農林水産大臣賞は宮崎県の上松氏

2018 年 2 月 23 日

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全国農業共済協会は2月22~23日都内で、平成29年度家畜診療等技術全国研究集会を開催した。同研究集会は、産業動物の臨床技術の向上と損害防止の推進を図り、家畜共済事業の健全な発展を目的としている。 今回は、全国から選出された21題の研究発表並びに講演が行なわれ、研究発表には審査により農林水産大臣賞、吉田賞、奨励賞、農林水産省経営局長賞、全国農業共済協会長賞がそれぞれ贈られた。
今回の農林水産大臣賞は「黒毛和種人工哺乳牛群に対する胃液移植の効果」を発表した宮崎県の上松瑞穂氏が受賞した。吉田賞は「子牛の難治性下痢症における糞便微生物移植の試み」を発表した千葉県の松浦優氏が受賞。奨励賞は「乳房炎治療に対する抗生剤使用量低減に向けた取り組み」を発表した岡山県の西山篤氏と、「牛における第一胃の慢性鼓脹症に対して注射器製フィステルを用いた第一胃瘻管形成術を施した10症例」を発表した北海道の近藤直氏が受賞した。

繁殖を考える 北海道しゃくなげ会

2018 年 2 月 19 日

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北海道しゃくなげ会(会長・更科進也氏、事務局・ZENOAQ 日本全薬工業(株)北海道営業所)は2月16日、札幌市で定期総会および研修会を開催した。今回の研修会は50回目にあたり、記念祝賀会も開催された。

今回の研修会テーマは「牛の繁殖を考える パート3」とし、基調講演では中田健氏(酪農学園大学・教授)が「乳用牛群検定データを用いた牛群における問題点の見つけ方」と題して、酪農に関する多くの情報を統合し可視化して有効利用することが、酪農家の利益を高め、酪農を守ることになると話した。そして乳用牛群検定データの見方や注意点、問題点の見つけ方と解決策などを、事例を交えて解説した。また牛群検定Webシステムの活用方法なども紹介した。さらに、「これからの生産動物の繁殖には、生産を支える獣医療、生産性(収益性)を高める獣医療が必須であり、ビッグデータを使いこなせる人材も必須となる時代がくるだろう」と話した。

その後、各地現場での取り組みとして以下5題の講演が行なわれた。
「フレッシュチェックの有用性:子宮回復遅延牛へのアプローチを再考する」櫻井直人氏(NOSAI道東 根室西部事業センター)
「CIDR定時授精プログラムの受胎率と受胎に影響を与える要因の調査」瀬尾洋行氏(十勝NOSAI 北西部事業所)
「妊娠率に着目した繁殖改善の事例紹介」大脇茂雄氏(NOSAIオホーツク 湧別支所)
「飼料設計を活用した士幌町の繁殖検診の実例」西沢尚之氏(JA士幌町 家畜診療課)
「関係機関と連携した乳牛の飼養管理指導による周産期病低減と繁殖改善」尾矢智志氏(NOSAI道央 空知中央支所)

最後に、ZENOAQコーナーとして、岩松香里氏(日本全薬工業 学術部)が新規抗コクシジウム製剤「ベコクサン」の特徴や効果などを紹介した。

オリオン機械(株)、GEA社共同によるロータリー型ロボット「DairyProQ」新商品発表会

2018 年 2 月 8 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 5:08 PM ニュース,新商品,発表会

オリオン機械(株)およびドイツの総合酪農機器メーカーであるGEA社は2月8日、都内で新しいロータリー型搾乳ロボット「Dairy Pro Q」の新商品発表会を開催した。
「Dairy Pro Q」は、ワンマンオペレーターで120~400頭/時間の搾乳を実現した最新のシステム。日本では酪農家が減少している一方でメガ、ギガといった数千頭規模の牧場が増えている傾向にある。そのようななか問題になるのが従業員の労働環境となってくるが、「Dairy Pro Q」の導入により酪農作業者の労働環境の改善が図れ、搾乳作業における重労働の負担軽減が実現できる。
最新ロータリーロボット「Dairy Pro Q」は、従来のロータリーパーラーと同等以上の処理能力があり、乳頭清拭、マッサージ、搾乳、ディッピングまでプロセスをライナー内で完全自動化を実現、また分房別搾乳のため徹底した感染予防、速やかな冷却送乳で安全な品質管理の点でも万全を期している。
開会の挨拶で太田哲郎代表取締役社長は「世界の技術の流れは第4時産業革命と言われており、IOTやAIといった従来のIT技術とは違った技術開発が産業を大きく変えていくことが予測される。(中略)いまや働き方改革が農業でも課題となり、本来、従業員の労働力を必要とする大規模酪農経営が増えていくなかで、雇用状況は大変厳しくなっているのが現実。その問題を解決する本システムは従来のロボットとはまったく違うコンセプトで開発され、比較する対象がないぐらいに画期的なシステムとして皆様に自信を持ってお勧めしたい」と話した。ロータリーロボットの登場は酪農業界に革命をもたらすとして熱い注目を浴びている。本日2月8日より発売開始となる。
(Written by Ryoichi Maeda)

オリオン機械(株)代表取締役・太田哲郎社長

オリオン機械(株)代表取締役・太田哲郎社長


ロータリーロボット「Dairy Pro Q」

ロータリーロボット「Dairy Pro Q」

筋肉を付けるには、肉? サプリ? 牛乳?

2018 年 1 月 28 日

Filed under: — djito @ 10:36 AM ニュース

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酪農学園大学エクステンションセンターは1月27日、同大学で、酪農学園ミルク産業活性化推進事業シンポジウム「牛乳の良さを見直そう~牛乳の生産から活用まで~」を開催した。
一般市民、管理栄養士、中高生、大学生などが参加した。
牛乳に関する研究を行なっている3氏が、牛乳に対する理解を深めてもらおうと、わかりやすく講演した。

まず、中辻浩喜氏(酪農学園大学 農食環境学群 循環農学類 教授)が「ウシってすごい! 草から牛乳を作り出す仕組みとその意義」と題して、草から牛乳を作り出す仕組み、酪農生産における土・草・牛を巡る物質循環の重要性などを講演した。

次に、栃原孝志氏(酪農学園大学 農食環境学群 食と健康学類 講師)が「朝の食卓だけではもったいない牛乳」と題して、牛乳の消費動向、牛乳を飲む必要性、ペットボトルでの牛乳販売が認められるようになったことでの新たな牛乳飲用シーンへの期待などを講演した。

最後に、寺田新氏(東京大学 大学院総合文化研究科 准教授)が「運動と組み合わせた牛乳の効果~最近の話題~」と題して、スポーツ栄養学から見た牛乳を解説した。以下はその概要。

アスリートの身体はトレーニングだけで出来上がったものではなく、何を食べたのか、ということが重要な要素となっている。運動後に蛋白質を補給することで、筋肉の分解を抑制し、合成を増やすことができる(筋肉が太くなる)。牛肉も牛乳も、トレーニング後の筋肉の蛋白質合成効果はほぼ同じ。ということは、運動後に必要な蛋白質補給は、肉やサプリメントに比べて牛乳のほうがリーズナブル(価格が手頃で合理的)であると言える。
乳脂肪分も筋肉の蛋白質を増やすのに重要と思われる。

牛乳にはスポーツドリンクとほぼ同様の電解質の量が含まれているので、運動後や熱中症予防の水分補給としても有効である。

トレーニング量の向上や好結果のためには、運動後なるべく早く糖質を補給することも重要である。その際、牛乳も一緒に摂るとグリコーゲンの回復が良くなる(“粉末コーヒーミルクの素”は合理的)。
このように運動後の牛乳摂取は効果的である。

※詳報はDairy Japan 3月号で

国内生産量は維持されるように 日EU・EPAとTPP11

2018 年 1 月 23 日

Filed under: — djito @ 4:41 PM ニュース

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農水省北海道農政事務所、経産省北海道経産局、北海道は1月23日、札幌市で、TPP11および日EU・EPAについての概要説明会を開催した。道内各地から関係者ら約200名が集まった。

関係省庁の担当4氏が、日EU・EPA交渉の妥結内容(外務省)、TPP11交渉の大筋合意内容について(TPP等政府対策本部)、総合的なTPP等関連対策大綱について(同)、日EU・EPA等の経済効果分析について(同)、農水分野における関連対策について(農水省)、農水産物の生産額の影響について(同)、経産分野における合意内容と関連対策について(経産省)を説明した。

農水産物への影響は、牛乳・乳製品について、生産減少額は日EU・EPAでは134億~203億円、TPP11では199憶~314億円と試算。生産量減少率は、どちらの協定においても0%としている。

試算の考え方は以下。
バター・脱脂粉乳等は、どちらの協定においても、現行の枠外税率を維持したうえで貿易枠を設定。
ホエイは、長期の関税率撤廃期間を設定しセーフガードを設置としている。
チーズについては、日EU・EPAでは、ソフト系チーズは横断的な関税割当相当の設定に留め、ハード系チーズ等は長期の関税撤廃期間を確保することから、当面、輸入の急増は見込みにくいとしている。
そして、どちらの協定においても、体質強化対策や経営安定対策を適切に実施することにより、引き続き生産や農家所得が確保され、国内生産量が維持されると見込んでいる。

農水省の担当者は、よく質問されることとして以下を紹介した。
Q 国内生産量はなぜ維持されるのか?
A 国内対策がしっかり打たれ、農家所得は確保されるものとしているから。

Q 日EU・EPAとTPP11の両方が発効されたら試算のダブルの影響を被るのでは?
A 貿易品目ごとで競合する・しない、一番の競争力を計算しているので、両試算を足した数字とはならない。

宇都宮賞は姉歯義宣氏(中頓別)・小岩政照氏(江別市)・田中牧場(清水町)

2018 年 1 月 11 日

Filed under: — djito @ 5:10 PM ニュース

宇都宮賞

宇都宮仙太郎翁顕彰会(北良治理事長)は1月11日、第50回目にあたる今年度の宇都宮賞表彰者を以下の3氏に決定した。
表彰式は例年どおり、同翁の命日にあたる3月1日に札幌市で開催する。

●酪農経営の部=姉歯義宣氏(中頓別町)
昭和60年に経営を継承。離農した酪農家の農地を引き受けて規模拡大を図りながら草地の整備・更新を計画に行なうとともに、飼料を効率的に摂取させるための飼養環境の改善・向上に努めてきた。平成23年に町内10戸の酪農家で構成するTMRセンターを設立。乳牛個々の能力を最大限に引き出す飼養管理の実践により、1頭当たり平均乳量1万1459kg、乳脂率3.96%など優秀な成績を収めている。農協組合長やTMRセンター代表に加えて、中頓別町のさまざまな酪農関係組織の代表者として精力的に地域の酪農を牽引している。

●酪農指導の部=小岩政照氏(江別市)
昭和50年に酪農学園大学獣医学科を卒業後、同校内科学教室の助手を経て、石狩地区農業共済組合で家畜臨床獣医師として15年間にわたり活躍した。平成7年に母校附属家畜病院の助教授に就任、その後、同病院教授、副病院長、附属農場長などの要職を歴任し、常に酪農家のためにという基本姿勢で教育研究に取り組んできた。卓越した診療技術のみならず、酪農への熱い思いや酪農家に寄り添う姿勢などによって、全道の酪農家から絶大な信頼を得ており、わかりやすく丁寧な指導を受けた多くの酪農家が、飼養管理や疾病予防技術の改善・向上等に成果をあげている。

●乳牛改良の部=有限会社 田中牧場(清水町)
地域に誇れる牧場を目指し平成9年に経営を法人化、長命連産と生涯生産能力を高める牛作りを目標に掲げ、骨格作りを意識した改良に取り組んできた。共進会においては毎年数多くの入賞牛を輩出しており、本年度の北海道ホルスタインナショナルショウでは出品牛9頭のうち5頭が1等賞を受賞。そのなかでもシニアチャンピオン並びにグランドチャンピオンとなった「TMF ナイデル アツト アンナ エコー」は、過去においてジュニアチャンピオンとインターミディエイトチャンピオンを受賞、ナショナルショウで3冠を達成した初めての牛であり、比類ない輝かしい成績を治めている。

酪農乳業界の価値をもう一段高めよう

2018 年 1 月 9 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 3:40 PM ニュース

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日本乳業協会など乳業13団体は1月9日、都内で平成30年合同新年賀詞交歓会を開催し、酪農乳業関係者約1000名が2018年のスタートを祝った。
開会に当たり宮原道夫会長は、昨年の酪農乳業界の明るい話題として「北海道での生乳生産が夏以降約1年振りに回復した。また今年の生乳増産を担う2歳未満の乳雌牛が増加している」と述べた一方、「都府県においては生乳生産の減少になかなか歯止めがかからず、国内生乳生産基盤の回復にはまだほど遠い状況」と懸念点を指摘した。「業界として自主的な対策を講じていくところではあるが、国としても現在推進中の施策の実効性の向上に加え、後継牛確保を図るための前例にとらわれない抜本的効果的な対策を検討してもらうようお願いする」と述べた。
また宮原会長は、日本乳業協会が2018年に取り組む五つの重点課題として「品質および安全性の向上による消費者の安心・信頼の確保」「牛乳乳製品の普及啓発」「乳業事業の改善」「国際化の進展への対応」「環境リサイクル対策の推進」をあげた。そのうち「品質および安全性の向上による消費者の安心・信頼の確保」について、「具体的には今年の通常国会で成立が見込まれるHACCPの制度化への対応を進めていく。学校給食用牛乳の異風味の問題については、あたかも乳業工場の衛生品質管理の不調が原因かのような報道がなされることが少なくないが、HACCPへの対応により業界をあげて品質向上に取り組んでいる姿勢を明確に打ち出し、外部に積極的にアピールすることでこれらを払拭する一つの材料にしていきたいと考えている」と強調し、「2018年も課題は山積しているが、将来をしっかりと見据えたうえで方向性を探り、課題を一つずつ解決していくことで酪農乳業界の価値をもう一段高めようではないか」と、会場に呼びかけた。

100人超の酪農女性が一堂に 酪農女性サミット

2017 年 12 月 5 日

Filed under: — djito @ 6:14 PM ニュース

酪農女性サミット

酪農女性や酪農業界に関わる女性が集う「酪農女性サミット2017」(主催/酪農女性サミット実行委員会、共催/農水省北海道農政事務所)が12月5・6日に札幌市で開催。
北海道内外から定員100名を大幅に上回る170名が参加した。

開催にあたり実行委員長の砂子田円佳さんは「このサミットは、日頃なかなか外出できない酪農女性が集まって学ぶ場。このサミットで得たワパーを仕事につなげていただきたい。皆さんの今の笑顔が、もっとキラキラになるようにしたい」と挨拶した。

初日はまず、版画家であり牧場従業員の冨田美穂さん(小清水町在住)による「牛と出会ってからのこと。」と題した基調講演が行なわれ、作品にまつわる乳牛や牧場のエピソードが紹介された。
「牛は本当にかわいいし、酪農家はかっこいいし、素敵な人ばかり。誇りをもって仕事に励んでいただきたい」と冨田さんは語り、参加者はうなずきながら聞き入った。

次に、Stron・gyu(別海町・酪農女子同盟)とプラノ(仕事用品店)によるファッションショー「酪農をもっと楽しく!もっとおしゃれに!」が行なわれ、Stron・gyuのメンバーがモデルとなり、お勧めコーディネートや新作作業着を披露した。

その後、パネルディスカッション「酪農女性のモチベーションUP!講座」が行なわれた。
パネリストは遠藤裕子さん(士幌町・遠藤牧場)、岩本実季さん(網走市・岩本牧場)、渡辺有紀さん(別海町・酪農ヘルパー)、コーディネーターは久富聡子さん(ハードサポート・酪農コンサルタント)。
各パネリストが日々の仕事や、やる気スイッチなどについて発表した後、仕事・生活・家庭・育児・親などについて体験や意見を話し合った。

※続報はDairy Japan 2月号で。

酪農で初のJGAP認証を取得 Kalm角山

2017 年 11 月 25 日

Filed under: — djito @ 11:00 AM ニュース

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搾乳ロボット8台で増産中のKalm角山(北海道江別市、百瀬誠紀代表取締役)は11月、酪農で初となるJGAP(適正農業規範)認証を取得した。JGAPは食の安全や環境保全に取り組む日本の農場に与えられる認証制度であり、畜産版は今夏に運用がスタートしたばかり。

同牧場は、サツラク農協組合員5戸によって設立され平成25年に稼働。480頭収容のフリーストール牛舎に、国内最多となる8台の搾乳ロボットを装備し、従業員12名で増産を続けている。昨年度の出荷乳量は4579t、今年度は5000t超が見込まれる。また牧場は昨年7月に、農場HACCP認証も取得している。

●HACCPは幹の認証、GAPは枝葉の認証
農場HACCPとGAPついて同牧場の川口谷仁専務取締役は、「前者は牧場の健全運営に対するシステム認証、後者は適正農場の生産物に対する製品規格認証だ。ゆえに木に例えるならば、牧場運営という幹にHACCP認証がなされ、そこに生い茂る枝葉(生産物)にGAP認証がなされることで、大きな約束と信頼を得らえる木ができる」とそれらの取得意義について語る。

●迅速な取得は支援メンバーのおかげ
同牧場のJGAP取得は、9月に書類申請、10月に現地審査、11月13日に認定と、極めて迅速に進行した。それには、農場HACCP認証農場はJGAP畜産版基準のうち、畜産物安全性と家畜衛生の基準項目を免除されるという理由ばかりでない。あとの基準項目である、労働環境、アニマルウェルフェア、環境保全などについては、「農協、専属の管理獣医師、社労士はじめ、農場を日頃から支えてくれるメンバーのおかげで、既存データをJGAP認証基準に沿って集約することで申請作業ができた」と川口谷専務は言う。

●取得メリットの第一義は利益優先にあらず
農場HACCPとGAPの取得メリットについて川口谷専務は、「どちらが利益(お金)につながるかということを議論しがちだが、それを先に考えると、本来の目的がくるってしまう」と言う。メリットの第一は、「より良い牧場運営ができ、各自がプライドを持って仕事ができる職場環境ができ、事業体として成長していけること」と指摘。次に、「JGAP認証の取得でサツラクの牛乳乳製品に対して消費者のプラスイメージが生まれるし、顔の見える商品も作っていける」と今後の活用を語る。

●安全・安心から約束・信頼へ
「間違いなく日本の牛乳乳製品は安全・安心だ。だが、その裏づけを問われると説明に手間取ることもある。そこで農場HACCP、JGAPが活かされる。牧場の運営・生産記録をいつでも開示できることを消費者に約束し、信頼を得ることができる。これからは、安全・安心から約束・信頼へとシフトしていくだろう」と川口谷専務は語る。

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TMRセンター同士が情報交換 十勝TMRセンター連絡会議

2017 年 11 月 22 日

Filed under: — djito @ 3:28 PM ニュース

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十勝管内の全TMRセンター(15軒)が参画する十勝TMRセンター連絡会議は11月22日、帯広市で研修会を開催し、会員TMRセンターはじめ関係機関から多数が参加した。

開催にあたり山本利浩会長(広尾町/サンタドリームサプライ)は「研修会を通じて仲間を作り、情報交換しながら良いエサを収穫し、切磋琢磨しながら生産を上げて、当連絡会議を盛り上げていきたい」と挨拶した。

その後、2軒の会員TMRセンターが運営状況を発表した。
JA上士幌TMRセンターは、構成牧場20戸、搾乳牛頭数は約2500頭、製造TMRは搾乳用3種類と乾乳用2種類。サイレージ品質の均一化・安定化などの効果により、1頭当たり日乳量は平成24年で27.2kgだったのが同29年には33.0kgに増えた。今後の課題は、大型バンカーサイロ46基のシート被覆作業時の人手不足、TMRセンターの規模拡大など。

更別TMRセンターは、構成牧場10戸、搾乳牛頭数は約700頭、製造TMRは搾乳用3種類と育成乾乳用1種類。粗飼料の品質・量が安定することで個体乳量が増え、同センター構成牧場の出荷乳量シェアは設立時の平成22年は24.2%だったのが同27年には30.9%に増えた。今後の課題は、粗飼料収穫作業を外部委託するなかで適期収穫していくこと、構成牧場が世代交代するうえでTMRセンターも円滑に運営継承してくことなど。

その後、5班に分かれて意見交換会が行なわれた。TMR単価設定方法、構成員による出役の課題、畑作農家へのコーン委託栽培の状況と金額などが話題に上がり、貴重な情報が交わされた。

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