大規模でも細かなところに目が行き届く

十勝管内のN牧場は、経産牛609頭、未経産牛426頭、年間出荷乳量約6000tと大規模です。
搾乳牛舎はフリーストール5棟(うち1棟の半分は乾乳前期)です。
搾乳牛群は、経産の泌乳初期群、初産の前期群、泌乳中期群、泌乳後期群に分けて管理しています。
(初産の前期以降は泌乳中期群で合流する)

N同牧場の発情発見や異常牛の発見はすべて、スタッフ全員の目で行なわれています。
朝の搾乳終了後、スタッフ全員が手分けして(1群に2-3人ずつ入って)、1頭1頭を見て歩きます。
その際、各スタッフは専用手帳を携帯して、気になったことは漏らさず書き込んでおきます。

その専用手帳を見せてもらいました。
1頭ごとに、牛番号、耳標、生年月日、牛名、分娩日、子牛の性別、群移動、子宮回復や黄体の状況、発情発見状況、授精状況、分娩予定日、病歴などが細かく書き込まれています。
この手帳を見れば、「いつ、どのような状態のときに授精したのか?」と聞かれても、その場で即座にわかるそうです。

※詳しくはDairy Japan 6月号で。

雪解けで、ぬかるみ防止効果は?

雪解けの進む時期となりました。
道央はもうほぼ雪はなくなりましたが、道東にはまだ残っています。
4月になっても道東の牧場ではまだ解けぬ雪が見られます。
農家さんに聞くと、
「いつもはこの時期にこんなに雪はない。今年は異常だよ」と言うほど。

そんななか、昨年11月4日の北海道支局だよりで紹介しました
興部町のK牧場に足を運んでみました。

K牧場にも雪がまだ残っていましたが、ホタテの貝殻を敷き詰めた通路は驚くことに、ぬかるみがありませんでした。
Kさんは、「牛舎周辺はぬかるんでない」
「除雪で少し剥がしてしまったけど、この案は大成功だ!」と喜んでいました。

アナログのTwitter(ツイッター)

十勝管内Y牧場にうかがったら、牛舎の黒板に、「今日のツイッター」と題して何やら書いてあります。

フレッシュで良く見えた牛
1015、1007、756、1024

つなぎがおもく(腫れぼったい)外側開き(エックス脚)が数頭

水槽管理30点くらいかな
重曹ひとにぎり入れてごしごしとこする

これは地元を担当する農業改良普及員がY牧場を訪問した際に、書き残していったものだそうです。
Yさんはうなずきながら、このツイッターを読んで、
「第三者の目から見た牛の状態は貴重な情報です」と真摯に受け止めていました。

弥生の風物詩となるタンチョウ

先日訪れた十勝管内豊頃町にて、
国内希少野生動植物種に指定されており、
北海道の道鳥でもあるタンチョウを見ることができました。
冬には主な生息地として北海道の釧路湿原が有名ですが、
2月下旬から4月初旬にかけて十勝・釧路・根室で繁殖するといいます。

ところで、このタンチョウを見た場所はどこだと思いますか?

実は、同町のとある牧場の中で見たのです。
酪農家さんに聞くと、この時期はいつもいるとのことで、
酪農家さんとしては珍しいものでもなくなっており、
「体が大きく声も大きいから牛が怖がるんだよな」とのこと。
しかし一方で、「これもまたこの時期の風物詩だと思っているよ」とも。

国内希少野生動植物種も大事にしなければいけませんが、
酪農家さんにとって愛牛はそれにも負けない大切な存在ですね。
自分の牛を愛し、牛に愛される酪農家さんでいましょう。

報徳の精神が宿る酪農地帯

十勝管内・豊頃町二宮地区のT牧場を取材しました。
Tさんは、「ここ(二宮地区)は二宮尊徳の孫である二宮尊信が開拓の鍬を入れ、報徳を直伝したところ。その精神が今も宿っていると思う」と教えてくれました。

「報徳」とは、二宮尊徳が独学で学んだ神道・仏教・儒教などと、農業の実践から編み出した豊かに生きるための知恵で、以下を基本とするそうです。
1 至誠(誠を尽くす)
2 勤労(自助努力とともに労働を効率化し社会に役立つ成果を生み出す)
3 分度(収入の枠内で一定の余剰を残しながら支出を図る計画的な経済)
4 推譲(分度生活の中から生み出した余力の一部を、各人が分に応じて拠出し、相互扶助、公共資本、弱者や困窮者救済に充てる)

T牧場は家族労働で、経産牛180頭・未経産牛170頭、年間出荷乳量約1700t。
Tさんの酪農経営に臨む姿勢は、とても参考になります。
詳報はDairy Japan 5月号で。