乳用牛資源の計画的な確保を:Jミルク

2014 年 10 月 22 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 6:00 PM ニュース

一般社団法人Jミルクは、10月22日都内で、平成26年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと当面する課題についての記者会見を行なった。

会見によると、平成26年度通期の地域別生乳生産量は、北海道380万2000t(前年比98.8%)、都府県351万8000t(同97.8%)、全国で732万t(同98.3%)と、前年度を下回って推移することが見込まれる。全国的に分娩予定頭数が12~1月頃には前年並みへと回復することが見込まれるものの、生産の主力となる2~4歳の飼養頭数が前年度を下回って推移していることが理由。生乳生産についてJミルクは、「現在減少傾向で推移しているが、今夏は都府県の気温が平年以下となり牛体疲労の軽減が見込まれること、北海道においても比較的品質の良い自給飼料が給与され始めたこと、さらに生産現場においては、国の施策の活用が進むとともに生産者組織による増産対策も重層的に推進されるなどの努力が続けられていることから、このような対策も今後見込まれているところ。一方、直近の乳用牛への黒毛和種の交配状況が全国で33.6%(26年4~6月)とかなり高い水準になっている。酪農経営の生産コストが高止まりするなか、経営改善を図るうえで副産物収入は重要ではあるものの、将来にわたり酪農生産基盤を維持・拡大していくためには、雌雄判別精液などの利用を積極的に進めるなど、中長期的な視点から乳用牛資源の計画的な確保に努めていくことが何よりも重要である」と発表した。
乳製品に関しては、特定乳製品在庫が段階的な減少基調にあったことから、本年5月に国による脱脂粉乳のカレント輸入並びにバターの追加輸入が実施され、さらに9月には今後の乳製品の安定的な供給を確保するため、脱脂粉乳1万t、バター3000tの追加輸入が発表されたところ。Jミルクは「酪農乳業関係者においてはこれら国の追加輸入の設置を踏まえ、国産乳製品の需要が輸入品や調製品にシフトすることがないよう、業界一体となって乳製品の安定供給に努めるとともに、併せてユーザーの国産乳製品に対する理解を求めるための取り組みを鋭意進めることが肝要である」とした。

コメントはまだありません »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment

Copyright (C) 2005 Dairy Japan Corporation. All Rights Reserved.