消毒の基本を見直そう! 北海道しゃくなげ会

2012 年 2 月 17 日

Filed under: — djito @ 9:05 PM 未分類

北海道しゃくなげ会(伊藤篤会長、事務局/日本全薬工業)は17日、札幌市で「第44回北海道しゃくなげ会」総会および研修会を開催し、獣医師はじめ技術者、関係者ら約300人が参加した。

今年の研修会の主題は「感染症を考える、パート3」。
まず、横関正直氏(食品・環境衛生研究所主宰)による
「畜産現場のバイオセキュリティにおける消毒、消毒を再点検」と題した基調講演が行なわれた。

次に、感染症に関する講演として、
「農場の野生動物、サルモネラ症の疫学調査結果から」
 藤井啓氏(北海道立畜産試験場)
「趾皮膚炎の予防と対策」
 阿部紀次氏(長崎県壱岐市家畜診療所)
「乳牛における子宮内感染細菌の実態と子宮疾患の治療」
 鈴木貴博氏(北海道NOSAI研修所)
「黒毛和種牛および半血種馬にみられたボルナ病抗体陽性の2症例」
 福永成己氏(NOSAIいぶり東部家畜診療所)
「集団預託哺育施設における感染症対策と問題点」
 高橋英二氏(十勝NOSAI更別家畜診療所)
の5題が発表された。

●消毒薬に効力あっても「踏み込み消毒槽」は効果なし
基調講演で横関氏は「踏み込み消毒槽」を取り上げあげ、その効果に関する各種の調査・実験データを紹介。
短時間の浸漬ではまったく除菌できていなかったことから、「一晩浸けておけばそこそこの効果はあるが、ただ踏み込むだけでは病原微生物侵入防止対策の一環としてはまったく効果がない」と指摘した。
そして、「踏み込み消毒槽は、消毒方法としては最も条件が悪い方法である。したがって期待する効果は得られない。つまり防疫対策の手段には適していない。代替の方法は履物の『履き替え』しかない」と評価した。

※詳報はDairy Japan 4月号で。

ロールでも自動給餌

Filed under: — maetomo @ 6:54 AM 未分類

今週お邪魔した十勝管内A牧場(75頭繋ぎ)では
自動給餌機を使っての飼養管理を行なっています。
しかし、その自動給餌方法は一般的なものと少し違います。

A牧場では、ロールベールサイレージを自動で
1日8回給餌できるシステムになっています。
1日に使うロールベールサイレージ2個をセットしておけば、
後は自動で決められた時間にカットされ、
ベルトコンベアーで自動給餌機に投入されるようになっています。

このシステムにより省力化を図ることができ、
「経営寿命が延びた」とAさん(60歳)は言います。

生産者のグチやボヤキも大いに結構

2012 年 2 月 10 日

Filed under: — maetomo @ 6:16 AM 未分類

2月3日付DJニュース「サツラク青年同志会 創立50周年記念式典 開催」にあるように、そこでは記念講演が行なわれました。
その記念講演は「サツラクどうでしょう-ローカルから全国へ-」と題されたものです。
講師は人気TV番組(水曜どうでしょう)を産み出したディレクターらで、同志会員らも壇上に上がりユニークなディスカッション方式がとられ、いかにして消費者の心をつかんでいくか、などが話し合われました。

そのときの取材メモの一部です。

「自分達は良いものを作っている」という誇りがあり、それを仕事の目的の一つとしている。
そのことを消費者に、なかなか知ってもらえない。
でも、知ってもらうことは、ちょっとしたきっかけを作っていくことで可能となる。
それにはまず、生産者、作り手の想い、その商品の特徴を、こだわっている感を出しながら、どんどん発信していくこと。
草の根(口コミ)、ブログ、商品パッケージなどを使って発信していく。
その際、作っている人の空気感を出すこと。
そして、グチやボヤキも大いに結構。
生産者、作り手がグチやボヤキを発信すると、(今の時代は)多くの消費者から共感を得ることもたくさんある。

子牛専用車

2012 年 2 月 3 日

Filed under: — maetomo @ 6:20 AM 未分類

1月13日付の北海道支局だよりの続編です。
北海道十勝管内のS哺育育成牧場では、子牛の集荷のために、宅配業者が使用していた箱車(1.5tカーゴトラック)を改造し、利用しています。
ちなみに定員は最大で12頭です。
内装は牛床マット貼りで、床は麦稈でフカフカです。

さらにこの車の工夫しているところは、本来バックモニターとして使われていたカメラを箱の内部に取り付け、運転席から子牛の状態をモニターできるところです。
これにより、荷台を開けずとも子牛をチェックすることができます。
輸送は子牛にとってストレスがかかるため、細心の注意を払っています。

気持ち良さそうー

2012 年 1 月 27 日

Filed under: — maetomo @ 6:00 AM 未分類

豊富な敷料の中で気持ち良さそうに爆睡している牛。
それを舐めている牛。
十勝管内Y牧場(92頭繋ぎ飼養)です。
微笑ましく、また、繋ぎ牛舎でもこのように行動できるのかと感心して、
思わずシャッターを押しました。

ちなみに、自分で自分の体を舐める行動を「セルフグルーミング」、
他の牛を舐める行動を「ソーシャルグルーミング」といい、
牛群には以下の三つのカテゴリーがあるそうです。
・舐めるサービスを提供する牛
・舐めるサービスを受ける牛
・この関係に属さない牛

なぜそうなのかはよく理解されていないようですが、
舐めるサービスを提供する牛をすべて群から除外したら、
乳量が低下したという試験報告があるそうです。
「ふたたび酪農」(伊藤紘一著、弊社刊)より

バンカーサイロ上面の除雪

2012 年 1 月 20 日

Filed under: — maetomo @ 6:07 AM 未分類

「今年は雪が多いし、寒さもきつい」と言う上川管内のTさん。
バンカーサイロ上面の除雪中です。
積雪地域の酪農ならではの苦労ですが、
「雪が積もるからサイレージは凍らないし、土壌凍結もない。苦あり楽ありだね」
とTさん。

それにしても約1週間分の給与量のサイロ上面(取り出し面から2から3m分)の除雪をするのは、
かなりの労力です。
そこでTさんは、家庭用の小型除雪機で除雪することも検討中だそうです。

食洗機でボトル洗浄

2012 年 1 月 13 日

Filed under: — maetomo @ 5:32 AM 未分類

北海道十勝管内のS子牛哺育育成牧場では、哺乳ボトルや乳首の洗浄に飲食店で使われている食洗機を利用しています。
これにより一度に多くの哺乳ボトルと乳首を洗うことができ、なおかつ短時間で洗い終えることができるといいます。
こうして省けた時間を子牛の健康チェックに最大限活用することができます。
なお、洗浄後には次回哺乳時に向けて乳首を庫内で温めておくこともできます。

すべては子牛のために時間を費やすという気持ちが伝わってきます。

謹賀新年

2012 年 1 月 6 日

Filed under: — maetomo @ 6:16 AM 未分類

明けまして、おめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

寒い日が続いていますが、子牛達は元気でしょうか?
十勝管内のY牧場では、長女のRちゃん(小5)が哺乳のお手伝いをしています。
代用乳の量はもちろん、溶かすお湯の温度を毎回慎重に測り、
給与するときにちょうど良い温度(39度程度)になるようにしています。
だから子牛達は元気いっぱいです!

手作りハッチとヒーターで暖かく

2011 年 12 月 30 日

Filed under: — maetomo @ 6:00 AM 未分類

冬の寒さ厳しい北海道十勝管内のI牧場では、生後間もない子牛を寒さから守るため、コンパネで手作りした専用ハッチを利用しています。
コンパネハッチにはホームセンターで買える小型ヒーターが装備されていて、ハッチにコンパネの屋根をすることで、中はとても暖かく保たれています。
I牧場のご主人は、「産まれたての子牛をいかに早く乾かすかが先決で、これで後の免疫力に差が出る」「濡れたままだと下痢や風邪をひく。人間と同じ」と言います。
子牛は乾くまでこのコンパネハッチで温めるそうで、だいたい2日くらいだそうです。

あと2日で2011年も終わり、ますます寒さが厳しくなってきます。
風邪をひかないよう、人も牛も寒さ対策は十分にしていきましょう。

みなさま良いお年をお迎えください。

カナダの酪農家はクォータ(生乳生産枠)制度を誇りに思っている

2011 年 12 月 23 日

Filed under: — maetomo @ 6:16 AM 未分類

石狩北地区乳牛検定組合と江別市酪農振興協議会主催の「酪農研修会」が先週、江別市で開催されました。
講師はDairy Japanで「繁殖と栄養」を連載していただいている、お馴染みの大場真人先生(アルバータ大学准教授/酪農学園大学特任准教授)です。
「大場先生の講演を聞きたい」という声が多く、江別市の酪農家はもとより、関係者を含めて約60人が参加しました。

この日の講演内容は、「北米の酪農事情/カナダとアメリカ」「高泌乳牛は繁殖が悪くて当然か?」「エネルギー摂取量を向上させる栄養管理」などでした。
乳牛栄養学の話はもちろん、カナダ酪農とアメリカ酪農の比較も興味深いものでした。
以下は、取材メモです。

●アメリカ酪農
-クォータ(生乳生産枠)制度なし
-乳価の変動が非常に激しい
-規模拡大か離農かという選択に迫られる

●カナダ酪農
-クォータ制度あり
-酪農家の利益が確保できる乳価を設定
-乳価は安定するが生産量は増やせない
-政府からの補助金はない
-カナダのクォータとは、「1日1kgの乳脂肪を生産する権利」のことで、売買価格は現在(12月)3万4000カナダドル。
-ということは、搾乳牛100頭、乳量30kg/日、乳脂率3.8%というカナダで平均的規模の農場であれば、
 1日の乳脂肪生産量=100頭×30kg×3.8%=114kg
 クォータ資産=3万4000カナダドル×114kg=388万カナダドル=約3億円
-廃業する際、この約3億円は退職金代わりとなる。
-クォータ価格はどんどん上がった。ということは、「酪農は利益のあがるビジネス」と認識されている証拠である。
-したがってカナダの酪農家は、クォータ制度を誇りに思っており、この制度を守ろうとしている。

日本もクォータ制度がありますが、カナダとはだいぶ違っていますね。
アメリカとカナダの中間のような感じでしょうか?

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