ロボット搾乳における栄養管理

20150821

畜産クラスター事業も手伝って、搾乳ロボットの導入が目覚ましい勢いで進んでいます。
ボックス型でのロボット搾乳回数は、いうまでもなく、搾乳ボックスへの牛の訪問回数で決まり、その訪問モチベーションは、搾乳ボックス内で配飼される濃厚飼料です。

最新鋭の搾乳ロボット・システムが各社から提供されている今、ロボット搾乳の成否は、飼槽での混合飼料(PMR)の設計内容が大きく左右する、という声をよく聞きます。
ロボット搾乳における栄養管理について、M栄養コンサルタントは、「粗飼料の割合を高めるほうが良い」と言います。

詳しくは、Dairy Japan 9月号のルポ特集「DMIを最大にする」で。

ロボット搾乳――ここにも水槽を

20150731

上川管内のS牧場はロボット搾乳です。
「牛が水を飲みたいときに飲めるように」とSさんは、搾乳ロボットへの囲いエリア(搾乳ロボットに馴致する牛や、強制的に搾乳誘導した牛の待機場所)にも水槽を設置しました。
予想どおり、多くの牛がこの水槽で飲水することから、「やって良かった」とSさんは言います。

母牛が元気でなければ……十勝子牛研究会

tokachikoushi

十勝子牛研究会(会長・石井三都夫獣医師)は7月14日、帯広畜産大学で総会および勉強会を開催した。
勉強会では、酪農コンサルタント・(株)ARADEの新出展之氏が「乾乳期の管理」と題した基調講演を、十勝NOSAIの瀬尾洋行獣医師が「初乳アンケート結果と子牛の病傷事故率・死廃事故率との統計学的検討」、同NOSAIの増田祥太郎獣医師が「肥育農場導入子牛における受動免疫移行不全の簡易判定法とワクチン接種時期の検討」と題したプレゼンを行なった。

新出氏は「母牛が元気でなければ子牛も元気ではない」と前置きし、乾乳後期の栄養でMP(代謝蛋白質)を高める(1100から1400gにする)ことが非常に重要であること、周産期疾病を予防するうえで乾乳後期のミネラルバランス(とくにマグネシウムとイオウ)を整えることが好結果につながること、乾乳前期の過肥対策としてウィート(飼料用麦稈)を利用していることなどを解説した。

ゆったりスペースで「飲・食・休」を保障

20150710blog

「クロースアップ(乾乳後期)は決して過密飼養にせず、敷料を大量に入れて休息環境を良くし、嗜好性の良いエサと水を常に摂取できるようにすることが絶対の基本だ」と言う根室管内のYさん。
クロースアップの経産牛はフリーバーンで飼養しますが、クロースアップの初妊牛は、経産牛との競合を避けるため、旧牛舎で繋いで飼養しています。
繋ぎとはいえ、約3頭分のスペースに1頭を長いロープで繋ぎ、敷料を豊富に入れ、飼槽には常にエサがあり、水槽にはきれいな水がたっぷりです。

搾乳ロボットをより活かすには

20150619blog

「いくら機械化しても、人がきちんと管理しなければならない部分が必ずある」とSさんは言います。
例えば、搾乳ロボットをうまく使うためには、乳房を常にきれいにしておくことが重要なので、1日3回ベッドメーキングを行ないます。
その際、同時に発情観察や体調チェックも行ないます。
それらが奏功して、乳質および繁殖は、いつも好成績です(平均分娩間隔は約400日)。
敷料のオガクズは石灰消毒しています。