北海道しゃくなげ会(伊藤篤会長、事務局/日本全薬工業)は17日、札幌市で「第44回北海道しゃくなげ会」総会および研修会を開催し、獣医師はじめ技術者、関係者ら約300人が参加した。
今年の研修会の主題は「感染症を考える、パート3」。
まず、横関正直氏(食品・環境衛生研究所主宰)による
「畜産現場のバイオセキュリティにおける消毒、消毒を再点検」と題した基調講演が行なわれた。
次に、感染症に関する講演として、
「農場の野生動物、サルモネラ症の疫学調査結果から」
藤井啓氏(北海道立畜産試験場)
「趾皮膚炎の予防と対策」
阿部紀次氏(長崎県壱岐市家畜診療所)
「乳牛における子宮内感染細菌の実態と子宮疾患の治療」
鈴木貴博氏(北海道NOSAI研修所)
「黒毛和種牛および半血種馬にみられたボルナ病抗体陽性の2症例」
福永成己氏(NOSAIいぶり東部家畜診療所)
「集団預託哺育施設における感染症対策と問題点」
高橋英二氏(十勝NOSAI更別家畜診療所)
の5題が発表された。
●消毒薬に効力あっても「踏み込み消毒槽」は効果なし
基調講演で横関氏は「踏み込み消毒槽」を取り上げあげ、その効果に関する各種の調査・実験データを紹介。
短時間の浸漬ではまったく除菌できていなかったことから、「一晩浸けておけばそこそこの効果はあるが、ただ踏み込むだけでは病原微生物侵入防止対策の一環としてはまったく効果がない」と指摘した。
そして、「踏み込み消毒槽は、消毒方法としては最も条件が悪い方法である。したがって期待する効果は得られない。つまり防疫対策の手段には適していない。代替の方法は履物の『履き替え』しかない」と評価した。
※詳報はDairy Japan 4月号で。