会が開く

2012 年 6 月 1 日

Filed under: — admin @ 6:15 PM セミナー報告,ニュース

6月1日は牛乳の日、6月は牛乳月間にちなみ、一般社団法人日本乳業協会は1日、埼玉県さいたま市内のホテルで、「おいしいミルクセミナー」を開いた。参加者は350名。会場には同協会、中央酪農会議、明治、森永乳業、雪印メグミルク、協同乳業、グリコ乳業、タカナシ乳業、西武酪農乳業および埼玉県牛乳普及協会がブースを設け、牛乳とヨーグルトの試飲、各社商品のプレゼンテーションを行なった。

開会挨拶で、同協会常務理事の石原哲雄氏は「昨年は東日本大震災および原発事故の影響で安全・安心、とりわけ放射性物質対策に追われた。牛乳は原料段階から自治体が検査しており、さらに製品についても当協会がモニターし、基準値以下で不検出だった。安心して飲んでいただき、このセミナーで牛乳乳製品の新しい面を知って欲しい」と述べた。

また中央酪農会議の酪農理解対策室室長補佐の齋藤淳氏が「MILK JAPAN活動」について説明。同協会の企画・広報部長の内田幸生氏が「3・A・Day(一日3回または一日3種類の牛乳乳製品を摂取する)活動」に触れながら、消費喚起を訴えた。

セミナー1部では、東京大学大学院の清水誠教授が「健康を支えるミルクの栄養」と題して講演。ミルクが牛の乳房内でどのようにつくられるかを紹介したうえで、牛乳の栄養成分を分かりやすく解説した。なかでも牛乳のタンパク質の重要性を説き、牛乳を飲むことの意義を次のように示した。

1 幼児・小児:成長に必須の良質なタンパク質やミネラルの供給
2 妊婦:胎児の成長や母体の健康維持に必要な栄養素の供給
3 成人:健康な生活を送るために役立つ栄養素や機能性成分の補給
4 高齢者:骨の老化や免疫力の強化に役立つ栄養素や機能性成分の補給

そして、牛乳は栄養バランスが良く、消化吸収性に優れ、さまざまな加工特性を持っていて、おいしい食品の素材として使いやすい。一部の人には乳糖不耐症やアレルギーを呈するが、牛乳はベネフィット(利益)が大きい食品素材と結論づけた。

セミナー2部は、浦和ロイヤルパインズホテルのシェフパティシエの柴山恵生氏が、牛乳や生クリームを使った2品のスイーツ「ババロワ リオレ」「パンナコッタ」を会場内で調理し、できあがったスイーツを全員が試食した。その後、会場と演者との質疑応答が行なわれた。(文責:関東支局)

*関連書籍
「バルクの先を追ってみよう」 本誌2012年6月増刊号

j-milk新会長に浅野茂太郎・明治社長が就任

2012 年 5 月 29 日

Filed under: — maetomo @ 4:24 PM ニュース

日本酪農乳業協会は5月29日、都内で通常総会を開き、役員互選を行なった。高野瀬忠明氏(雪印メグミルク・特別相談役)に代わって新会長には浅野茂太郎氏(株式会社明治・代表取締役社長)が就任した。高野瀬忠明氏は就任1年で退任したため、浅野新会長は残余期間の1年間、会長職に就く。
浅野会長は就任会見で「戦後、右肩上がりだった酪農乳業は1990年代半ばから縮小傾向にある。今後とも継続的な発展を続けるためには、持続可能な産業への転換が必要。j-milkは国民の豊かな食生活と乳製品の国際需給を踏まえつつ、安定的に供給できるよう、国内酪農生産基盤の弱体化に歯止めをかけるため、総合的力量を強化していく」と挨拶した。

昼間の分娩誘起を期待できる世界初の研究:畜草研、根釧農試らが成果を発表

2012 年 5 月 24 日

Filed under: — admin @ 6:45 PM ニュース

独立行政法人農研機構 畜産草地研究所、地方独立行政法人北海道立総合研究機構根釧農業試験場・畜産試験場および共立製薬株式会社は24日、畜産農家の労力軽減などに役立つ研究成果を発表した。

研究のポイントは、
1)牛の分娩時に胎盤を剥離排出する生理的なシグナル物質を発見。
2)シグナル物質の牛への投与により胎盤停滞のない昼分娩の誘起に成功。
3)畜産農家の労働負担軽減と新生子牛の生存率向上に期待。
としており、概要は次の通り。

  • 農研機構 畜産草地研究所は、牛の分娩後に胎盤が子宮から剥離排出される際に働くシグナル物質(必須脂肪酸であるアラキドン酸の代謝物質:オキソアラキドン酸)を世界で初めて明らかにした。
  • 一方、従来の分娩誘起技術では胎盤停滞の多発が問題となっていたが、北海道立総合研究機構農業研究本部根釧農業試験場、同畜産試験場および共立製薬株式会社との共同により、上記オキソアラキドン酸の投与により胎盤停滞を起こさない昼間の分娩誘起に成功した。
  • これにより、昼に適切な分娩が可能になり、子牛の生存率の向上や、深夜の分娩のための労働負担を軽減することが期待される、というもの。詳細は、同研究所へ。http://nilgs.naro.affrc.go.jp

23年度計画生産実績は724万9000t

Filed under: — maetomo @ 3:04 PM ニュース

 中央酪農会議は5月24日、平成23年度生乳計画生産の実施結果について公表した。発表によると23年度の受託乳量は全国で724万9000t、前年度比98.6%だった。北海道は378万3000tで99.6%、都府県は346万6000tで97.5%だった。 (more…)

震災からの復興に向け150頭規模の牧場を開設:NPO法人と仏ダノングループ

2012 年 5 月 23 日

Filed under: — admin @ 8:33 PM ニュース

23日、NPO法人FARネット(福島農業復興ネットワーク:理事長・伊藤房雄東北大学大学院教授)と、ダノンジャパン社は、震災からの復興と酪農業界に挑む牧場「ミネロ牧場」を福島市内に開設すると発表した。

牧場は、現在ある農場を同NPO法人が借り受け、改修して運用するもの。7月から生産を開始し、今年末までにホルスタイン150頭の規模をめざす。福島県酪農協、ダノンエコシステムファンド、ダノンジャパン社らが協力し、運営には福島原発事故による放射性物質汚染で酪農を休業せざるを得なかった酪農家5名が参加し、生乳は東北生乳販連を通して出荷する。

また同牧場は、共同経営の手法や大規模酪農を学ぶ機会を提供したり、学生や一般の人に対する酪農体験プログラムなどを実施し、酪農への理解を深める場としての役割も目的の一つとしている。

今回の設立に加わったダノンエコシステムファンドは、ダノン(フランス)をとりまくステークホルダーの成長や発展につながる支援を行なうために2009年に設立された基金で、これまで世界で39のプロジェクトを支援してきた。ダノンジャパンのジョージ・ザリフィ社長は「この牧場が日本の酪農の希望となり、第2、第3のモデル牧場が生まれることを願っている」としている。

ダノングループは乳製品などを中心に、180の生産拠点と10万人の従業員を擁する世界的な食品企業。25年前に日本に進出し(現:ダノンジャパン社)、ヨーグルトなど乳製品の製造販売を行なっている。

*関連記事
「特集:東日本大震災から1年 今なお続く現場の混乱」
 Dairy Japan 2012年5月号

オルテック国際シンポジウム2012を開催(会場:米国ケンタッキー州)

Filed under: — maetomo @ 9:21 AM ニュース


オルテック社は5月21日、米国ケンタッキー州で「オルテック国際シンポジウム」を開催した。会場にはオルテック社スタッフや関係者ら約2700名が参加した。

シンポジウムは、オルテック社創立者であり社長のピアーズ・ライオンズ博士の登場とともに幕開けした。
シンポジウムは5月23日まで開催され、各畜産分野をはじめ、水産、馬、ペット、食品産業など多分野におけるセッションが開かれるほか、ヤングサイエンティストアワード授与式やケンタッキー起業家セッションなど多くのイベントとカンファレンスが予定されている。

(取材=前田良)

平成24年度上期の生乳および牛乳乳製品の需給見通しを公表:日本酪農乳業協会

2012 年 5 月 22 日

Filed under: — admin @ 8:26 PM ニュース

社団法人日本酪農乳業協会(Jmilk)は22日、
平成24年度上期の生乳および牛乳乳製品の需給見通しと今後の課題を公表した。なお同協会は、同見通しを、平成24年3月までの実績を基に予測モデルで推計した後、直近までの動向を考慮し、関係者との協議を踏まえ修正を加えた予測値である、としている。

それによると、
1 生乳生産量は、平成24年度の乳牛のうち2から4歳の飼養頭数は増加することが見込まれ、24年度上期の分娩予定頭数が前年を上回っていること等から、上期の生乳生産量は前年を2.2%上回ると見通される。

2 牛乳類の生産量は全体としては減少基調にあるが、「はっ酵乳」は近年増加傾向にあり、上期も同じ傾向でいくと見込まれる。

3 生乳需給に関しては、上期の北海道から都府県への生乳移出量は、生乳生産量の増加と牛乳等向け処理量の減少から、前年比で減少。しかし、夏場においては関係者間で万全な供給体制を準備するとともに綿密な情報共有が必要で、きめこまかい需給調整を行なっていく必要がある、としている。(文責:関東支局)

詳しくは同協会ホームページで。 : www.j-milk.jp/

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