牛乳が「値上がりしたと感じている」人は51%

2009 年 12 月 17 日

Filed under: — djito @ 4:07 PM ニュース

(社)日本酪農乳業協会(j-milk)が2009年の「牛乳・乳製品の消費動向に関する調査」をまとめた。
これは全国の中学生以上の男女個人を対象に6月に行われ、3200人から回収したもの。
今回は、今年3月に「牛乳の小売価格値上げ」が実施されたことから、消費者の「白もの牛乳類の値上がりについての認識」も盛り込んだ。

それによると、この半年間に牛乳が値上がりしたと感じるかを聞いたところ、「値上がりしたと感じている」人が51%、「値上がりしたと感じていない」人が全体の29%だった。
値上がりしたことによる行動では、値上がりしたと感じる人の64%が「これまでと変わらない」といているが、22%は「牛乳の銘柄を安いものに変えた」と答えた。

1日当たりの白もの牛乳類の飲用量は、全体の平均で114ml(07年は122ml、08年は113ml)。
性別・年代別で見ると、男性の場合は、最も多く飲んでいるのは中学生で269ml、最も少ないのは50代で78ml、次いで60代で90ml、30代で92ml、40代で93mlだった。
女性の場合も、最も多く飲んでいるのは中学生で215ml、最も少ないのは40代で101ml、20代で110ml、70代以上で111mlだった。

生産者組織の中長期課題を検討

2009 年 12 月 4 日

Filed under: — maetomo @ 5:06 PM ニュース

 社団法人 中央酪農会議は12月3日、都内で「第1回 酪農基本問題委員会」を開催した。同委員会は乳価交渉力や生乳販売機能強化など指定団体が抱える中長期的課題を検討し、生産者団体の方向性を明らかにするもの。委員は中央酪農会議理事・生源寺眞一氏(東京大学大学院教授)を委員長とした中央酪農会議理事ら13名。
 中央酪農会議・門谷廣茂専務理事は「五つの課題(価格形成・需給調整・需要拡大・経営支援・政策形成への関与)について協議し、2月ごろまでに対応策の最終報告をまとめたい」と話す。
 以下課題の要旨。

(more…)

給餌技術は、古くて新しい話題

Filed under: — djito @ 5:30 AM ニュース

北海道家畜管理研究会のシンポジウムが12月3日、札幌市で開催された。
今回のテーマは「乳牛の能力を発揮させる最新給餌技術」。

同研究会会長の柏村文郎氏(帯広畜産大学)は初めに、「自給飼料の拡大については盛んに取り上げられているが、給餌技術まで踏み込んでの議論は少ない。給餌技術がまずければ、どのような飼料を作っても牛の口にきちんと入らない。給餌技術は、古くて新しい話題だ」とテーマの背景を説明した。
続いて、高橋圭二氏(酪農学園大学)を座長として、以下の4名が話題提供を行なった。

●「キャリロボを使った搾乳と最新の自動給餌技術―チャレンジマン20―」
猪瀬一郎氏(オリオン機械)・北原慎一郎氏(北原電牧)
猪瀬氏は、キャリロボの導入効果として、搾乳頭数が増えても搾乳作業時間が短縮することや、省力に加えて安全性も高まることなどを紹介した。また、牛体情報モニタリングシステムであるチャレンジマン20の導入効果として、生乳1kgを生産するために必要な濃厚飼料の量が20%減ること、ボディコンディションが適正になること、残飼が減ることなどを紹介した。
北原氏は、チャレンジマン20導入によって、毎日の乳量変化にきめ細かく対応し飼料代を節約できること、100頭規模でもきめ細かな個体管理が可能となることなどを紹介した。またチャレンジマン20は、牛舎の真上から眺めて各個体の現状を把握するようにデザインしたビジュアル・システムであることなどを紹介した。

●「ロボット導入効果を最大とする給餌方法論」
小池美登里氏(コーンズ・エージー)
小池氏は、乳牛が搾乳ロボットに自発的に訪問するためには、PMRとフリーカウトラフィックが非常に有効であることを解説した。
PMRとは部分的混合飼料(Partly Mixed Ration)で、飼槽のTMRの栄養濃度を下げて、不足する栄養はロボット内で給餌する方法。これにより乳牛は搾乳ロボットに魅力を感じ、頻繁に訪問するようになる。
フリーカウトラフィックとは、乳牛が飼槽やロボットにいつでも訪問できる環境を作るもので、通路幅も広めにする。すると牛群内で弱い牛も、頻繁に訪問することができる。

●「フリーストール牛舎での乳牛の採食行動と飼槽管理」
森田茂氏(酪農学園大学)
森田氏は、乳牛の採食行動、採食可能な範囲、飼槽高と飼槽管理などの研究成果を解説。
今後の飼料給与の洗練化には、牛乳の採食パターン、給餌の自動化、飼槽での残飼の移動の把握、部分的混合飼料などが深く関与し、さらに研究課題となることなどを解説した。

《ホームページ》
北海道家畜管理研究会=http://www.horalm.org/
オリオン機械=http://www.orionkikai.co.jp/
北原電牧=http://www.kitaharadenboku.com/
コーンズ・エージー=http://www.cornesag.com/jp/
酪農学園大学=http://www.rakuno.ac.jp/

酪青研:最優秀賞(黒澤賞)は太田福司さん(大樹町)に

2009 年 11 月 26 日

Filed under: — djito @ 11:08 PM ニュース

日本酪農青年研究連盟(事務局・雪印乳業)主催の「第62回酪農研究会」が11月26日に札幌市で開催され、全国から会員の酪農家および関係者など約360名が参加した。
研究発表では、全国各地区から選ばれた7名が発表し、以下の審査結果となった(敬称略)。

【最優秀賞(黒澤賞)】
「THIS IS THE 健土健民!」太田福司(北海道・大樹町)
【優秀賞】
「経営の合理化・稲作との連携で逆境に強い酪農を目指す」中野浩一(新潟県)
【改善賞】
「より良質な生乳を届ける思いで」榎木敦史(宮崎県)
【努力賞】
「放牧酪農に自信と夢を!」片山伸雄(北海道・八雲町)
「地域で必要とされる酪農経営の実践」井藤義治(兵庫県)
【奨励賞】
「堅実な酪農をめざして、一歩ずつ」藤井正剛(福岡県)
「和牛素牛生産と酪農との複合経営」高橋健仁(青森県)

審査委員の萬田富治氏(北里大学獣医学部教授)は講評で、最優秀賞に輝いた太田氏の発表について、以下のように述べた。
「規模拡大の際に起こりやすい予想外の追加投資や牛の事故もなく、フリーストール、パーラー方式の導入により経営を改善された。牛作りとしては、1/3以上が高得点牛、平均乳量は1万kg近く、体細胞数は8万。そして、最も高く評価されたところは、土作り・草作り・牛作りと文字どおりの酪農経営の基本を重視し、しかも環境対策としてパーラー雑排水処理施設をいち早く整備されていること。とくに、土作り・草作りについては、ストーンピッカーで石を取り除いたり、手除草でギシギシを抜き取ったり、徹底した草地管理により良好な植生の牧草地を維持している。その結果、高TDN・高CPの、すばらしいグラスサイレージを作られている。これは北海道のモデル的な事例である。しかも、取り組みが非常に計画的で、経営コンサルタントや飼養管理コンサルタントと契約され、外部の力を最大限活用し、かつ卓越した経営センスの持ち主である」

また、事例発表1題、メッセージ発表4題も行われた。
〈事例発表〉
「バイオガスプラントを軸とした地域貢献と活性化の可能性」支倉博(北海道・興部町)
〈メッセージ発表〉
「いつかは父を超えたい」菅原仁(岩手県)
「私を変えた母の一言」大河原ひとみ(福島県)
「楽しく明るい酪農を目指して」三谷礼子(岡山県)
「牛(ぎゅー)な生活―地域の仲間と共に理想の酪農家―」山下秀俊(長崎県)

子牛の死廃原因の70%以上は「お産」に関わるもの

2009 年 11 月 24 日

Filed under: — djito @ 7:27 AM ニュース

「第33回 大動物臨床研究会シンポジウム」が11月21日、酪農学園大学(北海道江別市)で開催された。
今回のテーマは「牛の一生における管理」。
牛が生まれてから乾乳に至るまで順を追っての最新知見を共有するというもので、このテーマで5年は継続することになる。

第1回目の今回は、「分娩から哺乳期」として、以下の講演が行われた。
「新生子牛のための分娩管理」石井三都夫氏(帯広畜産大学)
「分娩から哺乳期における管理」大坂郁夫氏(北海道立中央農業試験場)
「哺育期の施設について」高橋圭二氏(酪農学園大学)
「哺育から3ケ月までの疾病管理について」松田敬一氏(NOSAI宮城)

石井氏の講演によると、北海道における乳用子牛の死亡事故(頭数被害率)は、2006で6.91%だったものが、2007年で7.09%、2008年で7.35%と増えている。
2008年の子牛病名別死廃率は、胎子死が62%、新生子死が12%、腸炎10%、肺炎6%などとなっており、子牛の死廃原因の70%以上が、お産に関わるものである。

北海道乳質改善大賞―22牧場が受賞

2009 年 11 月 20 日

Filed under: — djito @ 6:09 AM ニュース

第17回 乳房炎防除対策研究会(主催/北海道乳質改善協議会、後援/北海道、ホクレン、北海道NOSAI、北海道酪検協会)が11月19日に札幌市内で開催され、酪農家をはじめ乳質改善関係者など約350名が参加した。

そのなかで「北海道乳質改善大賞」授賞式が行われた。
同賞は、平成17年に北海道乳質改善協議会が50周年を迎え、その記念事業として創設されたもの。
5カ年事業であることから最終年度となった今年度は、別表の22名が受賞した。

なお、北海道の現在(4-10月)の衛生的乳質の実績は、
細菌数1万/ml以下の牧場が98.8%
体細胞数30万/ml以下が98.7%
という高水準で推移している。

〈関連:北海道支局だより〉
〈詳しくはDairy Japan 1月号で〉

消費者と生産者をつなぐコミュニティを目指す

2009 年 11 月 18 日

Filed under: — maetomo @ 4:03 PM ニュース

雪印メグミルク株式会社

 雪印メグミルク株式会社は11月18日、都内で会見を開き同社の経営方針について説明した。同社は消費者重視経営の徹底と酪農家支援を通じ、消費者と生産者をつなぐコミュニティを目指す考えを示した。

 会見で高野瀬忠明・代表取締役社長は「雪印メグミルクのグループメッセージである“未来は、ミルクの中にある”とは、大地の恵みであるミルクの可能性を誰よりも信じて消費者と生産者をつなぐコミュニティを築いて未来を切り開いていこうとする強い思いと姿勢を示したもの。消費者重視経営と酪農生産への貢献は、まさに事業の根幹であり、新しい統合会社の存在意義でもある」と、雪印メグミルクグループの姿勢を示した。

●消費者重視経営のポイント
 同社は、1.企業倫理委員会、2.環境への取り組み、3.品質保証の取り組みの三つを消費者重視経営の柱に据えた。このなかで企業倫理委員会については、「品質部会」「消費者部会」の二つの部会を設置。社外の目で経営全般について検証・提言を行っていく。
 また、環境への取り組みとして平成23年10月までに雪印メグミルク・雪印乳業・日本ミルクコミュニティの3社一括でISO14001取得を目指すとし、品質保証についてもこれまで両事業会社が進めてきた品質保証システムの共有、相互連携によってさらに強化していく考えを示した。

●酪農生産への貢献のポイント
 酪農生産への貢献としては、1.酪農総合研究所の機能強化、2.酪農諮問委員会の新設、3.日本酪農青年研究連盟の支援、4.雪印種苗による酪農技術サポートの四つを柱に据えた。酪農総合研究所では新たに「実践的支援」を盛り込み、実証牧場、実証圃場での自給飼料生産・利用の研究とその普及に取り組む。
 酪農諮問委員会は酪農有識者(学識経験者など約10名)からなる委員会で、来年4月よりスタートする。ここで生産者の声を中心に提言をまとめ、同社の経営に生かしていく考え。また、日本酪農青年研究連盟については事務局体制を強化し、研究・研修機会のこれまで以上の充実を通じて酪農技術水準の向上と酪農の発展に寄与していくとしている。

雪印メグミルク株式会社 経営体制を決定

2009 年 10 月 1 日

Filed under: — maetomo @ 4:35 PM ニュース

雪印乳業株式会社と日本ミルクコミュニティの共同持ち株会社 雪印メグミルク株式会社は10月1日の取締役会で同社の取締役業務分担および執行役員の体制を決定した。

同社の代表取締役会長は小原實氏(旧・日本ミルクコミュニティ株式会社 代表取締役社長)が、代表取締役社長には高野瀬忠明氏(旧・雪印乳業株式会社 代表取締役社長)が、それぞれ就任した。

雪印メグミルク株式会社 経営体制
役職名 氏名 業務分担
代表取締役会長 小原(オバラ) (ミノル) 経営全般
代表取締役社長 高野瀬(コウノセ) 忠明(タダアキ) 経営全般
取締役副社長 佐藤(サトウ) 幸吉(コウキチ) 社長補佐、総務部・広報部・品質管理部担当
取締役副社長 田島(タジマ) 俊彦(トシヒコ) 社長補佐、人事企画部、品質管理部担当
専務取締役 中野(ナカノ) 吉晴(ヨシハル) CSR部・統合戦略部担当、人事企画部副担当
専務取締役 久保(クボ) 清之(キヨユキ) 経営企画部・財務部・秘書室担当
敬称略

時代はブラウンスイス。その特長を活かせ!

2009 年 9 月 30 日

Filed under: — djito @ 8:41 PM ニュース

「北海道ブラウンスイス協議会」の設立総会が9月30日、事務局となる北海道ホルスタイン農協で開催された。
「自然循環型酪農」が求められている今、放牧適応性や粗飼料利用効率などの能力に長け、チーズ作りに適した乳質を持つブラウンスイスの、乳牛としての位置づけを高めていくことを目的として、同会は設立された。
今後、会員同士の交流、情報交換、データの提供を図っていく。

会員数は現在59戸(酪農家)。
役員は以下のとおり。
会長:宮嶋望氏(新得)
副会長:高橋守氏(ニセコ)
理事:横井純司氏(浜中)、本間隆氏(足寄)
監事:丹治智寛氏(猿払)、村上健吾氏(瀬棚)

会長に就任した宮嶋氏は、「ブラウンスイスの特長をきちんとしたデータで表すことで、より経済価値が高まり、魅力的なものになる。また会員同士の情報交換で、最良の飼養形態を練り上げていきたい」と語った。

アグリテクニカ2009:ドイツ・ハノーバーでお待ちしています

2009 年 9 月 15 日

Filed under: — djito @ 6:58 AM イベント開催案内,ニュース

「11月に開催される世界一流の農業機会展示会『アグリテクニカ2009』の会場(ハノーバー)で、みなさまのお越しをお待ちしております」と話すのは、その主催者であるDLG(ドイツ農業協会)のアネッテ・ライヒホルドさん。
11月10―14日にドイツのハノーバーで開催される『アグリテクニカ2009』に先立ち、DLGは昨日(9月14日)札幌市で、その内容紹介を行なった。

『アグリテクニカ』は2年ごとに開催されるもの。
単なる農業機械・資材・ソフトウェアなどの展示だけでなく、各種のカンファレンスやフォーラムが併設開催され、最新の情報を得ることができる。
今年の出展申し込み数は既に2100社を超えており(日本からも今のところ2社が出展)、前回(2007年)の規模を上回っているとのこと。
来場者は前回、世界各地から34万人以上が訪れた。
今年のハイライトは「世界の土壌・水ショウ」と題して、世界各地(ヨーロッパ、北・南米)で実践されている革新的な耕作・水資源の利用方法を紹介する。

詳しい内容および割引チケットはHP:www.agritechnica.comへ(日本語での紹介もある)。
問い合わせは下記へ。
ドイツ農業協会 エキシビジョン事業部 日本国内担当・上村
北海道標津郡中標津町北町2丁目16-1(アグサプライ内)
E-mail:expo@hdp-farm.com

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