宇都宮賞が決定:山岸均氏(士幌町)・野原幸治氏(帯広市)

2022 年 1 月 11 日

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宇都宮仙太郎翁顕彰会(瀧澤義一理事長)は1月11日、「第54回 宇都宮賞」の表彰者を以下の2氏に決定した。表彰式は例年どおり、同翁の命日にあたる3月1日に札幌市で開催する。

●酪農経営の部=山岸均氏(士幌町、64歳)
士幌高校専攻科に在学中、米国カリフォルニア州の大規模な搾乳専門牧場で1年間研修し、そこで飼養管理作業上の問題となる搾乳性や肢蹄のことを精力的に学び、フリーストール導入に役立つ知識を習得して、昭和54年に卒業と同時に就農。常に「現場第一主義」で家族経営を基本に酪農家の模範となる経営者になることを理念に、牛群は、海外から優良雌牛の導入や受精卵移植を活用した遺伝資源の改良により、体格得点のレベルが高く、資質に優れた搾れる牛群を整備し、飼料生産は、高栄養価で嗜好性の高い自給粗飼料を生産し、飼料分析による適正な飼料調製に努め、乳量、乳成分や乳価は地域や全道平均を上回る優れた成績をあげている。
平成31年には搾乳ロボットを導入して、大規模経営にあって家族による「ゆとりある酪農経営」を実践し、酪農経営の模範として高く評価されている。また、資源の有効利用を目指して、2戸共同型バイオガスプラントからの液体肥料を飼料畑に還元しており、これまでの土地改良により一番牧草やコーンサイレージ品質は、町内平均を大幅に上回る良質な粗飼料が生産されている。
経産牛186頭平均の乳量は1万445kg、乳脂率4.18%を達成し、遺伝評価では耐久性成分、疾病繁殖成分が全国上位で長命連産を実現するなど、乳牛の飼養管理技術は高く、共進会にも多数出品して優秀な成績を収め、地元の乳牛改良をリードしている。

●乳牛改良の部=野原幸治氏(帯広市、60歳)
昭和59年に酪農学園大学を卒業後、2年間アメリカの牧場で実習し、世界最先端の乳牛改良や飼養管理の技術研鑽を積み、平成元年に結婚と同時に義父の野原氏から経営移譲を受け就農。「土地作り・草作り・牛作り」を理念に、とくに体型形質に重きを置き長命連産性の牛群作りによる経済性を追求し、牛群検定や体型審査、優良受精卵の導入・採卵・移植等に取り組み、全道・全国の共進会等で数多くの賞を受賞しており、全道を代表する優秀牛群の一つとなっている。
経産牛98頭平均の乳量9546kg、乳脂率4.22%、無脂固形分率8.88%であり、除籍牛平均産次4.2産、産次別牛群構成において3産以上の割合45%と、いずれも全道平均を大きく上回る高いレベルにあり、長命連産性に富んだ牛群作りに務めている。
牛群体型審査では、これまでに30頭のエクセレント牛を輩出し、令和2年では52頭の平均体格得点85.9点、平均体型偏差値148.8という全国最高レベルの成績を収めており、遺伝評価において、平均体型得点はもとより長命性と深く関連する乳器や肢蹄の評価は群を抜いて高く、とくに耐久性成分で全国1%、疾病繁殖成分で全国上位6%にあり、長命連産を実現した牛群。その中でも「サニーフイールド ブラツド レニー ウイン」(8歳2カ月・6産)が3年11月に94点(4E)を獲得した。

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