がらがら

ガラガラ

宗谷管内S牧場は、フリーストール牛舎(130ベッド)とミルキングパーラー(8頭アブレスト式)を自力施工(いわゆる手作り)で建てました。
試行錯誤しながら、使い勝手を良くしてきたので、各所にアイデアが盛りだくさんです。

写真はその一つで、搾乳が終わってパーラーから出た牛が、戻り通路の最後の部分で立ち止まって、なかなか進まないときのためのものです。
オイルの空き缶を、パーラー内から伸ばしたヒモでぶら下げて、ヒモを動かせばオイル缶がパイプに当たってガラガラ鳴るという仕組みです。
これで牛はスムーズに出ていきます。

飲水のチェック

飲水

「季節外れの暑さ」というニュースが各地で聞かれます。
そのとき気になるのが「飲水」です。

乳牛はほかの動物よりも、たくさんの水を必要とします。
ところが、牛が水を飲めない状況が、さまざまな理由で発生します。
(DJ1月号「乳牛の栄養学」より)

飲水量が不足すると、生乳生産量低下の負の連鎖が始まります。
ありがちな飲水行動の制限要因は、以下の三つです。
1 水が汚れていること
2 水量が不足すること
3 牛の口が届かないこと
(DJ6月号:次号「もうかる酪農」より)

いま一度、飲水のチェックを。

人気のTVシリーズ「ヤング酪農家」 スウェーデンより

スウェーデンでは毎週火曜日の夜9時、TV4で8人の若い酪農家のシリーズが見られるそうです。
そのうちのいくつかはYouTubeで見ることができます。

・リカルド(34歳)、家族:トラクター競争が趣味で数台の大型トラクターを保有している。
http://youtu.be/M09ShMOMD58

・ミカエル(22歳)とマティアス(26歳)の兄弟:お母さんが2年前に癌で急に亡くなった後、酪農家になった。子供連れの家族を牧場に招き入れている。
http://youtu.be/62DRm2a8kY4

・リーブ(22歳)、独身:両親の牧場を後継し、酪農の仕事に勤しんでいる。リーブの妹も、ときどき牧場の仕事を手伝っている。
http://youtu.be/SBN9AO0Wle4

※Dairy Japan 5月号「海外だより/レポーター=山﨑一大(スウェーデン在住)」より

木造牛舎と鉄骨牛舎のコスト比較

木造牛舎

北海道根釧地域の一般民有林におけるカラマツ人工林の面積は約3万5000ha。
林齢30年を超えて利用段階に入ったカラマツ林が今、豊富な資源として蓄えられているそうです。

酪農専業地帯としては、それを牛舎に利用しない手はありません。
そこで根釧の両振興局は平成22年度からプロジェクトを立ち上げ、木造牛舎の利点や設計・建築方法などを解説した「木造牛舎設計提案書」を作成して配布したり、カラマツ材を使った牛舎の見学会を開催するなど、地材地消による木造牛舎の普及活動を行なっています。

そこで気になるのがコストです。
「建築費のみを聞いて、木造は値段が高いと思われがちだが、建築物のコストを考える際には、不動産取得税や固定資産税、火災保険料などを含めたライフサイクルコスト(生涯費用)を考えるべき」と根室振興局森林室は一例を示してくれました。

約2000平米の育成舎(十勝管内の公営牧場、260頭規模)を築後40年間で試算すると、木造のほうが鉄骨造より約400万円安価です。
そのなかで、とくに大きな違いは固定資産税で、約1300万円も木造のほうが安価となっています。

※詳報はDairy Japan 5月号で。

失敗しないサイレージ調製

牧草収穫

発酵品質の良いサイレージ作りには、糖(WSC:可溶性炭水化物)含量の高い原料草が必要です。
糖含量は、地域、畑、番草、刈り取り時期、刈り取り時間などで、実にさまざまです。

そこで、失敗しない良質なサイレージ作りのために、増子孝義教授(東京農業大学)は「サイレージ診断」を提案しています。
その診断項目の一つが、原料草の糖含量です。
「診断を継続すると、成功と失敗の要因を探せる」と同教授は言います。

この糖含量の分析、今までは非常に時間がかかっていたうえに、分析方法が統一されていませんでした。
そこで同教授らは、スピーディな新分析方法を開発し、統一することにしました。
それにより来月から、北海道内の粗飼料分析センター(10団体)では、原料草の糖含量分析の受け入れを開始する予定だそうです。

低い糖含量の牧草地を特定し、対策を図ることにより、失敗しないサイレージ調製につながることが期待されます。