繁殖技術の研究発表――石狩AI研修会

2014 年 9 月 18 日

Filed under: — djito @ 12:54 PM ニュース

石狩AI

石狩家畜人工授精師協会は9月17日、札幌市内で「第62回 石狩AI研修会」を開催し、約50名が参加した。

研究発表では、以下の9題が発表された(敬称略)。
「発情誘起した黒毛和種の受胎に影響する要因の検討」門田麻衣子(酪農学園大学・学生)
「超音波診断装置を用いた牛胎子の性判別技術の模擬練習法の検討」福田充紀(酪農学園大学・学生)
「乳牛の妊娠黄体数と双胎、季節、産次数および泌乳量の関係」御囲雅昭(石狩NOSAI南部家畜診療センター)
「道東地方のI農協の酪農家における牛胎子死の飼養頭数規模別の実態について」高橋俊彦(酪農学園大学)
「種雄牛のマスターベーション観察 Part 2」福地元(ジェネティクス北海道)
「ジェネティクス北海道交配相談サービスの効果とその検証について」藤元郁子(ジェネティクス北海道)
「黒毛和種牛における哺乳量および代用乳の栄養成分が子牛の発育に及ぼす影響」高山恵(酪農学園大学・学生)
「酪農学園肉牛農場の黒毛和種における生時体重と枝肉成績に及ぼす父牛と母の父の影響」片山美香(酪農学園大学・学生)
「歩数計を用いた肉牛の発情時、分娩直前・直後および放牧地の行動観察」近藤伸一(酪農学園大学・学生)

高橋俊彦教授は発表で、「飼養頭数規模が大きいほど胎子死数は多いが、胎子死率は低い傾向にあることから、胎子死は飼養頭数規模ではなく地域差があることが示唆される」と解説した。

その後の特別講演では、以下の3題が発表された(敬称略)。
「牛糞尿は地域の資源~バイオガス~」土谷雅明(土谷特殊農機具製作所)
「バイオガスプラントへの取り組み」松石尚武(エネコープ)
「再生可能エネルギーの全量買取制度に伴う電気の買取のご提案」小暮明大(エネコープ)

なお、北海道家畜人工授精師協会は10月16・17日に、札幌市で「第70回 北海道家畜人工授精技術記念大会」を開催する。
大会参加の申し込みは以下へ。
北海道家畜人工授精師協会 事務局 TEL 011-242-9655

フリーストール・ミルキングパーラー普及率は23%――北海道農政部

Filed under: — djito @ 7:50 AM ニュース

北海道農政部畜産振興課は9月17日、北海道内のフリーストール牛舎およびミルキングパーラー(搾乳ロボット含む)導入状況の調査結果を公表した。
これは今年2月1日現在の道内の搾乳農家6330戸を対象に調査したもの。
フリーストール牛舎を導入している酪農家は1558戸(道内搾乳農家比24.6%)、ミルキングパーラーを導入している酪農家は1468戸(同23.2%)、そのうち両方とも導入している酪農家は1459戸(同23.0%)で、前年度に比べて7戸増加している。

フリーストール牛舎の導入については、近年、新規整備数が減少傾向にあるとともに、廃止(離脱)数が増加していることから、微減の状況が続いている。
フリーストール牛舎を導入している酪農家のうち、100頭以上の経産牛を飼養している経営が過半をしめており、とくに十勝では、484戸のうち約1割の44戸が300頭以上の経産牛を飼養する経営体となっている。

ミルキングパーラーの導入については、先と同様の理由から、一桁台の増加数にとどまっている。
搾乳ロボットについては年々増加して144戸に導入されており、ミルキングパーラー全体の9.3%を占めている。
ミルキングパーラーを型式別に見ると、ヘリンボーン型が最も多く497戸(32.2%)、次いでパラレル型が371戸(24.0%)、アブレスト型が326戸(21.1%)となっている。
飼養頭数規模が300頭以上の経営ではロータリー型の割合も高くなっている。

秋田県の柴田瑞穂さんが最優秀賞

2014 年 9 月 12 日

Filed under: — admin @ 6:00 PM ニュース

全国農業協同組合連合会(JA全農)は9月12日、東京で第32回全農酪農経営体験発表会を開催した。全国から合計6名の酪農家がそれぞれの経験を活かした経営ならびに取り組みなどを発表した。
この経営体験発表会は、優秀な酪農経営体験者の経営内容や経営技術などの成果を広く紹介することで、酪農経営の安定・発展につなげることを目的としている。
受賞者は以下のとおり。

最優秀賞
柴田瑞穂さん(秋田県由利本荘市)
「引き継がれていくことを願って」

特別賞
知久久利子さん(千葉県野田市)
「バランスを大事にする牛飼いを目指して」
定本秀敏さん(島根県雲南市)
「里山放牧を活用した低コスト酪農を目指して」

優秀賞
田中洋希さん(北海道中標津町)
「新しい力と共に歩む”絡農”経営」
高宮城実一郎さん(沖縄県沖縄市)
「沖縄の気候に合った酪農を目指して~家族とともに歩む~」
河又潤さん(栃木県茂木町)
「地域と共に歩む経営」

また、第8回全農学生「酪農の夢」コンクールも同時開催された。全国から応募された作品のなかから選ばれた最優秀賞、優秀賞4名を含めた座談会が行なわれた。経営体験発表者(酪農家)へ、酪農家を夢見る学生達が質問を投げかけた。先輩酪農家達は、それに対し自らの経験を踏まえて丁寧に応えた。

最優秀賞
後藤田茜さん(北海道中標津農業高校)
「祖父が導いてくれた道」

優秀賞
碇谷のぞみさん(日本獣医生命科学大学)
「夢は酪農家」
安部竜司さん(大分県立農業大学校)
「反対されながらも夢を描いて」
安達萌花さん(岡山県立高松農業高校)
「牛のために~私の酪農の夢~」

新製法による「畜大パン」9月16日から発売――帯広畜産大学

2014 年 9 月 11 日

Filed under: — admin @ 9:07 AM ニュース

帯広畜産大学と敷島製パン株式会社(Pasco)は、北海道産小麦粉を使用した製パンに関する共同研究に取り組み、新しい製法を特許出願した。
そしてこのたび、その製法を活用した「畜大パン」を、地元のベーカリーである「石窯パン工房ポンパン」と使用許諾に関する契約を締結し商品化に成功したため、9月16日の12時から畜大生協で販売する。
販売品目は「畜大食パン」「北海道カボチャあんぱん」「十勝あずきぱん」「チョコチップスティック」の4品目で、当面、畜大生協のみで火曜と金曜日の限定販売となる。
同大学は、「『畜大牛乳』『畜大牛乳アイスクリーム』と同様に、本商品をとおして、本学をより身近に感じていただきたい」としている。

畜酪500億円超の増額、27年度概算要求

2014 年 8 月 29 日

Filed under: — admin @ 4:06 PM ニュース

農水省は8月29日、平成27年度の農林水産関係の概算要求の概要について公表した。27年度概算要求額は、26年度予算額より3274億円(対前年度比114.1%)上回り、総額2兆6541億円。畜産や酪農の関連予算は、生産基盤を強化するため、500億円を超える増額を要求となった。政府の掲げる「農林水産業・地域の活力創造プラン」に基づいた、農林水産業の成長産業化、農業・農村の所得倍増、食料自給率・自給力の維持向上に向けた施策を展開するとした。

畜産・酪農の競争力強化を図り、27年度概算要求には新たな施策を盛り込んだ。畜産農家の収益力強化対策として、機械導入へのリース事業の整備や施設整備への支援に160億円を計上。堆肥の広域利用や環境整備などへの地域畜産環境総合対策として61億円。和牛受精卵移植や性判別精液の活用などを含む畜産・酪農生産力強化緊急対策事業に30億円。また、自給飼料の生産拡大への施策として、飼料用米の利用拡大に向けた機械リース事業んい59億円を新たに計上するなど、前年度の農産物高付加価値化推進から、生産基盤の強化推進へと要望がシフトした形となった。

さらに、「強い農業づくり交付金」には、前年度より190億円上乗せした424億円とし、新規就農・経営継承総合支援事業のなかで、青年就農給付金として31億円を増額の178億円を計上した。

9月の営農技術対策―北海道農政部

2014 年 8 月 27 日

Filed under: — djito @ 8:12 AM ニュース

北海道農政部 生産振興局 技術普及課は、9月の営農技術対策を発表した。

家畜飼養における「今月の重点項目」は以下。
・畜舎内環境の改善と栄養管理に留意して、夏場に低下した体力の早期回復に努める。
・繁殖器官の早期回復、繁殖台帳の活用および発情観察の徹底で、受胎率の向上を図る。
・牛床、パドックなどの衛生管理と搾乳の基本技術を励行し、乳房炎の発生を防止する。

乳牛においては、「飼養環境」として、以下の注意を呼びかけている。

ア 9月の気温は、平年並か高いと予想されているが、徐々に下がっていくので、飼養環境を良好に維持することで、夏場に低下した体力の回復を図る。引き続き牛舎の開口部を広くして自然換気を促進するとともに、扇風機やダクトファンの適切な使用により、乳牛の体感温度を低下させて、ストレスの軽減を図る。

イ 水槽を清潔に保ち飲水量を高めるとともに、飼料摂取量の増加を図る。

ウ 牛床の敷料管理などを徹底し、牛体の清潔と安楽性を高める。

エ 先月までの高温で、飼料の固め喰いや選び喰い、長い時間起立している牛が多いなど、蹄疾患を発症しやすい状態なので、蹄の状態、起立姿勢や歩様などをよく観察し、異常牛の早期発見に努める。

他にも、「飼料給与」「繁殖管理」「放牧管理」「搾乳衛生」「農場衛生」についても注意点をまとめている。

詳しくは、北海道農政部 生産振興局 技術普及課のホームページへ。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/gjf/index.htm

その農機、誰かにとって“お宝”かも

2014 年 8 月 26 日

Filed under: — admin @ 4:10 PM ニュース
(株)唐沢農機サービスの唐澤健之代表

(株)唐沢農機サービスの唐澤健之代表

 (株)唐沢農機サービス(長野県東御市・唐澤健之代表)は、8月28日に中古農業機械(以下、中古農機)取引のマッチングサービスを提供するWebサイト「ノウキナビ」をオープンする。それにかかり、26日に記者発表会を行なった。
 同社は、三菱農機(株)の正規販売代理店として農業機械や農業設備を販売しており、農機の修理やメンテナンス、農機再生、中古車販売なども行なっている。近年では、“農業×IT”をキーワードに、WebショップやWebサービスを展開。今回の「ノウキナビ」はその一つである。
 既存のWebサイトには、「農家直売どっとこむ」、「東信州農の匠の玉手箱」がある。

「ノウキナビ」のトップページ

「ノウキナビ」のトップページ


 唐澤健之代表は、「近年の農業では、若手や後継者不足や農家単位でのコスト増などにより、農家を取り巻く状況は厳しいものとなっている。機械や生産システムが進化していくなかで、農業の発展を目指し、若手農業者は新しい農業を模索している」「農業を流通するインフラがより必要であり、農業界の世界を広げる力となるべく、“農業とIT”を掲げ、それを現場から発信していく」と挨拶した。
 「ノウキナビ」は、全国の販売店や農機ユーザー、農機保持者に対し、インターネット上でのマッチングを行なうWebサイトであり、販売店と農機保持者が直接取引をすることが特徴。販売店は事前に会員登録をして特定販売店となる必要がある。しかし、農機保持者である農家は、出品手数料を一点につき500円(税別)で自由に出品することが可能である。これにより、全国の休眠農機を全国の市場へインターネットを通じて解放することで、中古農機の流通活性化を図る。
 同社は、3カ年計画で、販売店会員を2000軒、一般ユーザー会員36000人、年間成約取引15000件を目指すとしている。畜産、畑作、稲作などの業種による区別をせずに、中古農機として幅広く取り扱っていくとのこと。

プロ顔負け―「高校生による牛乳類を使ったお菓子レシピ」表彰式

2014 年 8 月 23 日

Filed under: — djito @ 3:35 PM ニュース

高校生お菓子1

高校生お菓子2

酪農学園大学(北海道江別市)が主催する「高校生による牛乳類を使ったお菓子レシピ募集」の表彰式が8月23日、同大学で行なわれた。
牛乳類とスイーツの結びつきによる牛乳の消費拡大を図ることを目的に始まった、この催しは今年で9回目。
今年から光塩調理製菓専門学校(札幌市)、札幌グランドホテルの協賛も加わった。

今年は全国20都道府県の45高校から228レシピの応募があり、9レシピが入賞。
そのうち最優秀賞の「Wベリーのパイシュー」(多田尚輝さん/宮城県農業高校3年)、優秀賞「もちっとなめらか♪きなこわらびのフロマージュ」(佐藤彩衣さん/三重県相可高校3年)、同「栗ーみーチーズケーキ」(中村逸果さん/北海道三笠高校2年)を実際に同大学の調理室で作ってもらい、関係者が試食するとともに、表彰状が授与された。

講評では、「プロ顔負けのレベルであるとともに、和と洋が融合されて世界に通用するお菓子である」と絶賛された。
最優秀賞を受賞した多田尚輝さんは、「クリームを絞り出すときに手が震えて形をきれいにするのに苦労したが、とても嬉しい」と受賞の喜びを語った。

なお入賞作品は、北海道を中心に展開するコンビニエンスストアのセイコーマートが商品化し、10月上旬から期間限定で販売される予定。

収穫時期、農作業事故に気を付けて

2014 年 8 月 22 日

Filed under: — admin @ 4:16 PM ニュース

農林水産省は、農作業事故を減少させるため、9月から10月までを農作業安全対策の重点期間として、秋の農作業安全確認運動を実施し、秋の収穫時期に合わせて注意を呼びかけた。自治体、農業機械販売店、生産者団体などと協力し、農業者への安全意識の啓発を行なう。
農作業による死亡事故は、例年約400件のペースで発生しており、その多くが農業機械の関わる作業によるものである。農水省によると、平成24年は350件の農作業死亡事故が発生しており、7割が農業機械に関わるものである。そのうち、乗用型トラクターによる事故は半数を占めている。23年、24年は前年に比べ、件数が減少傾向ではあるものの、より農作業事故を減少すべく、農作業安全確認運動は毎年、春と秋に実施されている。
秋の農作業安全確認運動は、9月1日(月曜日)から10月31日(金曜日)までの2カ月間、「あなたの地域から広がる、農作業安全」を重点推進テーマに実施される。

乳和食のすすめ

2014 年 8 月 21 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 5:30 PM ニュース

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第61回日本栄養改善学会学術総会と一般社団法人Jミルクとの共催で、8月21日横浜市内で、標記の学会にてランチョンセミナーを開催した。
本セミナーでは料理家・管理栄養士の小山浩子氏が「牛乳と和食のしあわせな出会い おいしく減塩・乳和食」について講演した。また、公益社団法人日本栄養士会理事および緑風荘病院栄養室健康推進部の西村一弘主任が「病院給食における「乳和食」応用効果の検討」について講演した。

本公演で小山氏は、1.ミルクをだしにする、2.ミルクで割る・のばす、3.ミルクでゆでる・ゆで戻す、4.ミルクで溶く、5.ミルクにお酢を加える、以上五つの牛乳を使った減塩法が紹介された。会場では乳和食弁当が振る舞われ、聴衆者達からは“おいしい”という声が飛び交った。
また西村氏は、乳和食を実際に病院給食として提供している事例を紹介した。西村氏は「今後到来する超高齢化社会において、在宅医療を行なう方々は乳和食を取り入れてほしい。少量で栄養価の高い食事の提供、また高齢者に受け入れやすい和食として、そして一般の家庭でも手に入りやすい牛乳で作る乳和食は、とても有効だと思う」と述べた。

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