「和食と乳の研究会」発足:乳の学術連合
2014 年 8 月 20 日
一般社団法人Jミルクの外部連携組織である「乳の学術連合」は、和食の食材として「乳」を活用することの可能性や意義を、実証的に検証するとともに、そのエビデンスを明らかにすることを目的に、「和食と乳の研究会」を発足した。第1回の研究会は8月12日に開催され、第2回以降の研究会も継続的に開催していく予定。
わが国において、一般庶民の食生活場面で、乳の利用が始まったのは明治以降であり、ほぼ1世紀繁の歴史を持つ。しかしその利用実態は、例えば卵や牛肉が日本食の食材として定着している状況と比較すると、乳が日本人の食事のなかに文化的に融合しているとはいいがたく、すなわち食文化という側面において「乳の日本化」は道半ばである。
最近、和食のユネスコ無形文化遺産登録に見られるように、「和食」回帰の動きがあるが、こうしたなかで「和食に牛乳が合わない」という理由で学校給食での牛乳の提供を中止することを検討する事例が出てきた。このことも日本の食における乳の文化的ポジションを表現するものといえる。
こうした現状を踏まえ、わが国の食生活における乳利用について食文化的視点で検証し、「乳の日本化」のプロセスを戦略的にマネージメントする取り組みをスタートさせることが、わが国酪農乳業の持続可能性を強化するためにも重要なことと、乳の学術連合は考える。
以上の問題意識から「乳の学術連合」の領域横断的な学術研究の第一弾として「日本食と乳の文化的栄養学的融合に関する領域横断的研究」が、本年度より開始されることとなり、本研究会はその一環として、「和食に乳を組み合わせた調理における乳の成分及び物性の意義に関する研究」をテーマに研究を進めることとなっている。
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